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野獣がベルをオオカミの群れから救ったことがきっかけで、
ベルは野獣に優しさを見出し、お互いに心を通わせるようになる。

舞踏会を開いた日の夜のこと、野獣の見せてくれた魔法の鏡で
ベルは、自分の父親が病をおして城に向かってくるのを知る。

野獣はベルの気持ちを考え、彼女に帰ることを許すのだった。



                 愛の芽生え (Alan Menken)


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【第三課 第七節】

(此时,小镇上的一个酒馆里,加斯顿和疯人院院长达克正在密谋)

达克:通常在晚上,我是不会离开疯人院的,可是你说我这趟会来的很值得,哈哈,你说吧。

加斯顿:是这样的,我已经决定要娶贝儿做我的妻子,但是她呢,还需要一点压力。
来富:哈哈,她直接拒绝他了。

(加斯顿用肘撞了来富)

加斯顿:每个人都知道她爸爸是个疯子,他今天晚上,他还一直乱吼,说在一个城堡中有只野兽。
达克:莫维斯没有伤人。

加斯顿:问题是,只要不把她爸爸关进疯人院,贝儿就愿意付出任何代价。
来富:哈哈,对,甚至嫁给他。

(来富一跳躲开了拳头)

达克:你们要我把她父亲带到疯人院,威胁贝儿嫁给你。

(达克嘴角露出一丝冷笑说道)

达克:啊,太卑鄙…嘿嘿嘿,我喜欢。


(村边的莫维斯家里)

莫维斯:假如没有人帮忙啊,我就自己去。
没什么大不了的,不在乎花任何代价,我一定要找到那个城堡。把贝儿救出来。

(莫维斯走了。加斯顿来到他家)

加斯顿:贝儿,莫维斯!
来富:哈哈,没人。我看这招对她是没用的。

(加斯顿抓着来富的脖子把他塞进了雪堆里)

加斯顿:他们总得要回来的,而且等他们回来的时候,我们已经准备好了。
来富,从现在起,不准你离开这里。直到贝儿和他爸爸回来为止。

来富:可是,可是我…好烂我!


(在城堡的阳台里,野兽注视着在楼下花园里散步的贝儿)

野兽:我从来没有对任何人有这种感觉,我想为她做点事,做什么好呢?

葛士华:恩,通常的情形是送花,或是巧克力,要不然,就是不想实现的诺言喔。
卢米亚:不对不对,应该要特别一点的,而且她有兴趣的,艾,我知道了。


(野兽在卢米亚的建议下,他带着贝儿来到了城堡的图书馆)

野兽:贝儿,我想带你看样东西,但首先呢,你要先闭上眼睛。是一个惊喜。

(进入房间)

贝儿:好了没有啊。
野兽:慢点,还没有,等一下。

贝儿:现在可以睁开了嘛。
野兽:可以了,开!

(这是一间包罗万象的巨型图书馆,应有尽有,喜爱书籍的贝儿自然是欢喜不已)

贝儿:我是不是在做梦啊,我从来没有看过这么多书。
野兽:你,你喜欢吗?

贝儿:当然喜欢。
野兽:都是你的了。

贝儿:谢谢你,太棒了。


卢米亚:哈哈哈,看哪!我就知道一定有用的。

阿齐:什么? 什么有用?
葛士华:真令人兴奋啊。

扫把人:好兴奋啊。
阿齐:我什么也没看见啊。

茶煲太太:走吧,阿齐,厨房还有很多事情要做呢。
阿齐:什么事情? 告诉我啦,妈妈。


(贝儿和野兽一起在用餐,野兽吃得很难看,满嘴都是汤汁。贝儿教他要将碗就口,以免汤汁掉下来。
野兽学着优雅的用餐礼仪。用餐后,他们一起在花园散步,喂食着小鸟们,还一起在雪中调皮地玩起了打雪仗)


贝儿:(唱)一种甜蜜,涌上心头,这种感觉就好像是触电一样,那么可爱,那么温柔,我脑海中的恐惧感已全消失。

野兽:(唱)我感觉到,她在看我,当我靠近她已不会再逃避我,难道是梦,使我欢欣,但他从来未用那种眼神看我。

贝儿:(唱)啊,他越看越迷人,在这世上有谁会相信,他的不是潇洒王子,我相信他背后一定有许多秘密。

仆人们:(唱)谁能预料,谁能想象,难道是梦,但已发生,一个美女,她会看上一个野兽。
这真稀奇,只有等待。再过几天,这种事也许他根本就不存在。


葛士华:没错,这种事也许他就不存在。
阿齐:什么?

