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アラジンは、魔法の絨毯の助けを借りて、雪深い北国からの脱出に成功する。
アグラバに戻ったアラジンは、ジャファーの野望を阻止するため戦いを挑む。
だが、ジャファーの手強い魔法に圧倒されて、窮地に追い詰められてしまう。
そこでアラジンは、ジャファーに最強の存在になるよう願うことを仕向ける。
望み通りの姿になったジャファーだったが、ランプの中に吸い込まれてしまう。
アラジンは、最後の願いでジーニーをランプから解放させて自由の身にする。
国王にも気に入られたアラジンは、めでたくジャスミンと結ばれるのだった。
Al, you're not gonna find another girl like her
in a million years. Believe me, I know, I've looked.
(こんな素敵な女性には、百万年たっても出会えないぜ。
嘘じゃないさ、百万年も生きてるオレが言うんだから)
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【第十一課 第九節】
(阿拉丁清醒过来后,发现自己来到了一片无边无际的冰天雪地。四周昏天黑地,只有雪片被狂风吹得四处乱飞)
阿拉丁 : 阿布!都是我的错。我早就应该让精灵自由了。
(阿拉丁冷得全身发抖着,在风雪中到处寻找阿布。
走到悬崖边上,发现在雪上有一块隆起的地方。阿拉丁急忙挖出来一看,果然找到了阿布)
阿拉丁 : 阿布,你还好吧!阿布,我对不起你,事情都是被我搞砸的。不管有多困难,我一定要回去阻止贾方。
(阿拉丁继续走的时候,突然脚上碰到了什么,低头一看,原来是魔毯的边角。魔毯被压在高塔底下)
阿拉丁 : 魔毯!阿布,快挖!差不多了。
(阿拉丁和阿布跪在高塔底下,铲出积雪,经过一段时间的努力,终于把魔毯救出来)
阿拉丁 : 太棒了!好,我们回阿格拉巴!
(阿拉丁和阿布坐在魔毯一路向阿格拉巴飞去)
(在皇宫,贾方得意地坐在宝座。他把国王变成了一个被丝线操纵的人偶。
国王的嘴里被艾格塞进了大量饼干,他痛苦地沉吟着)
艾 格 : 老秃驴,你要吃饼干吗? 来,这里有饼干,一大堆给你塞进去。给我吃,给我吃下去,给我吃。再吃。
茉 莉 : 贾方,放开他!
贾 方 : 我也不忍心看你落到这个地步。你这朵沙漠之花,应该依靠在全世界最强的男人的臂弯之中。
我说的有道理吗? 你是否愿意做我的皇后呢?
(茉莉的双手戴上了手铐,贾方强迫她成为他的奴隶)
茉 莉 : 休想!
(茉莉拿酒杯泼了他一脸)
贾 方 : 我要叫你如何尊敬…。精灵,我决定许下我最后的愿望…我希望茉莉公主将会疯狂的爱上我。
精 灵 : 我的主人!精灵世界有些规定…有些必要…。
贾 方 : 少啰唆!你这个兰色的魔鬼,你必须按照我的命令行事。狗奴才。
(这时茉莉公主发现,阿拉丁来了)
茉 莉 : 贾方!我从来都没有发现你是如此不可思议的英俊…。
(茉莉知道阿拉丁是来救他们的,她赶紧想办法引开贾方的注意力)
贾 方 : 好极了,来,小野猫。让我多了解你一点儿。
茉 莉 : 你又高又大。
精 灵 : 拉丁,我的好兄弟!
阿拉丁 : 嘘!
精 灵 : 拉丁,我现在没法帮你,我得帮那个大坏蛋做事。你有什么打算?
阿拉丁 : 我是个小混混,记得吗? 我会有办法的。
茉 莉 : 充满了安全感…。
贾 方 : 继续…。
茉 莉 : 还有你那迷人的胡子,可真俏啊。你偷走了我的心。
艾 格 : 贾…。
贾 方 : 那么那只过街老鼠呢?
茉 莉 : 哪一只过街老鼠啊?
(阿拉丁正想拿神灯时,刚好有个吧唧一声盘子落下的声音,
贾方就要转头时,茉莉只好灵机一动,把贾方转过来亲了下去)
贾 方 : 你真是太…。
(这时在茉莉公主头上皇冠里照出人影,贾方发现了阿拉丁的存在)
贾 方 : 是你!你怎么永远也杀不死呢? 臭小子!
