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エヴァに乗りこみ、使徒の目前に打ち出されるシンジ。
初めて乗るエヴァの操縦に戸惑うシンジに、使徒は情け容赦の無い攻撃を行なう。

しかし頭部に損傷を受け、活動を停止したかに見えたエヴァは突然再起動し、
とても信じられないような動きで使徒に襲いかかる。

エヴァ初号機との驚異的なシンクロ率によって、訳の分からないまま使徒を倒した
シンジだったが、その記憶も無いまま、気がついた時には病院のベッドに居た。

あまりに多くのことが一時に起ったために茫然とするシンジ。
そのシンジの前に開いたエレベーターの中には父ゲンドウが乗っていた。
しかし父からの優しい言葉は無く、お互いを避けるように顔を合わせることすらしない父と息子。

見かねたミサトは、シンジの保護者役をかって出る。
ミサトは何とかシンジを励まそうとするが、シンジは全てに戸惑うばかりであった。


   
(1) (2) (3) (4)

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【第九課 第四節】

NEON GENESIS EVANGELION
第一话 使徒、来袭 ④

(鸣・・・鸣・・・鸣・・・ 窗外不远处知了在叫着。
隔着窗帘,早上的阳光淡淡地透进房间里。

真嗣双眼一睁,从梦中醒来。
视角拉开,这是一个宽敞的病房, 白色的墙壁、白色的窗帘、白色的灯光)

真 嗣: 没看过的天花板 ・・・。我为什么会在这里?

(望着白色的天花板,真嗣说道)

(在使徒自爆现场的中心搭了一顶 UN 帐篷。
此时,初号机因为战斗而破损的部件正在不断的运输,拿去维修。
头部上巨大的裂痕讲述着战斗的惨烈)

SEELE议员A: 使徒又来了吗?这也太唐突了。
SEELE议员B: 和15年前完全一样。灾厄总是没有任何预兆就突然来访。

(黑暗的房间中, 一共六个人们在会议。
红蓝黄绿,两两相对,四种颜色的位置上分别坐着四个人。
而前后是两个白色的位置,这明显的告诉人们,他俩的不同)

SEELE议员C: 也可以说非常幸运的是,我们的先行投资是没有白费这一点。
SEELE议员A: 这个可还不清楚呢。如果派不上用场的话,就和白费力气没有两样。

SEELE议员B: 没错。现在已成为众所皆知的事实了。使徒的处置、消息调查、
                        NERV 的运作,这一切若不迅速处理的话可就伤脑筋了。

(碇源堂就是那两个白色位置的其中之一,他平静的说道)

源 堂: 关于这件事已经都处理好了,请安心。

(画面回到了战斗现场)

电 视: 关于昨天的特殊紧急状态宣言,政府方面在今天早上 ・・・

(美里一边扇扇子, 一面看着电视。 新闻中不断重复这对于昨天那件事情的解释,
不过,那和她知道的事实完全不同)

美 里: 是照剧本 B-22 发表的吗? 事实又被隐藏在黑暗中了。
律 子: 宣传部可是很高兴呢,说 「总算是有工作了」 呢。

美 里: 他们也真够轻松的了!
律 子: 是吗? 其实大家都是很害怕的吧。

(美里满脸不高兴地脱口而出说了一声)

美 里: 这是当然的吧!

(画面又回到了那个会议上)

SEELE议员C: 总之,正如你所说的。
SEELE议员D: 不过碇, NERV 和 EVA 你们难道不能操作得更好些吗?

SEELE议员B: 紧接着零号机,你们第一次上阵就弄坏的初号机的修理费,
                       可是会让一个国家破产的哟。
SEELE议员C: 听说那个玩具,你把它送给你儿子啦。

SEELE议员A: 人力、时间、还有金钱,你们父子到底要花多少才甘心呢?
SEELE议员C: 而且你的工作不只是这个而已吧? 
                       人类补完计划,这个才是你当前的要务吧?