茶煲太太:这种事也许他根本就不存在。
阿齐:什么啦,妈妈?

茶煲太太:嘘,等你再大一点就知道了。


葛士华:你们都知道来这的原因,我们有12个小时又36分又15秒…
来创造人类或是野兽所知道的最神奇,最自然的浪漫气氛…野兽。

好,容我提醒各位,如果这朵玫瑰的最后一瓣掉落,这个咒语就永远解不开了。
非常好,你们都知道自己的任务。一半到西厢去,另外一半到东厢。剩下的人跟我来。

卢米亚:葛士华,高兴点,让他们顺其自然吧。
茶煲太太:很明显的,他们之间有火花。

葛士华:管他的。煽点火也无伤,你知道,一点点,
而且呢,他们今天晚上一定要陷入爱河,我们才可能再度变回人。


卢米亚:再变回人,是啊,想想那代表什么呢。

(唱)我想走进厨房,穿上笔挺西装,双手拥抱着美丽女人,
当我变回人类,再度变回人类,不再虚度那美好时光。我要把握机会,追逐奇妙爱情。

茶煲太太:所有女人得提高警觉。

卢米亚:哈哈,我要双脚落地,不再坐在烛台。
我等不及能再变回人类,再度变回人类,我们不再是陈设物品,能再变回人类,再度变回人类。

衣柜人:那个胭脂不再束之高阁,我会涂上口红,丢开笨重衣橱,再次轻松地穿过大门,
身穿飘逸长袍,梳着美丽长发。我期待再度变回人类。

茶煲太太:能再变回人类,再度变回人类,期待让人生燃起希望。

葛士华:我会不再紧张,
卢米亚:是吗?

葛士华:那会很怪。这也不是我能控制。
在那海边小屋,泡上一壶好茶,提早实现我退休计划,远离那些笨蛋。

仆人们:(唱)轻松潇洒自在,多愉快,再度变回人类,尽快清除灰尘,点亮所有的灯光,
我已经感觉到,有个人能够让我们重生,将门上铜环擦亮,提醒周围所有人,

如果这一切照计划,我们将得到解脱,打开那窗户,让空气流通,
这些东西都放回原位,收起悲伤和伤痛往事,再重头来过,能再变回人类,

再度变回人类,重回那往日美好时刻,脸颊再度红润,热血再度沸腾,
眼看那时刻即将到来,我们放开胸怀,我们尽情欢笑,祈祷那时刻尽快到来,
贝儿能够坠入爱河,那我们很快就能再度变回人类。


(贝儿和野兽看故事书)

贝儿:再也没有任和爱情故事,会比罗密欧与朱丽叶更凄美了。
野兽:恩,你再念一次好吗?

贝儿:啊,你念给我听好了。
野兽:喔,好吧。哎!我没办法。

贝儿:你从来没有学过吗?
野兽:我学过,一点点。只是已经很久了。

贝儿:好,我帮你,嗯,从,这里开始。
野兽:这里啊…俩…

贝儿:两
野兽:啊,两…我知道。两大家族…


仆人们:(唱)随那音乐起舞,随那节拍跳动,让那欢笑不会再远离,能再变回人类,再度变回人类,
踩着华尔兹不停旋转,怀着无限希望,等待美好未来,那是所有人共同心声,期待变回人类,
恢复以往的我,当那太阳升起,所有悲伤不再,让我们再度变回人类。


(一天晚上,野兽亲自邀请贝儿共进晚餐。贝儿立刻开心地答应了。
那天,野兽泡在浴室的一个装满肥皂热水的浴缸里。洗完澡,仆人们为野兽化妆打扮)

卢米亚:应该是今天晚上了。
野兽:我想…我是做不到的。

卢米亚:不要害怕,我亲爱的主人,要坚强点。
野兽:坚强点,亲爱的?