阿拉丁 : 去抢神灯!
(茉莉公主赶紧去拿神灯,但贾方举起了魔杖,把茉莉困在在一个巨大的沙漏中,
时间一到,茉莉就会被沙子吞没)
贾 方 : 休想!公主,你的死期到了!
阿拉丁 : 茉莉!
艾 格 : 太准了,贾方!
贾 方 : 你别想耍我!
阿拉丁 : 阿布!
(贾方又把魔杖一挥,将阿布变成了一个击鼓的玩具猴子,与此同时,魔毯也散架成了一堆线球)
贾 方 : 想不到这么容易就收拾你了。
(茉莉公主困在沙漏的沙一直漏下来。贾方还用魔法变出了一圈锋利的剑,
围在阿拉丁周围,阻碍他去救茉莉。阿拉丁拿起一把剑)
贾 方 : 想跟我斗!好戏还在后头呢。
阿拉丁 : 你没有胆子敢跟我较量吧。你这个阴险的东西!
贾 方 : 阴险,你是说我? 也许我要让你知道,我比蛇还要滑头。
(贾方变成了一条巨大的眼镜蛇,冲着阿拉丁猛扑过来)
精 灵 : 拉丁好,拉丁棒!拉丁拉丁呱呱叫!
贾 方 : 你帮谁呀?
精 灵 : 贾方贾方人面兽心!最好失败,爽!
茉 莉 : 阿拉丁!
阿拉丁 : 茉莉,我来救你了!
贾 方 : 小笨蛋!你竟然想打败,全宇宙最强的人…。
(阿拉丁被巨大的眼镜蛇,死死地缠住了)
艾 格 : 挤死他,贾方,把他挤成…。
贾 方 : 没有精灵帮忙,你什么也不是。
阿拉丁 : 精灵!?
(在这个紧要关头,阿拉丁飞快地想到了可以打败贾方的方法。他用嘲笑的语气冲着贾方大喊)
阿拉丁 : 你永远也没有办法强过精灵的。
贾 方 : 什么?
阿拉丁 : 他能赋予你力量,就能把它收回去…。
精 灵 : 拉丁,何必呢? 干嘛拖我下水。
阿拉丁 : 搞清楚,贾方!你并不是宇宙最强的人。
贾 方 : 你说的对,他的力量的确超过我,不过只是暂时的…。
精 灵 : 这孩子他疯了,他不是喝醉了酒。就是给蛇打昏了头。
贾 方 : 奴才!我现在要许第三个愿望…我希望变成一个万能的精灵。
精 灵 : 好吧!你的愿望就是命令,看你干的好事…。
(精灵举起双手,蓝色的烟雾开始弥漫在贾方周围的空气中,
然后,随着一种他们从未见过的魔力进发,烟雾消散时,贾方变成了一个巨大的恶魔般的精灵)
贾 方 : 好,好极了!力量,万能的力量!
(阿拉丁找机会把茉莉公主救出来)
茉 莉 : 你为什么要这么做?
阿拉丁 : 相信我!
贾 方 : 全宇宙都得听我的命令,受我的控制…。
阿拉丁 : 话别说得太早了,贾方!你是不是忘记了一件事了?
贾 方 : 啊?
阿拉丁 : 你虽然已经变成一个精灵,但是你别忘了。
贾 方 : 什么?
阿拉丁 : 精灵没有自由的权力!
贾 方 : 不!不!
(原来,每出现一只精灵,就会相应地出现一盏油灯。
阿拉丁举起油灯对准他,一瞬间,贾方和艾格就被吸入了油灯中)
艾 格 : 我得赶紧离开这里。全能的宇宙的力量,不!我可不要活在…这狭小的空间里。
精 灵 : 拉丁,你这个小鬼真有一套。
(贾方曾经施放的魔发也随着他的消失解除了)
贾 方 : 你的肥脚挡住我的脸了,给我闭嘴,白痴!
艾 格 : 我最讨厌别人叫我闭嘴了!
