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アラジンは、神秘の洞窟を奥へ進む途中、不思議な魔法の絨毯に出会う。

アラジンは、絨毯の道案内でやっとランプを手に入れる。
が、アブーが宝石に手を出してしまい、洞窟は次々に大爆発を起こし始めた。

外に待っていた老人はランプをひったくると、アラジンを洞窟の底へ突き落とした。
老人の正体はジャファーだったのだ。

アラジンが絶望に落ちこんでいた時、アブーがランプを取り出した。
落ちる寸前に、アブーがランプを奪いかえしていたのだった。

アラジンが汚れたランプを擦った途端、ランプの魔人ジーニーが現れる。



Whoopee! I'm Genie of the Lamp! Master,
You're gonna grant me any three wishes.

(やっほー! ジーニーだよー!

ご主人様、3つの願いをさあどうぞ!)




     
 (1) (2) (3) (4) (5) (6)  (7) (8) (9) 

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【第十一課 第六節】


(阿拉丁和阿布走进了金碧辉煌的大殿,这里到处都堆满了各式各样的金银财宝)

阿拉丁 : 真是太神奇了。随便抓一把珠宝,我就能比国王还富有了。
阿布!不要随便乱动,我们得先找那盏灯。

(阿拉丁遵守着老虎对他的告诫,小心翼翼地让自己不碰到任何东西)
阿拉丁 : 阿布,安静点好不好。

(阿布突然发出一声尖利的叫声)
阿拉丁 : 阿布,你发疯了!

(阿拉丁回头一看,就看见一条地毯跟着阿拉丁走过来。
它是很旧,但这是一条会飞的魔毯。它好像想让阿拉丁当它的主人)

阿拉丁 : 是一条魔毯。快来。来呀,我们不会伤害你的。别紧张,它不会咬人的啦。
等一下,别走啊。或许你可以帮助我们哦。是这样的。我们要找一盏灯。

(魔毯忽然飘动起来,带着他们在魔法洞中绕来绕去)
阿拉丁 : 它好像知道灯在哪里耶。

(找了很久,他们终于在洞穴深处找到了神灯)
阿拉丁 : 在这等我。

(阿拉丁自己一人去拿到了神灯)
阿拉丁 : 就是这个啊。费尽千辛万苦找的就是…。

(他兴奋地回过头来,却看见阿布正在抚摸一颗亮晶晶的红宝石)
阿拉丁 : 不可以!

(可是还是来不及,阿布还是拿了下来。突然,洞窟里发出了老虎的怒吼。
这是禁止触碰的宝物。从现在起你将再也见不到明天的太阳了。

紧接着,洞窟开始哗啦哗啦地崩塌,周围变成了熊熊火海。
阿拉丁就赶紧拿着灯跑了,魔毯赶紧去救阿拉丁,也救了那只阿布。魔毯托着他们一直向着洞口飞去)


阿拉丁 : 魔毯,快飞呀!阿布,不要再闹了!我的妈呀!

(在到出口时,魔毯不小心被石头砸到。从魔毯上甩下来的阿拉丁和阿布幸运的刚好抓到阶梯)
阿拉丁 : 我快撑不住了!

(贾方正在出口等着)
贾 方 : 把灯丢给我!
阿拉丁 : 我撑不下去了。快拉我上去!
贾 方 : 先把灯给我!

(阿拉丁好容易把神灯交给贾方)
贾 方 : 太好了,终于得手了!

(贾方开怀大笑。突然,贾方就一把将阿拉丁推回洞里)
阿拉丁 : 你想干什么?
贾 方 : 给你荣华富贵,让你永远的享受。

(这时阿布咬了贾方手璧,阿拉丁就这么掉了下去。这时,老虎合拢了嘴,神秘洞就消失在了沙漠之中)

贾 方 : 是我的了,终于是我的了。灯呢? 天啊,不!

(贾方无力地跪下来,发出绝望的叫声)



(此时,茉莉公主在皇宫中哭泣着)

国  王 : 茉莉。亲爱的,你怎么了?

茉  莉 : 贾方,他…他实在是太狠毒了。
国  王 : 来来来,我的小宝贝,慢慢说给父王听。到底怎么回事啊?