卢米亚:我会提供音乐及罗曼蒂克的烛光,当时机一到,你就坦白的对她表示你的爱意。
野兽:我? 表示爱意? 不,我不行。

卢米亚:你喜欢她,是不是?
野兽:恩,非常喜欢。

卢米亚:那你一定要告诉她。呀嘿,你看起来好,好…
野兽:好蠢。

卢米亚:哎,这不是我想说的那个字,啊,也许上面再高一点点。
葛士华:小姐,在等了。


(晚餐会上,贝儿为自己选了一件黄色的长裙,看起来端庄又高雅。
野兽也特意换上了干净帅气的礼服,还修剪了乱蓬蓬的毛发。
就餐的时候,野兽尽量不让自己发出声音,他在努力地做一个优雅的绅士)


茶煲太太:(唱)美妙的时光,就从现在起,人生过程中,总会有奇迹,改变了一切,
在那无意间,爱神走近你,没人能预知,未来的世界,美女与野兽…

(晚餐过后,优雅动人的华尔兹响起。野兽低下头伸出手,邀请贝儿和他一起跳舞。
她毫不犹豫地接受了邀请。他们开始跳舞。踩准节奏,贝儿的脚自动跟上了野兽的步伐。
他们时而迈出一连串流畅的步子,时而华丽地旋转,步调一致。似乎他们在一起跳舞已经好几年了)


茶煲太太:(唱)放开你胸怀,…把握住现在,让所有梦想,燃起生命中,亮丽的色彩,美妙的时光,像一首老歌,
当你再想起,它有苦有甜,值得再回味,轻声漫舞中,爱苗在滋长,让所有祝福,围绕你们俩,美女与野兽…


茶煲太太:阿齐,你该睡觉了,回你的碗橱子里去吧,晚安。


(音乐结束后,野兽把贝儿带到阳台边)

野兽:贝儿,你在这里会觉得快乐吗?
贝儿:当然…。

野兽:怎么了?
贝儿:我好希望能再见到我的爸爸,只要一眼,我好想念他。

野兽:我有办法。

(野兽从自己的房间,拿过来魔镜)

野兽:这面镜子可以让你看到,任何你想要看到的事情。

贝儿:(对着魔镜说)我想要看到我父亲,好吗?

(透过魔镜,贝儿看到莫维斯独自昏倒在来救她的路上)

贝儿:爸爸,啊,天呐,他生病了,他也许会死,他好可怜啊。

(野兽看着贝儿伤心的样子,又瞧了瞧即将凋谢的玫瑰花,强忍着悲痛说)

野兽:…那,你应该回去照顾他。
贝儿:你说…什么?

野兽:你可以走了,你不再是我的犯人了。
贝儿:你是说,我自由了?

野兽:是的。
贝儿:哦,谢谢你!爸爸,振作点,我马上就回来了。

野兽:带着镜子吧,这样你可以回忆一下这里,希望你记得我。
贝儿:谢谢你能谅解,让我回去照顾他。

(贝儿说着,转身跑走。过了一会儿,葛士华摇摇摆摆地走进房间)

葛士华:哦,主人,这每一件事情都进行得很顺利,我知道你是绝对没有问题的。
野兽:我让他走了。

葛士华:是是是,那太好了,你…什么? 你怎么能这么做呢?
野兽:我不得不。

葛士华:但…但是,为什么呢?

(葛士华疑惑不解地问。野兽平静地回答)

野兽:因为,我爱她。


(仆人们闹得乱七八糟)

卢米亚:他做了什么?
葛士华:没错,他答应让她走了。

阿齐:她要走了吗?
卢米亚:哎,就只差那么一点点了。

茶煲太太:不管怎么说,他终于学会了,怎么去爱人。
卢米亚:那咒语是不是就应该解开了?

茶煲太太:还是没用的,贝儿也得爱他才行啊。
葛士华:这一切都太迟了。


(野兽走出房间,站在阳台上。他在那儿看着贝儿骑着费力飞奔而去。
他一直聆听着,直到在森林里疾驰的马蹄声渐渐消失归于平静。他还是一动不动)





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【注 釈】

【达克】dá kè  ダルク(Monsieur D'Arque)  町の悪徳な医者。
ガストンに加担し、モーリスを精神病院に収容しようとする。

【好烂我】hǎo làn wǒ(=太过份了)  あんまりだ。やり過ぎだ。(Aw, nuts!)