精 灵 : 交给我吧。关他一万年,他们就吵不起来了。
(精灵拿起装着贾方的灯,就把灯扔到了阿格拉巴城外的沙漠)
阿拉丁 : 茉莉,我很抱歉,我居然骗你,我是个王子。
茉 莉 : 我知道你为什么这么做。
阿拉丁 : 那么,我想该说,再见了…。
茉 莉 : 别在乎那法律,这太不公平了…我爱你…。
精 灵 : 拉丁,别担心 你还有最后一个愿望,你尽管说你要变回王子啊。
阿拉丁 : 不行,精灵。我要还你自由…。
精 灵 : 它不过就是自由两个字嘛,这年头是爱情至上。
拉丁,你再也找不到这么好的女孩了。相信我,我年纪大了,我见多了。
阿拉丁 : 茉莉公主,我真的爱你…可是我也希望,我还是原来的我…。
茉 莉 : 我知道。
阿拉丁 : 精灵,我希望你获得自由!
精 灵 : 让我看看哪一国的王子,这个王子…什么?
阿拉丁 : 精灵,你自由了!
(束缚住精灵手上的手链不见了,精灵成为自由了)
精 灵 : 我自由了,快点,快点!许个实现愿望,跟我要尼罗河。跟我要一条尼罗河,快试试看!
阿拉丁 : 我希望得到尼罗河。
精 灵 : 做梦!哈哈哈!这感觉太棒了,我自由了,我终于自由了!我决定要去环游世界。我…。
阿拉丁 : 精灵!我…。我会想念你的。
精 灵 : 我也是。不管别人怎么说你,在我心中你永远是王子。
国 王 : 说的对!至少在我心目中早已经证明你的价值了,问题是出在法律规定上。
茉 莉 : 父王?
国 王 : 好了,好了,法律不外乎人情了。从此以后呢,公主可以嫁给一个,她认为值得托付终生的人。
茉 莉 : 就是他,就是他…我选择你,阿拉丁。
阿拉丁 : 叫我拉丁。
精 灵 : 你们全都靠过来,来个连环抱呀,连环抱!不介意我亲它一下吧,一嘴毛!
好,我不能再待下去了,免得惹人嫌。我要离开这里了,再见了,一对小恋人。
小魔毯,拜拜,我将会成为历史,不不,是神话,管它是什么呢,我自由了!
获得自由的精灵,离开阿格拉巴,去环游世界,他多年的愿望终于实现了。
阿拉丁一直希望能和茉莉公主幸福地生活在一起。他的愿望也是实现了。
在阳台上,阿布看着他的朋友,国王看着自己的女儿,她最终找到了真爱。
阿拉丁将做新的国王,茉莉在他身边。阿拉丁和茉莉交换了一个眼神,都笑了。
阿格拉巴的未来定是一片光辉灿烂。
去看看这世界,神奇、善良又美丽,放开心灵,去接受另一种人生体验。
看这世界,看这世界,在你身边,在你身边,新的感觉,新的感觉,在你身边…。
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【注 釈】
【搞砸】gǎo zá (=搞糟) ドジを踏む。(made a mess of everything)
<用例> 我怎么搞砸了。又把密码忘记了。(なんてどじなんだ。パスワードをまた忘れた)
【臂弯】bì wān (=胳膊肘) 曲げたひじ (be on the arm)
【太准了】tài zhǔn le (=干得好) 見事なお手際 (nice shot)
【好戏还在后头呢】 (=今后有精彩的表现) これからが本番だ。(just getting warmed up)
【拖我下水】tuō wǒ xià shuǐ (=拉别人做坏事) 巻き添えにする。(bring me into)
<用例>你如果想死就自己去,别拖人下水。 (勝手に死ね、俺を巻き込むな)
【看你干的好事】 (=你这个笨蛋) 何てことをしてくれたんだ。
【别在乎】bié zài hū (=不要放在心上) 気にしないで。
<用例> 别在乎别人看法,相信自己。(人の思惑を気にするな、自分を信じろ)
【连环抱】lián huán bào (=大家互相拥抱起来) ハグ会 (group hug)
【一嘴毛】yì zuǐ máo (=满嘴都是毛) 口の中が毛だらけ。 (hairball)
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【口語訳】
(アラジンが意識を回復すると、目の前に広がっていたのは一面、雪と氷におおわれた極寒の土地だった。
あたりは薄暗く、ただ吹雪が吹き荒れている)
アラジン: アブー! おれがいけなかった。あのときジーニーを自由にしていれば、こんなことにならなかったのに。
(アラジンは、寒さに震え上がりながらも、アブーはどこかと探した。
崖の縁までやって来ると、雪が盛り上がっているところがあった。アラジンが急いで掘ると、アブーが顔を出した)
アラジン: アブー、だいじょうぶか? ごめんよアブー、なにもかもオレのせいだ。
なんとかして戻って、みんなを助けなければ。
(アラジンがなおも雪の中を歩いていると、ふと足に触れたものがあった。
よく見ると、それは絨毯の端っこだった。魔法の絨毯は塔の下敷きになっていたのだ)
アラジン: 絨毯だ、見つけたぞ! アブー、早く掘るんだ! いいぞ、もうすこしだ。
(アラジンとアブーは、懸命に塔の下の雪を掻き出して、ついに絨毯を救い出した)
アラジン: よーし、やったぞ!さあ、アグラバに戻るんだ!
