9月25日   ゴジラ   1954年(昭和29年)       邦画名作選
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伊豆諸島の大戸島近海で、貨物船・漁船が、次々に沈没する事件が発生する。

大戸島へ派遣された調査団の一行は、そこで巨大な怪獣を目の当たりにする。
水爆実験によって、海底に眠っていた太古の恐竜が、覚醒してしまったのだ。

怪獣は、島の言い伝えになぞらえ「ゴジラ」と命名された。
やがてゴジラは、東京湾に姿を現し、都市を破壊し始める…。


日本映画界に特撮怪獣映画というジャンルを築いた、記念すべきゴジラ映画第一作。
特撮監督の円谷英二がつくり出した実写さながらの映像は、観客を大いに唸らせた。

当時、第五福竜丸の被爆事故があり、ゴジラを水爆の落とし子にみたて、核の恐ろしさを訴える
反核映画とされているが、映画製作の意図はそれだけではない。

ゴジラが都市を破壊するくだりで、ゴジラに追われて逃げる母と子どもが出てくるシーンがある。
死を観念した母親は、子どもを抱きしめ「もうじき、お父さまのそばに行くのよ」と語りかける。

この母親の言葉を、当時の観客が、どんな意味を持ったものとして聞いたかは明白だ。

「お父さま」は、明らかに日本軍兵士とした死んだ戦死者であり、この母親は戦争未亡人である。
空襲のさなか、母親は「戦争で死んだ」父親の元へ行くことを、子どもに言い聞かせているのだ。

日本が戦争の痛手から立ち直り始めた時期に作られた本作には、こうした明白な戦争の影があり、
反核とともに、反戦映画としての明確なメッセージが伺えるのである。



 
  製作  東宝
  監督    本多猪四郎   特撮監督  円谷英二

  配役    山根博士 志村喬 尾形秀人 宝田明 大沢代議士 菅井きん
      山根恵美子 河内桃子 芹沢大助 平田昭彦 老漁民 高堂国典

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