【根本就不存在】(=根本没有了)  皆無だ。一度も無い。(that wasn't there before)
<用例> 当经理的可能性根本就不存在。(社長になれる可能性は皆無だ)

【管他的】(=不管这件事了)  構うな、放っておけ。
<用例> 管他的,他去就去吧!(ほっとけ、勝手に行かせろ)

【束之高阁】shù zhī gāo gé (=放在高高的架子上)  使わずにしまい込む。
<用例> 书买回来后,随便翻了一下就束之高阁了。
(買った本をペラペラめくった後、そのまま本棚に放置した)

【那会很怪】(=你会说我很怪)  私の言う事がおかしいって?
【不是我能控制】(=我不能控制自己)  感情に振り回されてしまうのだ。

【再重头来过】zài chóng tóu lái guò(=重新开始过日子)  新たな生活を始める。

【凄美】qī měi(=令人心痛)  涙を誘う。痛ましい。(more woe)
<用例> 夕阳西下的时刻,落叶显得十分凄美。
(枯葉散る夕刻は、何とも言えない寂しさを感じさせる)



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【口語訳】

(その頃、町の居酒屋では、ガストンと精神病院の院長ダルクが、何やら密談を交わしていた)

ダルク:わしは夜中に病院を空けない主義なんだが、儲け話だと聞いたのでな、で、話は何だ?

ガストン:俺はベルとの結婚を決めているが、彼女がうんと言わないんだ。
ライフ:ハハ、振られたのさ。

(ライフに肘鉄を喰らわせる)

ガストン:モーリスは頭がいかれてる。今夜もここに来て、城に野獣がいると嘘を並べ立てた。                            
ダルク:モーリスは無害な老人じゃないか。

ガストン:要するに、親父を病院に入れると脅せば、ベルは何でもするってことだ。
ライフ:ハハ、あんたとの結婚だってね。

(ガストンの一撃を、さっと避ける)

ダルク:ベルがあんたとの結婚に同意しなければ、親父を病院にぶち込むと? それはまた卑劣な手段だな。

(ダルクは口元に薄笑いを浮かべて言った)

ダルク:気に入ったぞ。引き受けた。


(村はずれのモーリスの家)

モーリス:誰も助けてくれんのなら、わしは一人で戻る。そうするしかない。
何としても城を探して、ベルを救い出すのだ。

(モーリスが出かけた後、ガストンたちがやって来る)

ガストン:ベル? モーリス?
ライフ:ハハ、留守だよ、諦めが肝心だね。

(ライフの首をつかんで雪の中に押し込む)

ガストン:あの親子、いずれ帰ってくるはずだ。脅しをかけるのは、二人が戻ってからでも間に合う。
ライフ、ベルと親父が戻るまでそこから動くなよ。

ライフ:ひどい…あんまりだ!


(一方、城では、雪の庭を散策するベルを、野獣が見守っている)

野獣:今までこんな気持ち、味わったことがない。彼女に何か贈りたい。何がいい?

コグスワース:そうですな、まあ花とかチョコレート。または口先だけの約束とか…。

ルミエール:いやいや、何か特別なものでなければ。
彼女の心をぐっとつかむような。そういえば、以前こんなことが…。


(ルミエールの提案で、野獣はベルを城の図書館に案内する)

野獣:ベル、見せたいものがあるんだ。まず、目を閉じてくれ。きっとびっくりするよ。

(部屋に入る)

ベル:開けてもいい?
野獣:いやいや、まだだ。待ってて。

ベル:もう開けてもいい?
野獣:それじゃ、開けて!

(そこはあらゆる本が収められている巨大な図書館だった。
びっしりと一面に本が並んでいる。無二の本好きのベルは、思わず絶句した)

ベル:まるで夢みたい。こんなたくさんの本、はじめて見たわ。
野獣:気に入ったかい?

ベル:もちろんよ。
野獣:全部君のものだ。

ベル:嬉しいわ、ありがとう。


ルミエール:ハハハ、見たかい、うまくいくと思ったよ。
チップ:何? 何がうまくいったの?

コグスワース:希望が見えて来たぞ。
フェザーダスター:ほんと素敵ね。

チップ:何も見えないよ。
ポット夫人:おいで、チップ、台所の片づけがあるわ。

チップ:何があったの? 教えて、ママ。


(野獣とベルは向き合って食事をした。野獣は皿のスープをなめ回し、顔もテーブルもスープまみれになってしまう。
ベルは、皿を手に持ってスープを飲む。それを見て野獣も皿を手に持った。こんどはスープはこぼれなかった。

食事の後、二人は城の外に散歩に出て、小鳥に餌やりをしたり、雪合戦をしたり楽しく過ごした)