(在洞穴里,阿拉丁清醒过来,幸亏有魔毯的保护,阿拉丁和阿布才没有受伤)

阿拉丁 : 我的头…我们被困住了。那个忘恩负义的家伙。不管他是谁,灯已经落在他的手上了。

(这时,阿布把神灯举到了他面前。原来,刚才阿布趁老人不备,又把神灯夺了回来)

阿拉丁 : 阿布!你这个古灵精怪的小鬼。嗯?破铜烂铁嘛,看起来没什么了不起的啊。
等一下,上面好像写了一些字耶。不过,看不出是写了一些什么。

(阿拉丁接过神灯来看,灯又破又旧,他想擦擦灰,看个清楚。
突然,一缕蓝色的烟雾从灯嘴中涌出,变成了一个巨大的蓝色精灵)

精 灵 : 等了一万年了,等得我的脖子都变僵了。

(神灯里面出来的那个精灵说着动了动身体,伸了下懒腰)

精 灵 : 你等一等。出来的感觉真是太棒了。各位先生、各位女士,我又回来了。

(巨大的蓝胖子在空中飞舞,发泄着他心中的快乐)

精 灵 : 请问你家住在哪里? 叫什么名字?
阿拉丁 : 我…阿拉丁。

精 灵 : 阿拉丁,你好!欢迎来上我的节目,我可以叫你阿~或者叫你丁~也不错。好像是叫来吧,拉丁。
阿拉丁 : 天啊,我是不是在做梦啊?

(阿拉丁怀疑这一切是不是在做梦,怎么可能有这么魔幻的事情发生在自己的身上?)


精 灵 : 你抽烟吗,介不介意我抽? 对不起,没伤到你的毛吧,小魔毯,好久不见了。
快来打个招呼,拍拍手。你比我以前那个主人要小多了。要不就是我现在已经变胖了。你说我这样,有没有苗条一点。

阿拉丁 : 等一下,等一下。你说我是你的主人。

精 灵 : 宾果,孺子可教也。你希望我为你做什么? 我是个人民公敌。我变成了自由体,我也可以当个可爱的玩偶。
但是我从来没有仿冒,我是世界上最伟大的神灯精灵。谢谢,在我的现场节目里,你的愿望将会被实现。来,尽管说!

阿拉丁 : 实现愿望?

精 灵 : 实实在在的三个愿望。你听清楚了。再多我也没有办法。
不多不少就只有三个,1、2、3。货品既出概不退货。

阿拉丁 : 我可以确定这真的是梦…。

精 灵 : 主人,我发现你根本就不了解。
我在说什么,所以我建议你。不如在我唱歌的时候,你好好仔细的考虑考虑。

(那个快活的蓝胖子就像解除了暂停键,开始大声唱道)

精 灵 : 阿里巴巴有四十大盗,身材魁梧,还加暴力。但老大你真的是走了运,有了我你什么都能敌。有我这实力坚强大靠山。
从今以后你所向无敌。如果要我出现在这里,你只要伸手擦擦这神灯。亲爱的阿拉丁,让我来伺候你。
先来一顿大餐吃个饱,证明我是你的好伴侣。生活就是享受,天天都要开心。偷偷告诉我你的希望,记得我是你的好伴侣。

是的,全套服务从头到脚你是王,神气大王。金山银矿、珠宝全都有。每天吃喝玩乐享不尽。
来一客大餐A,再一顿大餐B。我心甘情愿伺候你,看看我是你的好伴侣。
没有人能够,只有我可以,没人比得过,只有我可以。

看看这招,看看这里,有谁能像我这样神通广大,这样无中生有,有化无。
别瞪大了双眼说不相信,我就是你所祈祷要找的人。我拥有千百年荣誉保证,能完你心中所有梦想。
我迫不及待的想帮你,我真的想知道你要什么。

千百个万百个愿望,你只需要这样擦一擦,亲爱的阿拉丁,快快许下三个愿,我心甘情愿伺候你,
从来没有人能够,没有人能够,真的没有人能够,真的像我这样伺候你,看看我是你的好伴侣。
主人,想通了没有?