SEELE议员B: 是啊,这个计划才是在绝望的情况下唯一的希望。
KEEL议长:  总而言之,即使使徒再度来到,也不能使计划有任何延误。
                    关于预算方面也需要加以考量。

SEELE议员A: 那再来就是委员会的事了。
SEELE议员B: 碇,辛苦你了。

(紧接着红蓝黄绿四色的位置消失了)

KEEL议长: 碇,已经无法再回头了。

(最后白色的说罢,也消失了)

源 堂: 我明白。人类已经没有时间了


(真嗣站在医院的窗边, 窗外有小鸟们在叫着。
这时传来了几个脚步声, 护士们推着丽的病床从他旁边走过。

丽面无表情地看着真嗣, 接着把视线转移到天花板。
丽的病床往走廊尽头离去)

(在从战斗现场回来的路上,美里和律子坐在车上谈到真嗣)

美 里: 冷气真是人类的至宝,真是科学的结晶!
律 子: 听说真嗣清醒了。

美 里: 他情况怎样?
律 子: 没有外伤。 好象记忆有些混乱。

美 里: 难道是精神污染?
律 子: 好象没有这种疑虑。

美 里: 这样啊?说的也是,突然发生那种事。
律 子: 这也难怪了。这对他脑神经造成相当大的负担。

美 里: 「脑神经」?  应该说是 「心灵」 吧?

(美里撇撇嘴,显然她对于律子无论什么事情都严肃着说的习惯很不感冒)


美 里: EVA 和这个城市若能完全运作,说不定能行得通呢。

(城市的维修在进行着。巨大的防护设备在不停的修理,维护和安装。
美里看着城市的建设情况,感叹道)

律 子: 想用这个赢过使徒? 你还是老样子,真是乐观。
美 里: 充满希望的预测,是人类活下去的必需品哦。

律 子: 说的也是。你的这种说法的确能使人轻松多了。
美 里: 那、我走了。


(被告知真嗣已经清醒了的美里,当即飞车到 NERV 医院。
真嗣坐在医院的大接待室里,眼睛盯着自己的左臂。

美里来到真嗣面前。真嗣抬起头,望着美里,沉默。
真嗣和美里先要回去 NERV 总部。二人在等电梯。

刚好电梯门开了,源堂出现在两人面前。
站在美里旁边的真嗣,惊讶的看着眼前的父亲。

而碇源堂也面无表情的看着自己的儿子。
无声的对视。真嗣把脸扭过去。电梯门关上了。

父子的第二次见面就这样没有关心,没有语言,没有动作的结束了)


(在说, 律子跟冬月商量真嗣的住房问题)

律 子: 这样好吗? 他们不住在一起。
冬 月:  对碇他们而言,没有对方的生活才是理所当然的。
律 子: 或者可以说,在一起反而不自然,是吗?

(在 NERV 的大厅里)

美 里: 一个人住?
办公人员: 对, 他的房间就在前面一点的第六区。没有问题吧?

真 嗣: 是。

美 里: 这样好吗? 真嗣。
真 嗣: 没问题的,一个人反而好,反正到哪里都一样。

(对真嗣的那种优柔寡断的态度, 美里下定一个决心。
她马上打电话给律子)

律 子: 你说什么?
美 里: 就是让真嗣住到我那里去。我也取得上面的许可了。
           用不着担心啦、我不会对小孩子出手的~~(晕)

律 子: 讲这什么话! 真是的,你到底在想什么嘛。
            你这个人每次都是这样!

美 里: 这女人还是老样子,一点也不懂玩笑。

(画面中又出现了那辆老爷车——美里的蓝色跑车。
满车胶布的老爷车在隧道里快速的行进。
美里一边驾驶车, 一边看助手座位的真嗣, 说 )

美 里: 好了,今晚要好好热闹一下了。
真 嗣: 为什么呢?
美 里: 当然是给新同居人开欢迎会嘛!

(在方便店里。罐头,啤酒,花生豆,快餐。
在美里的购物车上装满了这种对付的,丰富的晚餐。
正在美里结账的时候,旁边的通道口,两位妇女正在闲聊天,关于昨天的战斗)

居民A: 果然还是要搬家吗?
居民B: 是啊,没想到这里会变成战场。

居民A: 是啊。我老公也说只有我和孩子也好叫我们先疏散。
居民B: 疏散吗? 这里虽说是要塞都市,但也还是一点也靠不住。

居民A: 昨天的事件,光是回想就觉得毛骨悚然呢!

