王将   1948年(昭和23年)     邦画名作選
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大阪の草履職人・坂田三吉(阪東妻三郎)は、三度の飯より将棋が大好き。

将棋大会の会費が必要と、家財道具を持ち出し売り飛ばしてしまう始末だ。

妻の小春(水戸光子)は、娘の玉江と一緒に無理心中しようと思い詰める。

だが、あとに子供のような三吉一人が残ると思うと、それもできなかった。

やがて東京の関根名人(滝沢修)が大阪を訪れ、三吉と勝負を行うことになる。

熱戦の末、三吉はハッタリの一手「二五銀」で勝利するのだが…。



無学文盲だが、駒を握れば誰にも負けなかった鬼才・坂田三吉の数奇に富んだ生涯を描く。


北条秀司の戯曲「王将」は、1947年(昭和22年)新国劇によって初演された。

その時の配役は、三吉が辰巳柳太郎、三吉の妻・小春が小夜福子という顔ぶれだった。

この舞台を観た伊藤大輔は、強く惹かれるものがあり、映画化を思い立った。

同じ頃、阪東妻三郎も、この戯曲を是非やってみたいと思ったという。


本作「王将」は、無学文盲の草履作りであった三吉が、将棋一筋に精進する事によって、
一芸に秀で、人格までも磨かれた人物に変貌するさまを謳い上げた傑作である。

前作「無法松の一生」と並ぶ、名作の風格を持つ作品となった本作だが、妻三郎は、
一作ごとに芸域を深め、確実に魅力を加えつつある。


 
 
 製作   大映

  監督   伊東大輔  原作 北条秀司

  配役    坂田三吉 阪東妻三郎 関根名人 滝沢修
      妻・小春 水戸光子 ワンタン屋・新蔵 三島雅夫
      娘・玉江 三條美紀 小沢八段 香川良介
      内弟子・毛利 大友柳太郎 学芸部長・大倉 斎藤達雄

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