ギリシア神話事典  

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ギリシア神話のふるさとは、海も空も青く明るい、東地中海につきでたバルカン半島の南の部分と、そのまわりのエーゲ海に浮かぶ無数の島々です。

ギリシア神話は、ギリシア各地に伝えられてきた神々と人間の物語です。

ギリシアは海岸まで、山がせまっていて、陸地での行き来がむずかしいので、小さな地域ごとにわかれて、それぞれがポリスという都市国家をつくっていました。

人々の心をギリシア人として、ひとつにつないだもの、それが共通の神話、オリュンポスの神々を中心とする神話でした。



  視(み)よ すべての初めにありしもの そは混沌なり   
     
  混沌より大地は生まれ   
     
  そは雪を戴くオリュンポスの 峯に在 (ましま) す神の御座となりぬ   
     
  やがて大地は 己 (おの) が姿にかたどりて    
     
  彼の星をちりばめし  天を創造 (つく) り給 (たま) へり   
     
  そは隈なく  地を覆い囲 (めぐ) らして    
     
  幸いある神々の 揺るがぬ永久 (とわ) の御座となりぬ   
     
             ヘシオドス (Hesiodos)  『神統紀 Theogonia 115-130 』  
 
 
 
 
 参考文献
 ヘシオドス(Hesiodos)『神統紀 Theogonia』岩波文庫
 ホメロス(Homer)『イリアス Iliad』『オデュッセイア Odysseia』岩波文庫
 アポロドロス(Apollodoros)『ギリシア神話 Bibliotheke』岩波文庫
 パウサニアス(Pausanias)『ギリシア案内記 Periegesistes Hellados』岩波文庫