(真嗣把这一切都停在耳中,皱着眉。美里看着真嗣的样子,做出了一个决定。
黄昏,公路上,美里的车通过隧道, 驾进了市区)

美 里: 不好意思,我要稍微绕道一下哦。
真 嗣: 要去哪里?
美 里: 一个好地方哟~!

(汽车行驶在盘山公路上。不久汽车停在一个小山丘上,
从这里可以眺望到整个城市)

真 嗣: 总觉得这个城市好寂寞。

(美里看着手表,说道)

美 里: 时间到了。

(警报响起, 在夕阳的金光中, 看见一座座大楼冒地而起。
楼房,天桥,街道。 升起的高楼挡住了夕阳)

真 嗣: 好棒!大楼在上升!

美 里: 这个就是专门用来迎击使徒的要塞都市 ---- 第三新东京市
           ・・・ 我们的城市 ・・・ 并且是你所保护的城市。

真 嗣: 我才没有那么了不起。我之所以驾驶 EVA ,
           既不是要救人类, 也不是为了救那个女孩。

美 里: 我明白。 不管理由如何, 总之你干得很漂亮, 要对自己有信心。
 
(说罢, 美里缓缓地转过头,看到真嗣眼中竟噙着泪水)

美 里: 真嗣?  哎呀 ・・・ 你 ・・・ 我说了什么不中听的话吗?

真 嗣: 不, 没什么。 美里小姐, 我 ・・・ 我 ・・・ 这些话, 要是我在那个时候、
           那个地方听到,该多好啊・・・。




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【注 釈】

【初号机因为战斗而破损的部件正在不断的运输】
戦闘で破損した初号機の部品が、次々と運ばれていた。
因为+体詞+而・・・の構文で、因果関係を表す介詞構造を形成する。
<用例> 我因为他而喜欢上了高尔夫 gāo'ěr fū  (彼の影響で、ゴルフが好きになった)

【如果派不上用场的话,就和白费力气没有两样】
使い道が無ければ、無駄骨折りと同じことだ。
用场(= 用处  使い道)  没有两样(= 一样  同じこと)
<用例> 说的和做的完全两样。(言う事とやる事が全く違う)

【难道不能操作得更好些吗】
もう少しうまく使えんのかね。「难道」は、詰問の副詞。
<用例> 女明星难道不能恋爱吗? (アイドルは恋愛禁止とでも言うのかね)

【人类补完计划】 rén lèi bǔ wán jì huà
人類補完計画  (じんるいほかんけいかく)
国連直属の諮問機関 「人類補完委員会」 によって極秘裏に推進されている計画。
委員会メンバーは、米、英、露、仏の常任理事国代表に議長のキール(独)を加えた5名で構成される。
文字通り、人類の欠落した部分を補い 「完璧な存在」 にするための計画であり、具体的には葛城博士の理論である
「S2機関」(半永久機関理論 Super Solenoid Motion Theory) の応用により、限りある生命体である人間に
不老不死を実現させようとするものである。
人造人間エヴァンゲリオンの建造は、単に使徒のせん滅のみならず、最終的には、人類がエヴァンゲリオンと一体化し、
不死の肉体を獲得する試みであった。

人类补完计划。人类补完委员会(成员共计五位)与碇源堂共同推进的极密计划,目的是决定未来人类进化与发展的方向。
人类由于吃的是智慧果实,所以难以维持自己的本体,因而分为很多个体,每个人都有自己的心之壁,
所以人与人之间不能相互理解。人类之间的对立冲突甚至战争已经到了人类灭绝的地步。
所以人类补完就是打破心之壁,重新归为一个整体。人类补完计划是为了把所有人类的灵魂摆脱肉体的躯壳,
超脱成为更进一步的生命。只有回归到一个集合体之中,摒弃人与人之间心灵的隔阂,
重新开始人类的历史才能避免悲惨的结果。



【那再来就是委员会的事了】
では、これ以降の事は委員会の仕事だ。
再来 (=再来的事情,what happens from now on  以后的事情)

【很不感冒】 hěn bù gǎn mào (=很不愉快  not happy about)
気にくわない。性に合わない。
<用例> 郭嫂对女儿每几个月就换男朋友带回家来的做法不感冒。
(叔母は、数ケ月毎に新しい彼氏を家に連れて来る娘に閉口している)
Aunt Guo was not happy about her daughter's practice
of bringing a new boyfriend home every few months.