(アラジンとアブーは絨毯に乗り、一路アグラバに向けて飛び立った)
(宮殿では、ジャファーが得意顔で玉座に座っている。国王は、天井から吊り下げられた糸で、操り人形にされていた。
イアーゴが国王の口に、大量のビスケットを押し込んで、なぐさみものにしていた。国王は苦しそうにむせている)
イアーゴ: クソおやじ、ビスケットを食べるか? ほれ、ここに山ほどあるぜ。
さあ、どんどん食べろ。ほれ、どうした、遠慮せずにもっと食え。
ジャスミン:ジャファー、やめさせて!
ジャファー:ジャスミンよ、おまえのそんな姿を見ると、心が痛むわい。おまえのように美しい砂漠の花は、
世界一強い男と結ばれるべきだと思うがのう。どうじゃ、わしの妃にならんか?
(ジャスミンの両手は鎖につながれている。ジャファーは彼女を奴隷になるよう強制していたのだ)
ジャスミン:絶対に嫌!
(ジャスミンはそばにあったグラスを取り、ジャファーに酒をぶっかける)
ジャファー:おのれ!思い知らせてやるぞ。ジーニー、最後の願いだ、ジャスミンに死ぬほどわしを好きにならせるのじゃ!
ジーニー: ご主人様、願い事にはいくつか禁止事項がございまして…。
ジャファー:口ごたえするな、この青ぶくれめ! わしの言う通りにするんだ。
(この時、ジャスミンは、宮殿のなかにアラジンが忍んで来ているのを発見した)
ジャスミン:ジャファー! あたし、気がつかなかったわ。あなたって、とてもハンサムだったのね…。
(ジャスミンはアラジンが救いに来たのを知り、とっさにジャファーの気を引こうと芝居を始めた)
ジャファー:よくやった。さあ、可愛い子ちゃん、もっとおまえの気持ちを話すのじゃ。
ジャスミン:あなたって背が高くて、たくましくて。
ジーニー: アラジン、無事だったのか!
アラジン: しっ!
ジーニー: アラジン、オレ残念だけどキミの力になれないよ。あの悪党がご主人なんだ。どうする?
アラジン: オレはドブネズミだぜ。まかしときな。
ジャスミン:頼りがいがあって…。
ジャファー:続けるがよい…。
ジャスミン:そして、きりりとした素敵なおヒゲ、とても魅力的よ。
イアーゴ: ジャ…。
ジャファー:ではあのドブネズミはどうじゃ?
ジャスミン:ドブネズミって誰のこと?
(アラジンがまさにランプを奪おうとした時、ガシャンと皿の落ちる音がした。
ジャファーが振り向く寸前、ジャスミンがジャファーの口をキスでおおった)
ジャファー:うーむ、なかなかよろしい…。
(だがこの時、ジャスミンの被った王冠にアラジンの影が映り、ジャファーに発見されてしまう)
ジャファー:きさま! 何度殺せばくたばるんだ!
アラジン: ジャスミン、ランプを奪うんだ!
(ジャスミンが急いでランプに駆け寄った時、ジャファーが魔法の杖を掲げた。
すると巨大な砂時計が出現してジャスミンを閉じ込めてしまった。
このまま時間が経つと、ジャスミンは砂にのみ込まれてしまう)
ジャファー:ジャスミン、時間切れだったな!
