闇の影法師 1938年(昭和13年) 邦画名作選 |
幕末、徳川親藩たる南総土井家。
その城下に勤皇派を助ける覆面剣士が出没していた。
「闇の影法師」と呼ばれるこの覆面剣士に対抗するため、
家老の丹波は、町方新選組を組織し警護を厳重にする。
その一人が旅籠「南屋」の倅の与之助である。
与之助の父・与次郎は、伊豆屋に十両の金を借りていた。
借金のかたとして、娘・おつるを息子の嫁にしろと伊豆屋は迫ってくる。
おつるは、煙草売りの松造に心を寄せていた。
ところがこの松造こそが実は「闇の影法師」であった…。
幕末の下総国に現れ、勤皇派を密かに助ける白い覆面姿の武士と
彼を捕えようとする家老一派との戦いを描く。
昼はしがない煙草売り、夜は佐幕派をバッタバッタと切りまくる
神出鬼没の「闇の影法師」を阪妻が豪快に演じている。
また旅籠屋の娘・おつるを演じる轟夕起子が、闇の影法師に心を寄せる
恋人役で可憐な姿を披露している。
しかし元来、覆面は相手に顔を知られたくない場合に用いるものである。
そういう意味では、闇の影法師のように人相丸出しでは、あまり
覆面の意味が無いように思われるのだが…。
製作 日活
監督 稲垣浩
配役 | 懸左馬之介/松造 | 阪東妻三郎 | 土井下総守 | 市川正二郎 | |||||||||
南屋与之助 | 沢村国太郎 | 川勝丹波 | 香川良介 | ||||||||||
与次郎 | 市川百々之助 | 伊豆屋五平 | 志村喬 | ||||||||||
おつる | 轟夕起子 | 旅の僧 | 山本礼三郎 |