7月13日   真夏の夜の夢 (A Midsummer Night's Dream)   春夏秋冬 (お盆の思い出)
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シェイクスピア作の喜劇(初演1595年)

アテネに住む4人の青年男女のくい違った恋愛関係が、森の中で、妖精パックの惚れ薬によって、

さんざんもつれたあげくに、めでたくおさまるという話。

この劇のBGMとしてメンデルスゾーンが作曲した「結婚行進曲」は有名ですね。


物語の中心は、ハーミアとライサンダーのカップルに、ハーミアの婚約者ディミトリアス。この三人に、

ディミトリアスに恋いこがれるヘレナを加えた恋のすれ違い。


ヘレナに同情した妖精の王様オベロンが、秘密の惚れ薬を使ってディミトリアスの目を彼女に向けようとするのですが、

妖精パックの早とちりからライサンダーにも薬を使ってしまう。


妖精たちのいたずらで、ヘレナに愛の言葉をささやく男たちの姿が、かなり辛辣に描かれています。

観客はその心変わりを薬の効果だと知っていますが、当人たちは自分の気持ちが本心だと信じている。

「ハーミアへの気持ちは気の迷いだった。今ようやくそれに気づいた」「あなたへの気持ちが嘘なら、なぜ今こうして涙が出るのだ!」

などと男たちが大まじめに語れば語るほど、その言葉が軽薄で舞い上がったものになる面白さ。こういうことは、

日常生活の中でもしばしばあることかもしれません。



                     



シェイクスピア  William Shakespeare (1564〜1616年)

世界的に有名なイギリスの劇作家。

四大悲劇の「ハムレット」「オセロウ」「マクベス」「リア王」をはじめ「ロミオとジュリエット」
「ヴェニスの商人」「ジュリアス・シーザー」「アントニウスとクレオパトラ」などが代表作です。

13歳の頃、町の有力者であった父親が破産し、高等教育は受けませんでした。
18歳で結婚した彼は、22歳の頃ロンドンへ出ます。

はじめは他人の脚本の補筆を行いながら経験を積み、26歳になる頃にはすでに独立した作家として認められていました。

大学を卒業する劇作家も多い中、現在まで残る名作を書き上げたシェイクスピアの努力は、並大抵のものではなかったことでしょう。


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           (真夏の夜の夢 Op. 61-9 ハ長調 メンデルスゾーン)




そのとき少しもさわがず

シェイクスピアは俳優も兼ねていた。

あるとき彼がある王を演じていると、ご臨席のエリザベス女王は

彼をトチらせようと、さじきから彼の足もとにハンカチを落とした。

しかしシェイクスピアは平然と小姓役者を呼び出し

「これをひろって女王にお渡し申せ」