大菩薩峠   1957年(昭和32年)    邦画名作選
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天下無類の妖剣「音無しの構え」で、世に聞こえた剣客・机竜之助。

彼の元へ、明日奉納試合を行なう相手の妹を名乗る一人の女が訪ねて来る。
試合では、手心を加えてくれというのであった。

竜乃助は、その晩、その女・お浜を水車小屋で抱く。
が、翌日の試合では、相手の宇津木文之丞を惨殺してしまう。

お浜と江戸に出奔した竜之助は、島田虎之助の道場で宇津木兵馬に出会う。
彼こそ竜之介が殺害した文之丞の実の弟だった…。



中里介山の未完小説を、名匠、内田吐夢が、片岡千恵蔵主演で映画化したもの。

数ある映像化作品の中でも、この内田吐夢版は最高傑作の呼び声が高い。

剣の道を踏み外していく主人公・机竜之助を片岡千恵蔵が熱演している。
また日活時代の剣戟スター、大河内伝次郎が剣豪・島田虎之助役で出演。

雪の夜、土方歳三率いる新選組の一党が、島田虎之助の駕篭を取り囲む。
駕篭から出るなり相手を一刀両断そのまま鞘を腰に差すシーンは白眉である。

なお、大河内伝次郎主演の大菩薩峠が、戦前(昭和10年)日活で映画化されている。



 

  製作  東映

  監督  内田吐夢

  配役 机竜之助 片岡千恵蔵   七兵衛 進藤英太郎         お浜    長谷川裕見子 
  宇津木文之丞 波島進   島田虎之助 大河内伝次郎         お松    丘さとみ 
      宇津木兵馬 中村錦之助   裏宿七兵衛 月形竜之介         神尾主膳    山形勲 

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