【说不定能行得通】 shuō bú dìng néng xíng de tōng
活路が開けるかも知れない。
行得通 (=practicable workable  办得到的, 可能实行的)
<用例> 他提出的办法是行得通的。(彼の提案は実行可能だ)
His suggestion is workable.

【优柔寡断】 yōu róu guǎ duàn
〈成〉優柔不断である。決断がつかない。

【这种对付的,丰富的晚餐】
わんさと (積み上げた) 間に合わせの夕食。
对付 (=将就, 勉强适应    間に合わせの。急場をしのぐ)
<用例> 没有别的,我们只好对付着吃点方便面了。
(何も無いので間に合わせの即席めんを食べた)
There's nothing else, so we'll just have to make do with some instant noodles.

【只有我和孩子也好叫我们先疏散 shū sàn】
子供と自分だけでも、先に疎開させたほうがいい。
「也好」 は、容認の助詞。(=只得如此   まあよかろう、仕方あるまい)
<用例> 还是别人的事,不问也好。(いずれ他人事だ、聞かなくてもよかろう)

【光是回想就觉得毛骨悚然  máo gǔ sǒng rán 呢】
思いだしただけでも、ぞっとしますよ。
光是 (=only by  单单是, 仅仅是, 只是)
<用例> 光是看看也很愉快。(見ているだけで楽しい)
「毛骨悚然」 〈成〉(恐ろしくて) 身の毛がよだつ。ぞっとする。鳥肌が立つ。
<用例> 周围静得令人毛骨悚然。(周りは不気味に静まり返っていた)

【什么不中听的话】 shén me bù zhōng tīng de huà
何か耳障りなこと。何か不愉快な話。不中听 (=不好听)


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【口語訳】

第一話 使徒、襲来 ④

(ミーン ミーン ミーン どこからか、蝉の鳴く声が、聞こえる。
カーテンからは、朝の日差しが、差し込み始めていた。

シンジは、夢の中から目を覚ます。
広い病室。 白い壁に 白いカーテン、白い灯光、何もかもが白い部屋だった)

シンジ:  知らない天井だ・・・。 どうしてここに?

(白い天井板を見つめて、シンジは呟いた)


(使徒が自爆した現場には、国連軍のテントが張られていた。
エヴァ初号機の損傷した頭部が、補修のためにクレーンで運ばれている。
頭部の巨大なひび割れは、その戦闘の凄まじさを物語っていた)


ゼーレ議員A: 使徒再来か。 あまりに唐突だな。
ゼーレ議員B: 十五年前と同じだよ。災いは何の前触れも無く訪れるものだ。

(薄暗い部屋の中に、六人の人間が会議をしていた。
赤青黄緑、二人ずつ向かい合って、四種類の色分けされた人間が座っている。
そして前後の白色の位置に二人。
これは明らかに、この二人の立場が異なることを告げている)

ゼーレ議員C: 幸いともいえる。我々の先行投資が無駄にならなかった点においてはな。
ゼーレ議員A: そいつはまだわからんよ。役に立たなければ無駄と同じだ。

ゼーレ議員B: 左様。今や周知の事実となってしまった使徒の処置、情報操作、ネルフの運用は、
                      全て適切かつ迅速に処理してもらわんと困るよ。

(白色の位置に座る碇ゲンドウが、平然と事も無げに答える)

ゲンドウ:  その件に関しては既に対処済みです。ご安心を。


(場面は戦闘現場に戻る)

T V:  昨日の特別非常事態宣言に関しての政府発表は・・・。

(ミサトは団扇を仰ぎながら、テレビの発表を見ていた。 どのチャンネルも同じ内容であった)

ミサト:  発表はシナリオ B-22 か? またも事実は闇の中ね。
リツコ:  広報部は喜んでたわよ、やっと仕事が出来たって。

ミサト:  うちもお気楽なもんねぇ~。
リツコ:  そうかしら、本当はみんな怖いんじゃない?