ベル:(歌う)なぜかしら、込み上げてくる、この想い。まるで電気に、触れたかのよう。
恐ろしかった彼が、今は愛しく、優しげに感じられる。

野獣:(歌う)これは夢? それとも奇跡? 彼女が自分を、そっと見つめてくれた。
怯えても、震えても、いない優しい眼差しで。

ベル:(歌う)ああ、誰が信じると言うの? 私の中の、ときめく想い。
素敵な王子様とは言えないけれど、彼にはなぜか感じられる、不思議な魅力。

召使い達:(歌う)何かが芽生えた、奇跡のように。誰が予想できただろう。あの親しげな二人の姿を。
しばらく待とう、何かが実るのを。ただ待とう、新しい何かが生まれるのを。


コグスワース:間違いない。これは今までになかった出来事だ。
チップ:何が?

ポット夫人:きっと何かが、芽生えて来ているのね。
チップ:だから何があったの、ママ?

ポット夫人:シーッ! 大きくなったら、教えてあげるよ。


コグスワース:諸君! 我々はあと、十二時間三十六分十五秒の間に、ムードを大いに盛り上げるんだ。
人類を、そして野獣でさえもロマンチストにするくらいにな。

さて、言うまでもなく、この花弁が散ってしまえば、呪いは永久に解けない。
よろしい、我々は今、何をすべきか、分かっていると思う。

では、割り当てを言おう。半分は西の塔、あと半分は東の塔だ。残りは一緒に来い。

ルミエール:コグスワース、心配するな、彼らに自然にうまくいくさ。
ポット夫人:いい雰囲気ですもの。

コグスワース:構うなと言っても多少のお節介は必要だろ。二人の恋の炎を煽るんだ。
二人が恋に落ちれば、我々も人間に戻れる。

ルミエール:人間に戻る、言ってみればこういうことだな。

(歌う)人になったら、磨きをかけて、厨房に入るのさ、美人を抱くんだ、両手にね、
アピールするんだ、ボクの魅力を、デートに行くんだ、めかしてね。

ポット夫人:浮気の虫は、ほどほどに。

ルミエール:ハッハッハ、ろうそく台とはおさらばさ、両足で、床を踏みしめ、しっかりと、
道具じゃないんだ、もうボクは、すぐさま棚から、飛び出そう。

ワードローブ:家具じゃないのよ、この私、口紅塗って、スリムになって、ドアから出るのも、楽々と。
チャイナドレスに長い髪、誰にも負けない、おしゃれなら。

ポット夫人:人になったら、今度こそ、楽しい毎日、送るのよ。

コグスワース:ゆっくり過ごそう。
ルミエール:本気かい?

コグスワース:もちろんさ、デリケートなんだよ、私はね。
海辺の小屋で、のんびりするのさ、お茶を飲み、こんなバカとは、おさらばだ。


召使い達:(歌う)人になったら、掃除をしよう、明かりを部屋に、ともしてね。
人になったら、ドア磨き、埃を払おう、ピカピカに。

戸を開けて、空気を換えよう、新鮮に、魔法が解けるその時は、もうまもなくやって来る。
人になったら、元通り、すべてのものが、元通り、悲しみも、涙もすべて、過去のもの。

きっとあの娘が、魔法を解いて、解いてくれるに違いない、二人が恋に落ち、
待ち焦がれた、その瞬間、人生の喜びが、私達の夢と笑顔が、再び蘇る!



(ベルと野獣が一緒に本を読んでいる)

ベル:ロミオとジュリエットの恋物語、これを超える悲劇はなくて?
野獣:もう一度読んでくれ。

ベル:今度はあなたが読む番よ。
野獣:わかった、でもだめだ。

ベル:読めないの?
野獣:少しは習ったが、だいぶ昔だし。

ベル:手伝うわ…ここから。
野獣:…二つの…。

ベル:二人の。
野獣:あ、二人の家族が…



召使い達:(歌う)楽しく踊ろう、リズムに乗って、ワルツを踊ろう、輪になって、軽やかに、飛ぶように。
人になったら、夢の日々、日が昇り、闇と哀しみ、すべて消え、輝く未来が待っている。



(ある夜、野獣がベルを晩餐会に招待した。ベルは笑顔でうなずく。
その日、野獣はバスタブで泡だらけになって体を洗った。入浴後、召使いたちが野獣の身拵えを整える)

ルミエール:いよいよ今晩ですぞ。
野獣:うまくやれるかな?

ルミエール:心配してちゃいけません。大胆にやらないと。
野獣:大胆に…か?

