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ベルの父親、モーリスは勤勉だが運に恵まれない発明家だった。

ある日彼は、やっと完成した 「薪割り機」 を発明大会に持っていく途中、道に迷ってしまう。
狼の群れに襲われ、雨の中をびしょぬれで必死に逃げた先には、薄暗い恐ろしげな城が立ってた。

モーリスが一夜の宿を求めると 「ロウソク立て」 や 「置き時計」 たちが現れて彼を歓迎する。
しかし城の主野獣は、自分の醜い姿を笑いに来たと思い、モーリスを牢屋に閉じ込めてしまう。


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【第三課 第三節】

(贝儿回到家,发现爸爸正在激动地摆弄着他新发明的自动砍柴机)

贝 儿: 爸爸!
莫维斯: 怎会这样呢。真差劲。
贝 儿: 没事吧,爸爸。
莫维斯: 我决定了,我决定要放弃这个废物了。
贝 儿: 你每次都是这么说。

莫维斯: 我这次是真的决定了。我再也不碰这个东西了。
贝 儿: 要碰而且您还会在发明家展上得到第一,成为一个最伟大的发明家哦?
莫维斯: 你真的相信吗?
贝 儿: 我当然相信。
莫维斯: 那还等什么。我现在就修理啊。时间快来不及了。

(莫维斯滑进在机器下)

莫维斯: 你啊,帮我把工具拿来啊。对了,城里好不好玩啊?
贝 儿: 我又多了一本书了。爸爸,你觉得我很怪吗?

莫维斯: 我的女儿很怪? 女儿,你怎么会有这种想法?
贝 儿: 我不知道,我总觉得这里不适合我。没有一个人可以跟我说的上话。

莫维斯: 那,加斯顿呢? 加斯顿长得很英俊哪。
贝 儿: 他长得是不错,可是他又粗俗,又自大。爸爸,他不适合我。
莫维斯: 别急,别急啊。这个新发明啊,会带给我们新的生活。大概可以了。试一下吧。

(砍柴机开动而自动地开始砍柴)

贝 儿: 成功了。
莫维斯: 真的吗? 真的!
贝 儿: 成功了,你成功了。
莫维斯: 把费力准备好,我要去展览会了。

(他把机器装上马车,然后驾着马儿费力上路了)

贝 儿: 再见,爸爸。祝您好运!
莫维斯: 再见,贝儿,在家小心点喔。

(夜里,莫维斯和费力在黑漆漆的森林里迷路了)

莫维斯: 是不是转错弯了。我们应该到了才对呀。我想我们应该走・・・这边。等一等。
      应该走这边。走啊・・・这是近路,我们马上就到了。是不大对啊。我看我们往回路走吧。

(费力摇摇头,要往前走)

莫维斯: 快点,不要往前走了。小心,费力。小心点。

(突然,蝙蝠的群袭击他们。他们避开蝙蝠的群在森林中乱逃)

莫维斯: 不! 走,走。退后,小心,退后啊。稳住,稳进,稳住,站稳了。

(突然出现狼叫声,费力受惊慌乱地跑了跑,就把莫维斯丢落而留下他逃走)

莫维斯: 费力・・・。

(更可怕的是,莫维斯受到了一群野狼的攻击, 他拼命逃脱了狼群的追击,
来到一座阴森森的城堡面前)

莫维斯: 救命啊! 有人在吗?

(城堡的大门敞开着。莫维斯冲了进去,哐当一声关上大门。野狼在门外疯狂地嚎叫着。
他不停地敲城的门而它吱吱嘎嘎地打开了。他十分小心地进入城中)

莫维斯: helo・・・helo・・・。

(在入口附近的桌子上坐着蜡烛台 「卢米亚」 和闹钟 「葛士华」
他们注视着莫维斯进入城中而私语声音说・・・)

卢米亚: 他一定是在森林里迷了路了。
葛士华: 别吵,他也许会离开的。

莫维斯: 有人在吗?
葛士华: 不许出声,卢米亚,我不许你出声。
莫维斯: 我不是有意闯进来的。我的马跑了。我想借住一个晚上。

卢米亚: 葛士华,你有点良心好不好。没问题,我们非常欢迎。
莫维斯: 谁在说话?

