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もともと実るはずもない恋。

互いへの本当の想いを口に出せないまま、アンは祖国と王室への義務を果たすために
大使館へ戻ることを決意する。

ジョーはアン王女を大使館に送りとどけ、特ダネ用のメモをこなごなに引きさいた。

その翌日、大使館ではアン王女の記者会見が開かれる。
アビンはあのとき撮影した写真をそっと王女に渡した。

見つめ合うアンとジョー。「ローマは永遠に忘れ得ぬ街となるでしょう」
笑顔とともに振り向いたアン王女の瞳には、かすかに涙の跡が光っていた。


(1) (2) (3) (4) (5)

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【第二課 第五節】

(全身湿透的两人,回到了乔的公寓。安穿上乔借给她的睡衣,等待衣服干好)

乔    : 衣服都干了?
安    : 没有,我想要再等几分钟。

乔    : 真迷人, 你应该常穿我的衣服。
安    : 我似乎是这样。

乔    : 我想我们该喝点酒。
安    : 我是不是应该煮点什么?

乔    : 没有厨房不能煮。我通常都在外面吃。
安    : 你喜欢这样吗?

乔    : 我的喜欢和别人不太一样,是吗?
安    : 不,不是。

乔    : 累了?
安    : 有一点。

乔    : 不寻常的一天?
安    : 如此奇妙的一天。

(广播:这里是美国之音,对意藉美国人插播一项特别消息。
今天在大使馆的病床上, 安公主没有进一步的消息。
在其亲善访问欧洲的行程中, 昨天晚上她所患的疾病, 据传可能有加剧的倾向。
这会使子民产生焦虑以及惊慌。现在安公主正在接受治疗 …)

(安公主赶紧过去把收音机关上)

安    : 你只能陪我到明天?
乔    : 是的。

安    : 再倒点酒给我吧。抱歉, 我不能为你做晚餐。
乔    : 在学校里学过?

安    : 我是个好厨子。我还可以料理一些生活杂事。
        我可以缝衣服,清理房间, 烫衣服,我还学会了很多东西。
        只是没有机会 … 没有机会来做而矣。真的。

乔    : 我想我得换个地方住了。我得为自己找个有厨房的房间。
安    : 是的。… 我现在得走了。

(两人都明白这是他们最后的告别。于是两人好好地相抱了。
假如时间能在这一刻静止下来,该有多好啊!两人如此地舍不得对方)


乔    : 安,我想告诉你一些事。
安    : 不,请不要说,什么都不要说。… 我进去穿衣服了。

(当听到广播中自己国家人民的担忧,无奈自己公主的身份,安公主感觉到自己的责任,最终决定返回大使馆。
乔开车送公主到大使馆附近。车里的公主和乔的脸在街灯的照耀下,忽明忽暗,安公主说)

安    : 请在下个街角停车。
乔    : 好的。是这儿?

安    : 是的。我必须离开你了。我要到那个角落再转个弯,你待在车里, 你把车开走,
        答应我不回头看, 只要把车开走, 离开这儿, 就像我离开你一样。答应我,好吗?

乔    : 好的。
安    : 我宁愿不说再见, 我说不出来 …。

乔    : 那就别说了。



车上两人最后一吻,公主下车转身向大使馆跑去。
乔望着公主离去的背影,望着空荡荡的路,过了许久,才发动车子离去。

公主回到了自己的寓所。关于今天发生的一切,她什么都没有说,
只是说她深深明白自己的职责,所以才回到了这里。


第二天大早,俄宾兴高采烈地来到乔的家,要给乔看昨天拍摄的精彩照片。

两人不由自主地兴奋地聊着昨天发生的事情。
公主第一次抽烟、真理之口、许愿墙…每一件事情都历历在目。

看完后,乔告诉俄宾,关于这些照片的报道他不想写了。
乔想公主这一生,能像这样笑得自由而开怀时光,一定不多。

而这一切,都会给王室的形象带来致命的打击。
为了公主的名誉,乔拒绝撰写有关她的文章。

俄宾最终同意,他也放弃了报道并把照片当成礼物送给公主当做纪念。



(这天, 安公主在大使馆里接见记者们,此时她又一次看到了乔,她才意识到乔真的是一个记者)

记  者: 公主殿下, 你对所访问的城市中, 印象最深的是那一个呢?