阿拉丁 : 你是说我可以许下任何三个愿望,是吗?

精 灵 : 差不多啦,但是有一些条件呢。有些附带的规定。

阿拉丁 : 什么?

精 灵 : 第一个条件、我不能杀任何人。别要求我。
第二个条件、我不能让任何人随便的爱上另一个人。可爱的小心肝。

第三个条件、我不能够起死回生,你不觉得这个画面好恶心哦。
所以我不喜欢这样,除了这些,悉听尊便。


阿拉丁 : 规定,你是说限制吗?爱说笑。什么万能的精灵嘛。
竟然连起死回生都不能。还说那么多干嘛?
他八成不能带我们离开这个洞穴。看来我们得自己想办法了。

精 灵 : 打个岔,你们…你们在说我吗? 你摩擦了灯吗? 你叫醒我了吗? 你把我叫出来了吗?
你现在想不理我了吗? 你大错特错,别想消遣我。把我叫出来就得许愿望,坐下。
我们的紧急逃生口在这里,这里,这里。任何地方都可以,别把手脚伸出魔毯外。坐好,要飞了。

(精灵让阿拉丁和阿布在魔毯上坐好,一眨眼的功夫他们就冲出来洞穴)



(此时,在皇宫大厅。国王严重警告贾方不要以后这样做了。国王想办法让公主跟贾方和好)

国 王 : 贾方,你做得的确有点过份。看你这几年对我这么忠诚份上,这次算了。但是以后,你在砍别人头之前,必须经过我同意。
贾 方 : 陛下,我向您保证这种事不会再发生了。

国 王 : 茉莉、贾方、现在别管这些乱七八糟事了,好不好?
贾 方 : 我也向您致上最谦卑的歉意,公主殿下。

茉 莉 : 至少你让我想到早点结婚的好处。等我成为皇后,我一定会尽全力把你赶走。
国 王 : 好了,好了,事情都解决了。茉莉,关于你的婚事嘛,茉莉…茉莉!


(茉莉无论如何也不能容许贾方。她怒视着贾方,匆匆地从大厅离去。国王急忙追赶她。贾方似乎不高兴地叹气)

贾 方 : 我真恨没拿到那盏灯啊。

艾 格 : 我会全力把你赶走的。就算我去要饭。也比一辈子伺候这老秃驴和那个泼妇公主来得好。
搞不清楚,他们以为他们多了不起。

贾 方 : 不然要是等她找到了她的秃驴老公,我们真会撵出去的,会被砍头。
艾 格 : 等一下,等一下,万一你就是那个秃驴老公呢?

贾 方 : 什么?
艾 格 : 你听我说,你去娶公主,然后呢,然后你就是国王了。

贾 方 : 娶这个泼妇变成了国王。这个主意倒是不错。
艾 格 : 是的,结婚没错。我们可以把你未来的老丈人和女人。推下山谷,然后…摔死了。

贾 方 : 我就是爱你的这些小灵感。

(贾方嘴上露出一丝邪笑)







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【注 釈】

【古灵精怪】 gǔ líng jīng guài     (=聪明调皮)小器用な。小手先のきく (hairy little thief)
<用例>古灵精怪的小鹦鹉。 (こ利口なオウム)

【破铜烂铁】 pò tóng làn tiě     (=破旧无用)がらくた。ぽんこつ (worthless piece of junk)
<用例> 这些破铜烂铁怎么用呢?(そんながらくた何に使うんだ)

【精灵】jīng líng  ジーニー(魔法のランプに宿る魔人) (Genie)

【要不就是我胖了】 でなければ太ったせいか。(That or I'm gettin' bigger)
要不就(=如果不这样) <用例> 要不就来不及了。(さもなくば遅刻する)

【孺子可教也】 rú zǐ kě jiào ye     この子は教えがいがある。(He can be taught)
【人民公敌】 rén mín gōng dí     民衆の敵。
同名映画(An Enemy of the People)に登場する孤高の主人公にたとえる。

【爱说笑】 (=开玩笑) 冗談じゃない。
【打个岔】 dǎ ge chá     (=打断别人的话)横から口出しする。
【消遣】 xiāo qiǎn     (=戏弄)からかう。ばかにする



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【口語訳】

(アラジンとアブーが洞窟に入ると、そこには、あらゆる金銀財宝が山のように積まれていた)

アラジン: すごい!ひと抱えだけで王様よりも金持ちになれるぞ! アブー、触わるな! ランプを探すのが先だ!