アラジン: ジャスミン!
イアーゴ: やったぞ、ジャファー!
ジャファー:わしを甘くみるなよ!
アラジン: アブー!
(ジャファーがまた杖を振ると、アブーがシンバルを打つおもちゃのサルに変身した。
さらに絨毯もほぐされて糸のかたまりになってしまった)
ジャファー:ふん、たわいもないやつらだ。
(ジャスミンが閉じ込められた砂時計の上からは、砂がとめどなく落ち続けている。
アラジンは、ジャスミンを救いに駆け寄ろうとしたが、ジャファーは、杖から何本もの剣を出し、
アラジンの前に突き立てて、彼をはばんだ。アラジンは一本の剣を手に取った)
ジャファー:わしと闘うつもりか? 面白い場面が見られそうだな。
アラジン: オレと戦うのが怖いんだな、陰険なヘビ野郎!
ジャファー:わしが陰険だと? よかろう、見せてやろう、ヘビよりも陰険なわしの恐ろしさをな。
(ジャファーは、一匹の巨大なコブラに変身し、アラジンに襲い掛かって来た)
ジーニー: アラジン、がんばれ、チャチャチャ!
ジャファー:おまえは誰を応援しているのだ?
ジーニー: 冷酷非情のジャファー、がんばれ、あんたが負けたら、これ最高!
ジャスミン:アラジン!
アラジン: ジャスミン、今助けるぞ!
ジャファー:愚か者め! 世界でいちばん強いオレ様を、倒せると思うのか!
(アラジンは、巨大なコブラにグルグル巻きにされ、身動きできなくなった)
イアーゴ: 締め殺しちまえ、ジャファー、締め殺すんだ!
ジャファー:アラジン、ジーニーがいなくては、おまえなどクズ同然だな。
アラジン: ジーニー!?
(最後の瀬戸際で、アラジンはジャファーを打ち破る秘策を思い付いた。
彼は挑発するようにジャファーに向かって叫んだ)
アラジン: だが、おまえよりジーニーの方がもっと強いぞ!
ジャファー:何だと?
アラジン: ジーニーがその気になれば、おまえなんかイチコロさ。
おまえの力もジーニーから与えられたものに過ぎないんだ。
ジーニー: アラジン、急に何を言うんだよ、オレを巻き込むなよ。
アラジン: ジャファー! おまえはしょせん、二番目ってことさ。
ジャファー:その通りかも知れんな。確かにジーニーの力はわしよりも上、だが、それもいまだけのこと…。
ジーニー: あいつ、あんたのパンチをくらって、アタマがイカれてるんですよ。
ジャファー:おい、そこの青ぶくれ! 第三の願いを言うぞ! このわしを、世界で最強のジーニーに変えるのだ!
ジーニー: しかたない、ご主人様。おおせの通りに。アラジン、おまえのせいだぜ。
(ジーニーが両手を挙げると、青い煙がジャファーを取り巻き、強烈な魔力が炸裂した。
煙が晴れると、そこには悪魔のような巨大な魔人がそびえ立っていた)
ジャファー:よし、いいぞ、絶大なパワーがみなぎってきたぞ!
(アラジンはすきを見てジャスミンを救い出した)
ジャスミン:あなた、なんてことを?
アラジン: ボクを信じるんだ!
ジャファー:これで宇宙はわしのものだ! わしはあらゆるものの支配者になったぞ!
アラジン: 喜ぶのはまだ早い、大事なことを忘れてるぞ、ジャファー!
ジャファー:何だと?
アラジン: ジーニーのすべてを受け継いだからには、忘れてはならないことがある。
ジャファー:何のことだ?
アラジン: ジーニーには自由がないってことさ!
ジャファー:何? おい、やめろ! やめてくれ!
(新たにジーニーが現れると、それに応じて、またひとつ新しいランプが出現するのだ。
アラジンがランプをジャファーに向けた瞬間、ジャファーとイアーゴはランプの中に吸い込まれてしまった)
イアーゴ: オレはずらかるぜ、何が宇宙パワーだ! オレはごめんだぜ!こんな狭いトコはまっぴらごめんだ!
ジーニー: アラジン、キミはまったく天才だよ!