(公主没有说话。一旁的大臣提示公主应当回答“每个城市都…”)

安    : 每个城市都令人难忘,要想选择哪个城市, 实在是太难了 …。

(公主顿了顿,又接着往下说)

安    : … 罗马! 无疑是罗马! 这里的一切记忆我都会珍惜,直到永远!

(听到公主出人意料的回答,一旁的大臣很是惊讶,台下的记者也开始交头接耳)

记  者: 即使你在这病倒也毫不在乎吗?
安    : 即使是这样也不 …。

大 臣: 现在你们可以拍照了。谢谢各位先生, 小姐,非常感谢你们。
安    : 我想会见一些新闻界的朋友。

(公主突然提出与各位记者握手。她不理会大臣们的惊慌,主动前去与记者们喔手会面)

记  者: 芝加哥每日新闻报的席其加。
安    : 很高兴见到你。

记  者: 根西亚,瑞士新闻人员。
记  者: 德国亚根新闻社的克里亚。
安    : 你好。

记  者: 阿姆斯特丹新闻社。
记  者: 提尼斯·萨拉马新闻报社。
安    : 很幸会。

记  者: 意大利报社记者。
安    : 您好。

记  者: 古巴那洼里报社。
记  者: 马德里克罗新闻社。
安    : 欢迎你。

记  者: 纽约前锋论坛报。
安    : 幸会。

俄 宾: 俄宾, 罗马西雅摄影社。
安    :  你好。

俄 宾: 我有些照片需要呈献。是你在罗马旅游的一些纪念照片。

(俄宾把那些偷拍的照片送给了安公主做纪念)

安    : 非常感谢你。

乔    : 乔·白莱德, 美国新闻处代表。
安    : 很高兴见到你, 白莱德。

(手握着手,两人双目相望一会儿, 一切尽在不言之中)


记  者: 日本新闻社驻罗马记者。
记  者: 史帝文, 罗马电报交换处的。
安    : 下午好。

记  者: 新闻记者杨柏尼 …。


(接见结束了,所有的人都离去,只有乔站在空荡荡的大厅里,回味着,留恋着,最后,他终于转离去)


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【注 釈】

【美国之音】 měi guó zhī yīn
ボイス・オブ・アメリカ (The Voice of America  略称:VOA)
アメリカ合衆国政府が公式に運営する国営放送。

【子民】 zǐ mín  (=人民、百姓)  国民。(people in her country)
【而矣】 éryǐ  (=而已)  … にすぎない。

【宁愿】 nìng yuàn  (=表明两者相较,情愿选取某一方面)
いっそのこと。
<用例> 我宁愿去死, 也不受这个污辱。
(こんな侮辱を受けるなら、死んだ方がまし)

【这里的一切记忆我都会珍惜 zhēn xī, 直到永远】
(I will cherish my visit here, in memory, as long as I live)
ここでの一切の思い出を私はいつまでも大切にしたい。
「会」 は可能性を表す助動詞。(=一定会)
<用例> 他会成功的。(彼は必ず成功する)

【即使  jí shǐ 你在这病倒也毫不在乎吗】
(Despite your indisposition, Your Highness)
こちらで病気になられたことは気にされないのですか。
「倒」 は意外を表す副詞。
<用例> 外行的批评,倒也有个听头儿。
(しろうとの批評も意外と面白い)

【毫不在乎】 háo bú zài hū
全く問題にしない。全然意に介さない。(not care about)

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【口語訳】

(ずぶ濡れの二人は、ジョーのアパートにたどり着いた。アンはジョーのガウンを着て、服の乾くのを待った)

ジョー:    服は乾いた?
ア ン:  いいえ、すぐに乾くわ。

ジョー:    とても似合うよ。そのまま僕の服を着ていたらいい。
ア ン:  それも素敵ね。

ジョー:    ワインでも飲むかい。
ア ン:  何かお料理でも作りましょうか?