(魔物との約束は守らなければならない。アラジンは慎重に行動しようとした)

アラジン: アブー、静かにしていろ。

(アブーは、また突然叫び声をあげた)

アラジン: アブー、いいかげんにしないか!

(アラジンが振り返ると、なんと一枚の絨毯がアラジンたちの後をつけてくるのが見えた。
古ぼけてはいるが、それはまさしく魔法の絨毯だった。その絨毯は、どうやらアラジンを主人と思っているようだ)

アラジン: 魔法の絨毯だ。こっちへおいで、いじめないから。大丈夫だよ、アブー。かみつきゃしないよ。
待って、どこ行くの? 君、ボクたちに協力してくれないか? 実はボクたち、ランプを探してるんだ。

(アラジンがそう言うと、絨毯は先に立って彼らを導いていこうとした)

アラジン: 彼はきっとランプのありかを知っているんだ。

(アラジンたちは、あちこち探し回ったあげく、ついに洞窟の奥深くでランプをみつけた)

アラジン: ここで待っていろよ。

(アラジンはひとりで走り寄り、ランプを手にとった)

アラジン: これがそのランプか、とうとう手にしたぞ…。

(アラジンが興奮のあまり振り返ると、なんとアブーがきらきら光る大きな宝石をなでているのが見えた)

アラジン: アブー、やめろ!

(しかし間に合わなかった。アブーはその宝石を手にとってしまったのだ。その瞬間、魔物の恐ろしい声が響きわたった。
禁じられた財宝に手を触れたな!お前たちはもう二度と、ここから出られんぞ!

そのとき、轟音と共に洞穴は崩れはじめ、周囲は燃え盛る火の海に変わった。アラジンはあわててランプを持って走り出す。
そこへ絨毯が飛んできてアラジンとアブーを乗せ、急いで洞窟の出口に向って一直線に飛びたつ)

アラジン: 絨毯よ、急いでくれ! アブー、落ち着け! あぶない!

(洞窟の出口まで来たとき、絨毯はバランスを失って下に落ち、大きな岩の下敷きになってしまった。
投げ出されたアラジンとアブーは、危機一髪で出口の石段の端にしがみついた)

アラジン: 助けてくれっ!

(出口にはあの老人に扮したジャファーが待っていた)

ジャファー: ランプをよこせ!
アラジン: 手を貸してくれ、落ちそうなんだ!
ジャファー: ランプが先だ、早くこっちへよこさんか!

(アラジンはやっとの思いでジャファーにランプを渡した)

ジャファー: やった、とうとう手に入れたぞ!

(ジャファーの哄笑があたりに響きわたる。ジャファーは、ぐいっとアラジンを洞窟に押し戻そうとする)

アラジン: 何をする!
ジャファー: 褒美をやろう。永遠の死という褒美をな!

(そのとき、アブーがジャファーの手にガブリとかみついた。だがアラジンは下へとまっさかさまに。
この時、魔物の口が閉じ、洞窟はなんの痕跡も残さず砂漠の中に消え失せてしまった)

ジャファー: やったぞ!ランプはついにわしのものだ! おやっ、ないぞ? どこへ行ったんだ、わしのランプは!

(ジャファーは、がっくりひざをつき、絶望の叫びを上げた)



(そのころ、ジャスミンは宮殿の中でむせび泣いていた)

国  王: どうした、ジャスミン。何を泣いておるのじゃ?

ジャスミン: お父様、ジャファーが、恐ろしいことを…。
国  王: ジャスミン、わけを話してごらん、さあ、いったい何があったんじゃ?