(莫维斯用手抓住蜡烛台)

卢米亚: 是我。
莫维斯: 在哪里啊。

(卢米亚用手很轻地敲莫维斯的头)

卢米亚: 你好。

(莫维斯吃惊把卢米亚往地板丢下)

莫维斯: 不可思议!
葛士华: 慢点。卢米亚,你看你做的好事。

(莫维斯把闹钟从地上捡起来看看)

莫维斯: 这是怎么作成的。
葛士华: 住手! 放我下来。我叫你放我下来,你听到没有。不!

(莫维斯在闹钟身上捏来捏去)

葛士华: 先生,你如果不介意的话,请你把门关上好吗?
莫维斯: 真是对不起啊,实在是因为我从来没有见过一只钟会・・・。

卢米亚: 喔,先生,你全身都湿透了。来吧,到里面升个火,取取暖吧。
莫维斯: 谢谢。
葛士华: 不,不行。如果让主人发现他在这里,我们就惨了。我命令你们两个站住。
           不可以坐在主人的椅子。

(莫维斯精疲力尽地倒在椅子上)

葛士华: 我没看见,我什么都看见。

(一个脚凳跑到莫维斯前面,它支撑莫维斯的双腿)

莫维斯: 喔,你好吗?

(一个衣帽架来到莫维斯后面,它帮莫维斯穿上大衣)

莫维斯: 真舒服啊。
葛士华: 够了,太过份了。我是这里的总管。

(一个热水瓶 「茶煲太太」 和小茶杯 「阿齐」 赶紧凑过来)

茶煲太太: 还是先喝杯热茶吧,先生。你马上就会感觉暖和的。
葛士华: 不,不要茶。

(这个小茶杯忍不住发出声音)

阿  齐: 妈妈,他的胡子好痒呢。

(莫维斯刚端起茶杯,突然餐厅的门被撞开了,一只可怕的野兽出现在莫维斯面前。
他张开血盆大口,露出尖尖的牙齿,怒吼着向莫维斯冲了过来)

野 兽: 这里有个陌生人。
卢米亚: 主人,请容我解释。他在森林里迷了路了。又湿又冷・・・。
葛士华: 主人,请你听我说,我是完全反对啊,都是他们・・・我曾经劝过他们。

野 兽: 你是谁? 为什么到这里来。
莫维斯: 我迷了路,而且我。
野 兽: 你不受欢迎。

莫维斯: 对不起呀。
野 兽: 你看什么?
莫维斯: 没什么。

野 兽: 你是来看野兽的? 对不对。
莫维斯: 我没有恶意。我需要一个过夜的地方。
野 兽: 好,我给你一个地方过夜。
莫维斯: 求求你,不要。

(不容莫维斯辩解,野兽就把他关进了牢房)


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【注 釈】

【莫维斯】mò wéi sī  モーリス(Maurice)ベルの優しい父親。
天才発明家だが、町では頭のおかしな老人だと思われている。

【还等什么】 hái děng shén me    何を待つことがあろうか。ぐずぐずしていられない。 (fix in no time)
「还」は、反語をあらわす語気副詞。
<用例> 船已经快开了,还等什么?
(船はもうすぐ出るというのに、いったい何を待っているんだ?)

【说的上话】 shuō de shàng huà     何でも話ができる。(I can really talk to)
「说的上」は、可能補語。
<用例> 我们俩忙得说不上话。(私たちは忙しくて話せる機会がない)

【费力】fèi lì  フィリップ(Philippe)ベルとモーリスの住む家で飼われている馬。

【转错弯】 zhuǎn cuò wān     角を曲がり間違える。(missed the turn)

【卢米亚】lú mǐ yà  ルミエール(Lumiere)城の給仕頭で、呪いで蝋燭の姿になっている。
ゲストのもてなしが得意。スマートで陽気、あせると蝋燭がとける。

【葛士华】gě shì huá  コグスワース(Cogsworth)城の執事頭で、呪いで置き時計の姿になっている。
生真面目で口うるさい性格のためにこの姿になったようだ。時計の針がくるくる回る。

