水戸黄門廻国記(みとこうもんかいこくき) 1937年(昭和12年) 邦画名作選 |
あるとき黄門様は、街道を占領して皆を困らせている殿様一行と遭遇する。
聞けば、霊峰富士が拝めるまで、行列を止めて道を塞いでいるという。
さっそく正体を明かした上で「天下の大道は通行自由でなければならぬ、
くれぐれも私物と思うなかれ!」との教訓を、わがまま殿様に垂れる。
するとその殿様、すっかり恐れ入って平伏する。
副将軍の威風にモノを言わせて、説教を垂れた黄門様は、いい気分で旅を続ける。
しかし、ちょっと一服と、ある百姓家の米俵の上にすわって休んでいた黄門様。
百姓の婆さんに「勿体ないことをするな!」と、散々説教されてしまうのであった。
ご存じ、助さん、角さんをお供に連れた、黄門様御一行の世直し旅。
助さん格さんに、阪妻と千恵蔵という日活二大スターの豪華版だが、続編である
「続水戸黄門廻国記」では、嵐寛寿郎が出演し、日活御三家が勢揃いした。
ちなみに戦前の映画界において、水戸黄門と言えば誰もが連想する役者がいた。
日活の重鎮・山本嘉一である。
山本は、1917年(大正6年)日活向島撮影所に招かれて入社。
以来二十数年、会社と苦楽をともにした日活俳優の大御所である。
水戸黄門を演じては右に出る者はなく、当時の日活では「先生」と尊称されていた。
製作 日活
監督 池田富保 原作 直木三十五
配役 | 水戸光圀 | 山本嘉一 | 近藤貢 | 沢村国太郎 | |||||||||
佐々木助三郎 | 阪東妻三郎 | 伊助 | 原健作 | ||||||||||
渥美格之進 | 片岡千恵蔵 | 山田源蔵 | 志村喬 | ||||||||||
森川周馬 | 月形龍之介 | 小坂部主馬盛親 | 嵐寛寿郎 |