ジョー:    あいにく台所がない、僕は外食専門なんだ。

ア ン:  外食がお好きなの?
ジョー:    僕の好みは変わっているとでも?

ア ン:  いえ、そうでもないわ。

ジョー:    疲れた?
ア ン:  ええ、少し。

ジョー:    大変な一日だったね。
ア ン:  でもすばらしい一日だったわ。


(放送: VOAがイタリア在住の方にニュースをお知らせします。。
大使館で病床に伏しているアン王女のその後の容態はまだ明らかにされておりません。

ヨーロッパ親善訪問中の昨夜、病気に倒れたアン王女の病状は悪化しているとのうわさもあり、
本国の国民の間にも懸念の色が広がっています。現在アン王女は治療を続けて … )


(アンは急いで駆け寄りラジオを消した)

ア ン:  明日まで私に付き添ってくださるの?
ジョー:    そのつもりだ。

ア ン:  もう少しワインを。… お料理ができなくて残念だわ。
ジョー:    学校で習ったのかい?

ア ン:  料理の腕はプロも顔負けよ。お裁縫も、お掃除も、アイロンがけも何でも一通り習ったわ。
          ただ誰にもやってあげるチャンスがなかっただけ、本当に。

ジョー:    それなら引っ越そうじゃないか。台所付きの家にね。
ア ン:  ええ、そうね。… そろそろ行かなくては。


(これが最後であることは解っていた。二人はしっかりと抱き合った。
このまま時が止まってしまえばいい… 思いは同じだった)


ジョー:    アン、実は君に話しておきたいことがある。
ア ン:  いいえ、何も言わないで。今は何も。… 着替えてくるわ。


(ふと耳にした放送の中で国民の心配を知った彼女は、自分の王女としての身分と責任を感じた。
そしてついに大使館に戻ることを決意する。

ジョーは車を運転して王女を大使館の近くまで送って行った。
車の中の二人の顔は、街灯の照らす光で影だけを濃くしている)


ア ン:  次の角で止めて。
ジョー:    分かった。 ここかい?

ア ン:  ええ。ここでお別れしましょう。これからあの角まで行って、そこで曲がるけれど、
            あなたは車を離れないでね。そして約束してちょうだい。

            決して振り返らないで、私があなたから離れるように、そのまま車を運転して
            ここを離れて行ってください。約束してくれる?

ジョー:    分かった。
ア ン:  お別れの言葉は言いたくないわ。とても口に出せなくて。

ジョー:    何も言う必要はないさ。



車の上で二人は最後の口づけをした。下車したアン王女は大使館へと足を運ぶ。

王女の後ろ姿を見送った後、ジョーは後ろ髪を引かれるような思いで、
人影まばらな街路を、長いこと見つめ続けていた。


大使館に戻ったアン王女は、この一日、何もなかったことを御付の者たちに告げる。

問い詰められるが「自分の立場や責任を知っているからこそ、いまここに戻ってきたのだ」
と答えるだけだった。



翌日の朝、アビンが上機嫌でジョーの家にやって来る。彼は出来上がった王女の写真をジョーに見せた。
二人は思わず声を上げて笑いながら、一枚一枚の写真を眺めた。

くわえタバコの王女のアップ、真理の口や願いの壁での王女のショットなど、
昨日の出来事がありありと目に浮かぶほどの出来栄えだった。


写真を見終わった後、ジョーはアビンに、今回のことは記事にしないことを伝える。
王女がこれほど自由に、心ゆくまで楽しい時間を過ごしたことは、一生忘れられない思い出になるだろう。

