御存じ いれずみ判官 1960年(昭和35年) 邦画名作選
遊び人の金四郎の父が、抜け荷買いの疑いをかけられ、奉行の職を追われてしまった。
あらぬ嫌疑を晴らして欲しいとの父の頼みで、さっそく真相究明に乗り出す金四郎。
加賀藩邸に忍びこんだ金四郎は、抜け荷を横流しする一味の陰謀をを察知する…。
遠山の金さんこと北町奉行遠山金四郎が、加賀百万石の悪事を裁き、度胸と啖呵で大暴れ。
御存じ片岡千恵蔵の十八番「いれずみ判官」シリーズ第十六作。
困った人がいれば体を張って助ける粋でいなせな江戸っ子、遠山の金さん(片岡千恵蔵)。
今日も同じ孔雀長屋に住むお景(丘さとみ)を救うべく、浪人相手に大立ち回りだ。
このお景ちゃんが金さんにベタ惚れなのだが、二人の組み合わせはどうみても父と娘。
そこはご愛嬌で、とにかく庶民派の金さんは長屋の住人から愛される求心力がある。
実は町奉行の金さんは、市井の人々の暮らしを知るため、長屋暮らしをしているのだ。
お白洲に颯爽と登場した金さんは、悪党どもを懲らしめ、弱き庶民から拍手喝采をあびる。
この庶民の心情を反映した名裁きぶりが、金さんの物語を不朽のものにしているのだ。
製作 東映
監督 佐々木康