挽歌 (ばんか) 1957年 (昭和32年) 邦画名作選 |
さいはての地、北海道・釧路。
劇団で美術部員として働く怜子は、ふとした事から建築技師・桂木と知り合い好感を抱く。
ある日、怜子は桂木の妻・あき子が若い男と会っているところを目撃してしまう。
怜子は、好奇心から桂木に接近し誘惑しようとするが、次第に桂木に惹かれていく…。
原田康子の同名ベストセラー小説を、巨匠・五所平之助が映画化。
アマチュア劇団の若い女性団員(久我美子)と、妻子のいる中年男性(森雅之)
との恋愛を、北海道の大自然を背景に描く。
フランス映画を思わせる華やかでエレガントな主題歌で始まり、異国情緒漂う
釧路の霧の街並みが幻想的で美しく撮られている。
愛する男性の妻に不倫関係を告白し、夫人を自死に追い込むヒロインを久我美子が好演。
建築技師・桂木を演じた森雅之は、知的でハンサム、ややニヒルという得意の役どころで、
中年男の魅力をいかんなく発揮、彼の二枚目としての人気を高めた作品となった。
北の大地で奔放な生活を送るヒロインの心理と行動の描写は、社会的現象を惹き起こし、
慣習に囚われない生活スタイルやファッションを真似る若者「挽歌族」が生まれた。
製作 松竹
監督 五所平之助 原作 原田康子
配役 | 兵藤怜子 | 久我美子 | ばあや | 浦辺粂子 | ||||||||
怜子の父 | 斎藤達雄 | 古瀬達巳 | 渡辺文雄 | |||||||||
桂木節雄 | 森雅之 | 久田幹夫 | 石浜朗 | |||||||||
妻・あき子 | 高峰三枝子 |