ルミエール:音楽とキャンドルを用意しますので、ムードが盛り上がったところで、愛の告白を。
野獣:わしが愛の告白を? とても無理だ。

ルミエール:彼女が好きなんでしょ?
野獣:たいへん好きだ。

ルミエール:では言えるはず。さあ支度が整いましたな、とても…とても…
野獣:…とてもブザマ…にみえるか?。

ルミエール:いや、そう言おうとしたのではありません。何というか、そう、頭のてっぺんをもう少し派手めに。

コグスワース:コホン、レディがお待ちです。



(晩餐会では、ベルは黄色のロングドレスに身を包んでいた。それは彼女をより美しく魅力的に見せていた。

野獣の服も清潔で上品な正装だった。ぼうぼうと乱れた髪もきれいに散髪されている。
食事のとき、野獣はできるだけ音を立てないで食べた。彼はもう一人前の紳士に成長していた)


ポット夫人:(歌う)めぐり逢い、惹かれあう、その奇跡、いつの世も、変わらない。
愛の神、歩み来りて、祝福の矢、打ち放つ、美女と野獣、二人の心に…


(夕食後、舞踏会場には、優雅なワルツの曲が流れる。野獣はベルに一礼し、腕を差し出す。
ベルはためらいもなくその腕をとる。二人はワルツを踊り始めた。

野獣とベルは、もう何年も一緒に踊っているかのように、呼吸はぴたりと合い、完璧な足さばきで、ステップを踏んでゆく)


ポット夫人:(歌う)懐かしい歌に、思いを馳せ、共に歌い、踊り、夢を語り合う。
喜びも悲しみも、振り向けば、道のり、共に歩み、分かち合い、愛を育む、美女と野獣、二人の心に…



ポット夫人:さあ、戸棚へ行くのよ、チップ。もう寝る時間よ。おやすみ。


(音楽が止むと、野獣はベルをテラスに連れ出す)

野獣:ベル、私といて幸せかい?
ベル:ええ…。

野獣:どうした?
ベル:もう一度、父に会いたいわ。ちょっとでいいの。

野獣:わかった。いいものがある。

(野獣は部屋に戻ると、魔法の鏡を取りだし、ベルに見せる)

野獣:この鏡は、望むものを見せてくれる。

ベル:(鏡に言う)パパを映して、お願い。


(鏡に映し出されたのは、ベルを救いに来る途中、道端に倒れ込んでしまった父親の姿だった)

ベル:パパ! たいへん、どうしよう。父が病気なの。このままでは死ぬわ。ひとりぼっちで…。


(野獣はそばのバラを見つめ、苦渋の表情を浮かべると、絞り出すように言う)

野獣:…では、すぐに行ってあげなさい。
ベル:何ですって?

野獣:釈放だ。もう君は囚われの身ではない。
ベル:それじゃ、私を自由に?

野獣:そうだ。
ベル:ありがとう。待っててパパ、すぐに行くわ!

野獣:鏡を持っていくといい。これからきっと役に立つ。それに…この城のことも思い出せる。
ベル:わかってくださってありがとう。父もどんなに喜ぶか。


(ベルはそう言うと、くるりと向きを変え、その場を立ち去った。
しばらくして、コグスワースがよたよたと部屋に入って来る)


コグスワース:えーと、ご主人様、お見受けしたところ、事はとんとん拍子に進んでいるようですな。
野獣:ベルは行ったよ。自由にした。

コグスワース:それは結構…な、な、何ですと? なぜ行かせたのです?
野獣:しかたなかったのだ。

コグスワース:しかし…しかし、一体なぜ?

(コグスワースが困惑した表情で尋ねる。野獣は静かに言った)

野獣:なぜかって…彼女を愛しているからだ。




(召使い達は大騒ぎする)

ルミエール:あの娘を行かせたって?
コグスワース:そう、残念なことだが。

チップ:もう戻らないの?
ルミエール:もう少しだったのに。

ポット夫人:とにかく今度は、彼も本当に人を愛することを知ったわ。
ルミエール:そうだよ。呪いも解けるはずだ。

ポット夫人:いいえ、それだけでは駄目、愛されることも必要だわ。
コグスワース:これですべて手遅れになってしまった。


(野獣は部屋を出て、西の塔のテラスに立った。馬を駆り立て、走り去るベルの姿が見えた。
ひづめの音にじっと耳をすます。音が消えてからも、彼はそこを動かなかった)