(ミサトは吐き捨てるように言った)

ミサト:  あったり前でしょ!


(場面は再び、会議の席上に戻る)

ゼーレ議員C: ま、その通りだな。
ゼーレ議員D: しかし碇君、ネルフとエヴァ、もう少しうまく使えんのかね。

ゼーレ議員B: 零号機に引き続き、君らが初陣で壊した初号機の修理代、国が一つ傾くよ。
ゼーレ議員C: 聞けばあのオモチャは君の息子に与えたそうではないか。

ゼーレ議員A: 人、時間、そして金。親子そろっていくら使ったら気が済むのかね。
ゼーレ議員C: それに君の仕事はこれだけではあるまい。人類補完計画、これこそが君の急務だ。

ゼーレ議員B: 左様。この計画こそが、この絶望的状況下における、唯一の希望なのだ。我々のね。

キール議長:  いずれにせよ、使徒再来における計画スケジュールの遅延は認められん。
                     予算については、一考しよう。

ゼーレ議員A: では、後は委員会の仕事だ。
ゼーレ議員B: 碇君、ご苦労だったな。

(四種類の色の位置にいた者はすべて退出する)

キール議長: 碇、後戻りは出来んぞ。

(最後の白色の者が、語り終えると、同じく消え入るように退出した)

ゲンドウ:  分かっている。人間には時間が無いのだ。


(所変わって病院である。シンジは病院の窓辺に立っていた。
窓外には小鳥のさえずりが聞こえてくる。

やがて数人の足音が近づき、綾波レイのベッドが彼の側を横切った。
レイはシンジの方向を無表情で向くと、また無表情で視線を天井に戻した。
そしてベッドは廊下の奥に消えた)


(戦闘現場から帰る途中、ミサトとリツコは車に乗り、シンジについて話していた)

ミサト:  やっぱクーラーは人類の至宝。まさに科学の勝利ね。
リツコ:  シンジ君が気付いたそうよ。
ミサト:  で、容態はどうなの?

リツコ:  外傷は無し。少し記憶に混乱が見えるそうだけど。
ミサト:  まさか、精神汚染じゃ・・・!

リツコ:  その心配は無いそうよ。
ミサト:  そう、そうよねぇ~、いっきなりアレだったもんねぇ~。

リツコ:  無理もないわ。脳神経にかなりの負担がかかったもの。
ミサト:  それって 「ココロ」 の間違いじゃないの?

(ミサトはすこし下唇を突き出して、リツコを睨みつけた。
リツコのクールなものの言い方が、どこか気に食わない様子のミサトだった)


ミサト:  エヴァとこの街が完全に稼動すれば、いけるかも知れない。

(第三新東京市の大規模な防衛施設の補修は着々と進められていた。
ミサトは、都市の再建状況を眺めて、感慨深げにいった)

リツコ:  使徒に勝つつもり? 相変わらず、楽天的ね。
ミサト:  あら、希望的観測は人が生きてくための必需品よ。

リツコ:  ・・・そうね。あなたのそういうところ、助かるわ。
ミサト:  じゃ・・・。


(シンジが意識を取り戻したことを知ったミサトは、すぐさま車で病院 へ駈けつける。
シンジは、広々とした病院の応接室の中で、自分の左腕をじっと見つめていた。

そこへミサトが迎えに来る。シンジは顔を上げ、ミサトを見つめる。
あの戦闘以来の再会だったが、シンジは黙して何も語らなかった。

シンジとミサトはひとまず、NERV 本部へ帰ることにし、エレベーターを待っていた。
エレベーターの扉が開き、二人の前にゲンドウが現れる。

ミサトのかたわらに立つシンジは、いぶかしげな目線を父親に投げかける。
ゲンドウは、相変わらず無表情のまま、じっと我が息子を見据える。

無言で見つめ合うシンジとゲンドウ。シンジは、居たたまれず顔をそむける。
そしてエレベーターの扉は閉じた。
父と子の再度の対面は、かくも無関心、一言の会話も無く、何事も無かったかのように終了した)


(一方、リツコはシンジの住宅問題で、冬月副司令と話し合っていた)

リツコ:  よろしいのですね、同居ではなくて。
冬 月:  碇たちにとっては、お互いに居ない生活が当たり前なのだよ。
リツコ:  むしろ、一緒に居る方が不自然 ・・・ ですか?