【看你做的好事】    (反語)何てことをしてくれたんだ。(Just peachy)
【一只钟会】     (=一只钟会说)時計がしゃべるなんて。

【茶煲太太】chá bāo tài tai  ポット夫人(Mrs. Potts)城のメイド頭。
呪いでティーポットの姿になっている。優しく温かい性格で、ベルには母親のように接する。

【阿齐】ā qí  チップ(Chip)ポット夫人の子供。呪いでティーカップの姿になっている。
ベルを好いていつも傍にいたがる。同じ姿の兄弟が何人もいる。


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【口語訳】

(ベルが家に帰ると、父親のモーリスが新発明の「自動薪割り機」を興奮気味にいじくり回している)

ベ  ル: パパ!
モーリス: こりゃひどい、いったいどうなっとるんじゃ。
ベ  ル: パパ、だいじょうぶ?
モーリス: もうこんなモノをつくるのはあきらめたわい。

ベ  ル: いつも同じことを言っているわね。
モーリス: こんどは本気じゃ、もうこんなモノにはさわりたくもない。
ベ  ル: きっと明日の発明展示会では一等賞よ。もうすぐ世界一の発明家になれるわ。

モーリス: 本気でそう信じとるのか?
ベ  ル: ええ、もちろんよ。
モーリス: じゃあ、ぐずぐずしてるヒマはない、すぐにコイツを修理するんじゃ。

(モーリスが機械の下に滑りこむ)

モーリス: ちょっと道具をとってくれんかの。ところで今日は町で楽しかったか?
ベ  ル: また一冊本がふえたのよ。…パパ、私って…変わり者かしら?
モーリス: わしの娘が、変わり者? なぜそんな事を言うんじゃ?
ベ  ル: わからないわ、でもこの町に馴染めないような気がするのよ。話し相手もいないし。

モーリス: ガストンはどうなんじゃ? なかなかハンサムじゃないか。
ベ  ル: ハンサムよ、でも無作法で自惚れ屋で、私あんなひとごめんだわ、パパ。
モーリス: とにかく急がんとな。この発明でわしらには新しい未来が開けるんじゃ。
              だいたいできあがったようだ。ちょっと試してみよう。

(薪割り機が始動して自動的に薪を割り始める)

ベ  ル: うまくいったわ!
モーリス: 本当か? 本当だ!
ベ  ル: やった!パパ、成功したのよ!
モーリス: 馬のフィリップをつれてこい。さあ展示会にでかけるぞ。

(機械を馬車に積み込むと、モーリスはフィリップに乗って出発した)

ベ  ル: いってらっしゃい、パパ。幸運を祈るわ!
モーリス: いってくるぞ、るすばんしっかりな!

(夜、モーリスとフィリップは真っ暗な森の中で道に迷ってしまう)

モーリス: ……はて、迷ってしまったぞ、曲がる角を間違えたかな…?
もう到着してもよいころなのだが。こっちへいってみるか。
まてよ、やはりこちらへ行くべきだな。さあ、こちらが近道じゃ。もうすこしで着くからな。
うーむ、どうも道がちがうようじゃな。……少し戻ってみようか。

(フィリップは頭を振り、なおも前に進もうとする)

こら急いで、前に進むでない。注意しろ、フィリップ。気をつけて。

(突然、コウモリの群れが彼らを襲ってきた。コウモリを避けながら、森の中をひたすら逃げる)

モーリス: やや! 進め、進め。いやもどれ、気をつけて、引き返すんじゃ。
              落ちつけ、落ち着いてしっかり止まるんじゃ。

(突然、狼の吠える声が響き、狼狽したフィリップが急いで走り出す。
その途端モーリスを振り落としてしまう。フィリップはそのまま彼を残して走り去ってしまった)

モーリス: フィリップ?

(更に恐ろしいことに、モーリスは野生のオオカミの群れに囲まれてしまう。
彼は懸命にオオカミの追撃を脱れながら、一座の薄暗く不気味な城の前にたどりついた)

モーリス: 助けてくれ! 誰かいないか!

