破れ太鼓   1949年(昭和24年)     邦画名作選
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津田軍平(阪東妻三郎)は、一代で財を築いた封建的な頑固親父だ。

妻と六人の子供は絶対服従。家政婦も嫌気が差し次々辞めてしまう。

ある日、父に対する不満がとうとう爆発。

父の会社に勤める長男・太郎は、仕事の事で軍平に殴られ家を出る。

軍平に無理やり見合いを強要された長女・秋子も、反発して家出する。

絶対服従だった妻までが立ち上がり、家を出て行ってしまう。

その頃、軍平の会社は暗礁に乗り上げ、昨日に変わる失意の軍平であった。



暴君そのものであった父親は、いったん息子たちから見離されるのだが、
事業に失敗して傷心の父親を救ったのは、やはりこの息子たちだった。

ここでは封建思想は悪いが、親孝行は非常に良いことだと強調されている。


戦後、GHQの「チャンバラ禁止令」により、時代劇スターだった阪妻は、
派手な立ち回りを披露できなくなってしまった。


だが本作「破れ太鼓」は、彼に本領を発揮できる新たな機会を与えた。

阪妻を長年見つめて来た木下恵介の眼に狂いはなく、形にとらわれない
性格劇は、阪妻にとっても一生一代の代表作となった。


 
 
 製作   松竹

  監督   木下恵介

  配役    津田軍兵 阪東妻三郎 三男・又三郎 大泉滉
      妻・邦子 村瀬幸子 四男・四郎 大塚正義
      長男・太郎 森雅之 叔母・泰子 沢村貞子
      長女・秋子 小林トシ子 野中茂樹 宇野重吉
      次女・春子    桂木洋子            父・直樹    滝沢修 
      次男・平三    木下忠司            母・伸子    東山千栄子

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