(NERV 本部のロビーで)

ミサト :  一人でですか?!
係 員:  そうだ。 彼の個室はこの先の第六ブロックになる。 問題はなかろう。
シンジ:  はい。

ミサト :  それでいいの?! シンジ君。
シンジ:  いいんです、一人のほうが。・・・ どこでも同じですから。

(シンジの煮え切らない態度に、ミサトはある決心をした。 彼女はすぐさまリツコに電話する)

リツコ:  何ですって?!

ミサト:  だから、シンジ君は、あたしんところへ引き取ることにしたから。
      上の許可も取ったし。心配しなくても、子供に手ぇ出したりしないわよ。

リツコ:  当たり前じゃないのっ! 全く何考えてるの! あなたって人は・・・。
ミサト:  相変らずジョークの通じない奴。


(場面は切り替わり、ミサトのあのポンコツ車――青いスポーツカーが現れる。
あちこちガムテープで補修された車がトンネル内を疾走する。
ミサトは、車を運転しながら助手席のシンジを見て言った)

ミサト :  さぁ~ってぇ、今夜はパーッとやらなきゃね!
シンジ:  何をですか?

ミサト :  もちろん、新たなる同居人の歓迎会よ。

(コンビニ店の中。缶詰、ビール、ピーナッツ、ファースト・フード。
ミサトのショッピングカーには、夕食のための食材がわんさと積み上げられた。
レジで精算する時、かたわらにいた主婦の雑談の声が耳に入った)

住民A: やはり、引っ越されますの?
住民B: ええ、まさか本当にここが戦場になるなんて思ってもみませんでしたから。

住民A: ですよねぇ。うちも主人が子供とあたしだけでも、疎開しろって。
住民B: 疎開ねぇ・・・いくら要塞都市だからって、何一つあてにできないし、ねぇ。

住民A: 昨日の事件、思いだしただけでも、ぞっとしますねぇ・・・。

(これらの話を耳にして、眉をひそめるシンジ。
それを目の当たりにしたミサトはある事を思いつく。
時はすでに夕刻、ミサトの車は地下トンネルを抜け、地上の市街地へと出た)

ミサト:  済まないけどぉ、ちょ~っち 寄り道するわよ。

シンジ:  どこへですか?

ミサト:  うふん。 イ・イ・ト・コ・ロ。


(山沿いの道路を走り抜け、やがて車は、小高い丘の上に止まった。
そこは、街全体を一望できる場所だった)

シンジ:  なんだか、寂しい町ですね。

(ミサトは腕時計を確認しながらいう)

ミサト :  ・・・ そろそろ時間だわ。

(警報が鳴り、夕日が照らす中、地下に収納されていた高層ビルが戻っていく。
ビル、歩道橋、大通り。 夕日をしっかりと遮って、並みいる高楼は上昇を続けた)

シンジ:  すごい! ビルが生えていく!

ミサト :  これが、使徒迎撃専用要塞都市、第三新東京市。私たちの、街よ。
        ・・・ そして、あなたが守った街。

シンジ:  そんな、りっぱなものじゃないです。
         僕がエヴァに乗ったのは、人類を救うためでも、あの子を守るためでもなかった。

ミサト :  わかってるわ。 理由はどうあれ、あなたは、りっぱによくやった。自信をもちなさい。

(ミサトはそう言うと、シンジに目線を移す。 彼は、意外にも目に涙を浮かべていた)

ミサト :   シンジ君? アララ ・・・ ちょっと、あたし、なんか悪いこと言った?

シンジ:  ち、ちがいます。 ミサトさん、僕は、僕は ・・・ その言葉を、あの時、
      あの場所で聞きたかった・・・。






 新世紀 エヴァンゲリオン  第壱話 「使徒、襲来」   -   完   -





<中文剧名>  福音战士   第一话 「使徒、来袭」

<英文剧名>  NEON  GENESIS  EVANGELION   Episode:1   「ANGEL  ATTACK」