(洞窟の中では、アラジンがようやく意識を回復した。
あやういところで絨毯に助けられ、アラジンとアブーはケガをまぬがれたようだ)

アラジン: うう、頭が痛い…オレたちは閉じ込められてしまったのか。あの嘘つきめ、ランプだけが目当てだったんだ。

(そのとき、アブーが得意そうに取り出したのはあのランプだった。
あのとき老人にかみついて、ついでに素早くランプを失敬してきたのだ)

アラジン: アブー!おまえはとんでもない泥棒だな!
うーん、どう見てもただの古臭いランプだけど。まてよ、上に何か書かれているけど、よく見えないな。

(ガラクタにしか見えない粗末なランプを手にしたアラジンは、汚れを拭き取ろうとして手でこすった。
すると突然、ランプから青い煙がムクムクと渦を巻いて吹き出し、その煙の中から、見上げるような大男が現われた)

ジーニー: うーん、一万年もこの中にいると、肩がこるわい。

(ランプから飛び出した大男はそう言うと、思いっきりのびをした)

ジーニー: ちょっと待ってね。やっばり外は気持ちがいいなあ。
レディス、アンド、ジェントルマン、おまたせ、ボクはまた帰って来たよん。

(真っ青なたくましい体をした大男は、空中を飛び回り、長年ランプに閉じ込められていたストレスを発散しはじめた)

ジーニー: ちょっとお聞きします、あなた家はどこ?お名前は?
アラジン: ボクは…アラジン。

ジーニー: ああ、アラジンね! いらっしゃい、当番組へようこそ! 「アル」 と呼んでもいい? 
それとも 「ディン」 がいい? ひっくるめて 「ラディン」 なんてのはどう?

アラジン: …どうやらオレは、変な夢を見ているらしい。

(これは目を開いてみる夢なのか…アラジンは、自分の身に起こったこの突拍子もない出来事が、どうしても信じられなかった)


ジーニー: キミ、タバコする? ボク、タバコいい? ごめん、キミの羊毛、焦がしちゃってない、よね? 
あら絨毯、ひさしぶり。ご挨拶、イエイ! ところで、こちらのあなた、前のご主人よりちっちゃいね。
ボクが太ったせいかしら。どう、ボクってスマート?

アラジン: 待ってくれ、ボクが君の主人?

ジーニー: ビンゴ―! なかなか見どころあるじゃない。で、ご主人様? 何をお望み?
ずっと孤独だったボク、いまは自由の身、かわいいコに変身だってできるの。
見せかけじゃなくってホント、万能自在のランプの精、その名もジーニー!
さて、当番組にご来場のみなさま、感謝をこめて、願いごとをかなえてあげる。ハイ、何でもどうぞ!

アラジン: 願いをかなえるって?

ジーニー: ただし願いはきっかり3つだけ。4つにしろはいけません。
3つだけは確実サービス、一回かなえたら、一切やり直しナシ。

アラジン: やっぱしこれは夢なのかも…。

ジーニー: ご主人、どうも理解がいまいちですな。
では歌でご説明しましょう。ゆっくりお聞きください。

(マッチョで陽気な青い魔人は、堰を切ったように大声で歌いはじめた)

ジーニー: アリババと盗賊四十。いかつい体でけんか好き。
ご主人様はお幸せ、向うところに敵はなし。ランプをちょっと擦るだけ、すぐさまボクが現れる。実力最強、なんでもござれの後ろ盾。
ボクはあなたに、骨身惜しまず奉仕する。まずはごちそうめしあがれ。お気の向くまま、ぞんぶんに。

生活すべて満ち足りて、毎日ずっといい気分。そっと教えて、あなたの願い。ボクはあなたの、あなたのしもべ。
サービス満点、至れり尽くせり。あなたはキング、エンペラー。金山銀山、真珠に宝石、食べたり飲んだり、これ極楽。
もっとごちそうめしあがれ。ボクはあなたの、あなたのしもべ。誰もボクにかなわない、誰もボクをしのげない。

自慢じゃないけど、見てみてボクの、ほらほらボクの、無から有、有から無、変幻自在のマジカルパワー。
両目を大きく見ひらいて、信じられぬと言うなかれ。ボクこそ相棒、ボクこそあなたのパートナー。
あなたの夢を、すべての夢を、ボクにまかせて太鼓判。

ボクのハートが止まらない、あなたの望み、あなたの願い、早く知りたい、もう待ちきれなくて。
あなたの願い、三つの願い、ランプをちょっと擦るだけ、すぐさまボクが、心の底から喜んで、あなたにご奉仕キャンペーン。

誰もボクにかなわない、誰もボクをしのげない。ホントにボクこそあなたの、あなたのしもべ。
ご主人、これでおわかりいただけましたか?

