2月4日 ピュグマリオン (Pygmalion) 春夏秋冬(菜の花) |
キプロス島に、名をピュグマリオンという、才能豊かな若い彫刻家がいた。
アフロディテは若い彫刻家のうわさを聞きつけ、自らの像を作らせる。
ピグマリオンは傑作を作り上げ、その像があまりにも美しかったので、彼は自分の作った彫像に恋をしてしまった。
彼は毎日なにも手につかないほど恋焦がれ、「もし彼女を手に入れられないのなら、崖から飛び降り死んでしまおう」と独り言を言った。
それを聞きつけたアフロディテは、彼の願いを聞き入れる。
冷たい彫刻に命が吹き込まれた。
彫刻は生きた女性となり、「ガラティア」と名付けられ、ピュグマリオンの妻となった。
ギリシア神話には珍しいハッピーエンドである。
この神話はとても有名で、映画「マイ・フェア・レディ」の原案となったと言われている。
また、「ピュグマリオン効果」という言葉は、「強く信じ続けて行えば、願いは実現する」ことの例えとなっている。
「ピュグマリオン効果」の典型的な例は、考古学者シュリーマンのトロイ遺跡発見であろう。
少年のころからホメロスの物語を愛読し、トロイが実在することを信じ、それを発掘する夢をかなえるため、すべてをささげる決心をした。
50年後、少年はその夢を実現する。伝説にすぎないと思われていたトロイの木馬は実在した。世界中はこの知らせに驚いた。
シュリーマンは「信念は必ず実現する」をまさに証明したわけである。
(ギリシア神話事典より)
(この絵のイメージは Art Magick のご好意で使用させていただいています)