だがこれらを記事にすれば、王位継承者である彼女のイメージに致命的な打撃を与えることになってしまう。
王女の名誉のために、ジョーは彼女の件は記事にしないと決意したのだった。

ジョーの話にアビンも同意した。彼は撮影したすべての写真をローマでの記念として、王女にプレゼントすることにした。




(この日、大使館の中で記者会見が行われた。そこで王女は記者たちの中にジョーの姿を発見する。
王女は、この時はじめて彼が記者であったということを知る)


記 者:  王女様、ご訪問された街の中で、最も印象深かった場所はどこですか?


(記者の質問に、王女は答えず、会場内を長い沈黙が続いた。
「…どの街もそれぞれ」側近の大臣がそっと公式用の答えを耳打ちする)


ア ン:  どの街もそれぞれ忘れ難い思い出があります。ひとつを選ぶのは大変難しく …。


(王女はそこまで言いかけると、しばらく言葉をとぎらせてから、また話を続ける)

ア ン:  ローマです! まちがいなくローマです。
            ここでの思い出は一生涯忘れることはありません。


(王女の意外な答えに、側近の大臣は慌て、会場内もざわついた)

記 者:  ご病気とは関係なくということでしょうか。
ア ン:  そのとおりです。

大 臣:    では皆様、写真撮影をどうぞ。記者の皆様、本日はありがとうございました。

ア ン:  私は記者の皆さんに直接ごあいさつしたいと思います。


(突然、王女は記者団と握手することを申し出る。
側近たちが慌てふためくのをよそに、王女自ら、記者たちに歩み寄る)


記 者:  シカゴ・デイリーニュースのヒッチコックです。
ア ン:  お会いできて光栄です。

記 者:  スイス新聞のゲンシアと申します。
記 者:  ドイツ・ヤーゲンベルク新聞社のクリンガーです。
ア ン:  はじめまして。

記 者:  アムステルダム新聞社です。
記 者:  テニス・サラマ新聞社です。
ア ン:  こんにちは。

記 者:  イタリア・ニュース社の記者です。
ア ン:  ごきげんよう。

記 者:  キューバのナワリィ新聞社です。
記 者:  マドリッドのクールオ新聞社です。
ア ン:  はじめまして。

記 者:  ニューヨーク・ヘラルド・トリビューンです。
ア ン:  こんにちは。

アビン:    アビン・ラドウィッチ、ローマCR・フォトサービス社です。
ア ン:  はじめまして。

アビン:    畏れながら王女にお渡ししたいものが … ローマの旅の記念にこちらをどうぞ。

(アビンはあのとき撮影した写真をそっと王女に渡した)

ア ン:  … 感謝いたします。


ジョー:    ジョー・ブラッドレー、アメリカン・ニュースサービス社です。
ア ン:  お会いできて光栄です。ミスター・ブラッドレー。

(握手するほんの短い間、二人は溢れそうになる感情を押し殺して見つめ合った)


記 者:  日本報道社、ローマ駐在の記者です。
記 者:  ローマ電報サービス社のスティーブンと申します。
ア ン:  ごきげんよう。

記 者:  ニュース記者のヤンボーニと申します …。


(会見は終わり、すべての人は立ち去った。
ただジョーひとりだけ、がらんとした大広間の中で立ちつくしていた。
甘くほろ苦い記憶が蘇り、未だ冷めやらぬ想いを残しつつ、彼はついに、踵を返し立ち去った)





「ローマの休日」 - 完 -





<中文剧名> 「罗马假日」
<英文剧名> 「Roman Holiday」  

<主   演>

奥黛丽·赫本 (Audrey Hepburn) … 安公主 (Princess Ann)
格利高里·派克 (Gregory Peck) … 乔·白莱德 (Joe Bradley)