陽のあたる坂道 1958年(昭和33年) 邦画名作選 |
女子大生・たか子は、田代家の長女の家庭教師になった。
田代家は、会社社長の父、優しい母、医大生の長男、型破りの次男、
そして足の悪い長女が、明るく寄り添って暮らしていた。
だが裕福で幸福そうな田代家は、内部に複雑な事情を抱えていた。
読売新聞に連載された石坂洋次郎の同名小説を、田坂具隆が脚色・監督。
舞台はロカビリーが流行りだした頃の東京。
日本は高度成長期の幕開けを迎え、人々の生活にも余裕が生まれた時代である。
主人公の次男・信次は、裕福だが、どこか歪んだ家庭に育ち、世の中を斜に見ている。
彼は妾腹の子であり、心の奥には複雑な感情のゆらめきを秘めている。
一方、ヒロインのたか子は、健全な環境にあるしっかり者の女子大生だ。
素直でひたむきな彼女と付き合うことによって、皮肉っぽく構えていた信次は
真剣に生きる姿勢を取り戻していく。
上流家庭を舞台にして展開される通俗的なストーリーであるが、テンポも良く
爽やかな余韻が残る青春映画の傑作である。
製作 日活
監督 田坂具隆 原作 石坂洋次郎
配役 | 倉本たか子 | 北原三枝 | 長男雄吉 | 小高雄二 | 高木トミ子 | 山根寿子 | ||||||||||||||||
田代玉吉 | 千田是也 | 次男信次 | 石原裕次郎 | 高木民夫 | 川地民夫 | |||||||||||||||||
妻 みどり | 轟夕起子 | 長女くみ子 | 芦川いづみ |