(城の表門は開け放されていた。モーリスはそのまま突き進んで入って、がしゃんと表門を閉じた。
野生のオオカミたちは門の外側で狂ったように吠え続けている。
モーリスが何度も城の扉をたたくと、扉はガーガーと音を立てて開いた。
彼は用心深くそろりそろりと城の中に入った)

モーリス: ハロー、こんばんわ。

(入口近くのテーブルに坐っているのは、ろうの燭台 「ルミエール」 と置き時計の 「コグスワース」
彼らは城の中のモーリスを見守りながら、何やらひそひそ話をしている)

ルミエール: 森の中で道に迷ったのかな。
コグスワース: だまっていろ、ヤツはそのうち帰るよ。
モーリス: 誰かいませんか?

コグスワース: しゃべるな、ルミエール、声をだすんじゃない。
モーリス: 私はわざと跳びこんだのではありません。馬を失ったので、一晩泊めていただきたいのです。

ルミエール: どうだいコグスワース、気の毒じゃないか。さあどうぞ、われわれは歓迎いたします。
モーリス: 誰が話をしているんじゃ?

(モーリスが、ろうの燭台を手でつかむ)

ルミエール: 私はここですよ。
モーリス: どこじゃ?

(ルミエールは手で、モーリスの頭をポンとたたく)

ルミエール: こんにちは。

(びっくりしたモーリスは、ルミエールを床へ投げ捨てる)

モーリス: 信じられん!
コグスワース: ちょっとまてよ、ルミエール、だから言わんこっちゃない。

(モーリスが置き時計を床から拾い上げる)

モーリス: これはどうも手の込んだ時計じゃな。
コグスワース: 手を放しておろしてくれ! 放してくれったら、聞こえないのか? おい、やめてくれ!

(モーリスはコグスワースの体をあちこちいじくり回す)

コグスワース: 先生、よろしかったらフタを閉めてもらえませんかね?
モーリス: こりゃどうも申し訳ない、これまで私は、こんな時計を見たことがなかったもので。

ルミエール: 先生、あなたは全身ずぶぬれじゃありませんか。
         さあ、火のそばに来てあたたまってくださいよ。

モーリス: ありがとう。
コグスワース: だめだよ、だめだよ。もしもご主人様にみつかったら大変なことになる。
                    さあそこで止まるんだ。ああ、ご主人様の椅子に座ってはいけない。

(くたくたになったモーリスは椅子にたおれこむ)

コグスワース: 私は見ない、私は何も見てないぞ。

(そこへ脚置き台があらわれて、モーリスの両足を支える)

モーリス: おう、これはようこそ?

(そこへ洋服掛けがあらわれて、モーリスにコートを着せる)

モーリス: こりゃ心地良いわい。
コグスワース: もういい、これはやりすぎだぞ。いいか私はここの管理人だぞ。

(そこへ魔法瓶の 「ポット夫人」 と小さい湯飲み 「チップ」 が急いでやってくる)

ポット夫人: 熱いお茶はいかがですか、先生。すぐに体があたたりますよ。
コグスワース: だめ、お茶はいかん、だしてはいかん!

(チップがこらえきれなくて声を出す)

チップ: ママ、おひげがくすぐったいよ。

(突然、キッチンの扉が倒れて、一匹の恐ろしい野獣がモーリスの目の前に現れる。
野獣は口を大きく開けると、鋭い歯が現れた。そして雄たけびをあげながらモーリスに突き進んでくる)

野    獣: よそものがここにいるな!

ルミエール: ご主人様、これには深いワケがありまして。森で道に迷った彼はずぶぬれでこごえていたのです。
コグスワース: ご主人様、申し上げます。これはすべて彼らの責任でありまして、私は実は反対して忠告したのですが。

野    獣: おまえは誰だ? どうしてここにやって来たのだ?
モーリス: 私は道に迷って、そして…。
野    獣: ここに来てはならんのだ。
モーリス: ごめんなさい。

野    獣: おまえは何を見ているのだ?
モーリス: いえ、何も…。
野    獣: みにくい野獣を見に来たのだな? そうだろう?

モーリス: そんな、めっそうもない。今夜泊まる場所をさがしていたのです。
野   獣: よし、おまえを泊まらせてやるぞ。
モーリス: やめて、お願いだから、やめてください。

(野獣はいや応なしにモーリスを牢獄に閉じ込めてしまった)