アラジン: すると、どんな願いでも三つまでなら叶うというわけだ?

ジーニー: まあそういうことですが、いくつか条件とかがありまして。

アラジン: それは何だい?

ジーニー: その一、人殺しとかはできない。これ願ってもダメ。
その二、他人に自分を好きにさせることはできない。大切なご主人様でもこれはダメ。

その三、死人を生き返らせることはできない。そんな怖いこと願ってもダメ。
ボクもそんなコトやりたくないし。それ以外なら何なりと。


アラジン: それって制限事項? つまりできないってこと? 万能のランプの精とか言って、笑わせてくれるよね。
死んだ者を生き返らすこともできないなんて、語るだけの値打ちもないよね?
これじゃあ、ボクらをここから出すこともできないよ。自分たちで出口をさがすことにしようかな。

ジーニー: ちょっとまった、言ってくれるじゃん。キミたち、ランプを擦ったんだろ? オレを目覚めさせて、呼び出したんだろ? 
それでオレを無視するってか? それはないだろ、そんなことさせてたまるか!
オレを呼びだしたからには、願いは無しってワケにはいかねえんだ、そこに座れ!

えーと、当航空機の非常口は、こちらとこちら。窓から手を出すと非常に危険でーす。それでは、出発進行!

(ジーニーの魔法によって、アラジンたちを乗せた絨毯は一気に洞窟を脱出した)



(一方、こちらは宮殿の広間。ジャスミンの目の前で、国王がジャファーを叱りつけている。
国王はなんとか二人を仲直りさせようとしていた)

国   王 :  ジャファー、こんなに長く宮殿に仕えておるというのに、
わしに相談もせずに罪人を打ち首にするとは何事だ。今後は絶対に許さんぞ。

ジャファー: 陛下、申し訳ございません。もう二度と、このようなことは…。

国   王 :  ジャスミンよ、ジャファーも後悔しておる。もうすべてを水に流してやろうではないか?
ジャファー: 王女様、どうかお許しを。心からお詫び申し上げます。

ジャスミン:  気のすすまない結婚でも、ひとつだけいいことがあるわ。
女王になったら、必ずおまえを宮殿から追い出してみせるわ。

国   王 :  さあ、これで一件落着。さてジャスミン、おまえの結婚のことじゃが、どこへいくジャスミン…ジャスミン!


(ジャスミンはどうしてもジャファーを許すことができなかった。彼女はジャファーを睨みつけると、足早に広間を出て行った。
国王があわてて後を追いかける。あとに残ったジャファーは不愉快そうにため息をついた)

ジャファー: 残念だ…あのランプを手に入れてさえいれば…。

イアーゴ: おまえを宮殿から追い出してみせる、だってさ、やれやれ。
これからオレたち、一生あのクソおやじとじゃじゃ馬におべんちゃら使って生きていかなきゃならないってワケかよ。
どうも合点がいかねえな、何様だと思ってやがる。

ジャファー: あのじゃじゃ馬が女王になったら、わしは追い出される、いや、事によったら首が飛ぶかも知れんな。
イアーゴ: ちょっと待った、ジャファー、あんたが国王になればいいじゃないか?

ジャファー: なんと?
イアーゴ: あんたが王女と結婚すりゃ、あんたが国王だ。

ジャファー: わしがあのじゃじゃ馬と結婚を? ふむ、そいつは悪くない。
イアーゴ: な、名案だろ? そしたら、あのクソおやじとじゃじゃ馬を崖から突き落としてバタンキューだ!

ジャファー: 恐れ入ったぞ、この悪だくみの名人め!

(ジャファーの口元に邪悪な笑みが浮かんだ)