(ジャファーが消えると同時に魔法が解け、アブーも絨毯も、すべてが元通りになった)
ジャファー:イアーゴ、デカい足をわしの顔に向けるな!
イアーゴ: うるさい、オレは人に指図されたくねえんだ!
ジーニー: オレに任せろ。連中には一万年ほど閉じこもってもらおう。そうすりゃ、アタマも冷えるってもんだ。
(ジーニーは、ジャファーのランプを手に取ると、アグラバの街のはるか向こうの砂漠へ放り投げた)
アラジン: ジャスミン、ごめんよ、王子だなんて嘘をついて。
ジャスミン:いいの、わかってる。
アラジン: じゃあ、これでお別れだな、元気でな…。
ジャスミン:あんな法律ひどすぎるわ、私…あなたを愛してるの。
ジーニー: アラジン、安心しろ、まだ最後の願いが残っているよ。さあ、それで王子に戻れよ。
アラジン: いや、ジーニー。ボクはキミを自由にするよ。
ジーニー: 自由なんてのは、ただのセリフにすぎないさ。やはり大事なのは愛情だ。
こんな素敵な女性には、百万年たっても出会えないぜ。嘘じゃない、百万年生きてるオレが言うんだ。
アラジン: ジャスミン、キミを愛してる。でも…ボクは、本来のボク自身でいたいんだ。
ジャスミン:わかってる…。
アラジン: ジーニー、ボクは君が自由になることを望む!
ジーニー: どの国の王子がいいんだ…えっ?
アラジン: ジーニー、君は自由だ!
(たちまちジーニーを拘束していた両手の腕輪が滑り落ち、彼は自由になった)
ジーニー: ああ、自由になったぞ、自由だ、自由だ!
早く、早く何か願ってみてくれ、ナイル川がほしいとか、言ってみてくれ!
アラジン: ボクはナイル川がほしい。
ジーニー: いやなこった!ワハハ! 一度でいいから「お断り」のセリフを言ってみたかったのさ。
やった、自由だ、気分最高! さあ、旅に出るぞ! 世界を見に行くんだ。…アラジン…オレ…。
アラジン: ジーニー! いよいよお別れだな…。
ジーニー: アラジン、誰が何と言おうと、キミはオレにとって永遠の王子様だぜ。
国 王: その通りじゃ! アラジン、君は王子として充分にふさわしい若者じゃ。悪いのはあの法律じゃな。
ジャスミン:お父様?
国 王: よいよい、法律は、ほかでもない、人の心が原点じゃ。
本日ただいまより、王女は自分が認めた相手と結婚してよいこととする!
ジャスミン:あなたよ、アラジン! 私は、あなたと結婚します!
アラジン: ラディンと呼んでいいよ。
ジーニー: いやあ、よかった、よかった。さあ、みんなで輪になってお祝いしよう! みんなにキスしちゃおうかな?
うえっ! アブ―、キミは、けっこう毛だらけなんだな!さあ、オレがいつまでいては、みんなの邪魔になる。
そろそろ出発しなくては、バイバイみんな、そこの熱々のお二人さん、これでハッピーエンド、じゃない、はじまりだね。
絨毯よ、これでお別れだ。オレの名はきっと歴史に残るぜ、いや、それとも神話かな、ええい、そんなことどうでもいい、
とにかくオレは自由だ! 自由になったんだ!
自由を獲得したジーニーは、アグラバの街を離れ、世界旅行に旅立った。彼が長年抱いていた夢はついに実現した。
アラジンの願いはジャスミンと幸せになることだった。彼もまた自らの夢を実現した。
バルコニーでは、アブーが最愛の女性を射止めた友を、そして国王が真の愛を見つけた娘を見守っていた。
やがてアラジンはジャスミンと結婚し、王位を継ぐことになる。ふたりは目を見交わし、にっこり笑った。
アグラバの街には、明るく輝かしい未来が待っているのだ。
見てごらん 目の前の世界を 不可思議で 煌めいて そして美しい
心を開いて さあ身をまかせよう 新たな世界に
見てごらん 目の前の世界を 二人だけの 夢の世界
はっきり感じられる この胸のときめき 今君と二人で…
ディズニー長篇アニメーション 「アラジン」 - 完 -
<中文剧名> 「阿拉丁」
<英文剧名> 「Aladdin」