タイムカプセル (54) 平成20年 (2008年)  タイム・カプセル 

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この年、北京で第27回オリンピックが開催され、史上最多の204ヶ国が参加した。(8/8〜8/24)

日本選手のメダル獲得は金9、銀6、銅10。競泳の北島康介がアテネ五輪に続き、百メートル、二百メートル平泳ぎで2冠を達成。
柔道の内柴正人、谷本歩実、上野雅恵、レスリングの吉田沙保里、伊調馨各選手も連覇した。ソフトボールは初優勝を飾った。

(映画)第81回アカデミー「スラムドック$ミリオネア」

東宝「崖の上のポニョ」 東宝「花より男子ファイナル」(井上真央、松本潤、小栗旬、松田翔太)松竹「母べえ」(吉永小百合、浅野忠信)松竹「おくりびと」(本木雅弘広末涼子)ギャガ「蛇にピアス」(吉高由里子、高良健吾)

(音楽)第50回日本レコード大賞「Ti Amo」EXILE

「truth/風の向こうへ」「One Love」「羞恥心」羞恥心「崖の上のポニョ」藤岡藤巻と大橋のぞみ「陽は、また昇る」アラジン 「海雪」ジェロ「そばにいるね」青山テルマ feat.SoulJa「love the world」Perfume 「吾亦紅」すぎもとまさと「DON'T U EVER STOP」KAT-TUN 「雨の降らない星では愛せないだろう」モーニング娘。
「微風(そよかぜ)」安倍なつみ&TOSHI


(テレビ)篤姫(NHK 宮崎あおい)猟奇的な彼女(TBS 草なぎ剛)モンスターペアレント(フジ 米倉涼子、平岡祐太、草刈正雄)CHANGE(フジ 木村拓哉、深津絵里、寺尾聰)ごくせん3(日テレ 仲間由紀恵、生瀬勝久、三浦春馬)ラスト・フレンズ(フジ 長澤まさみ上野樹里)流星の絆(TBS 二宮和也、錦戸亮)コード・ブルー -ドクターヘリ救急救命-(フジ  山下智久、新垣結衣戸田恵梨香薔薇のない花屋(フジ 香取慎吾、竹内結子、八木優希)太陽と海の教室(フジ  織田裕二、北川景子)風のガーデン(フジ 中井貴一、黒木メイサ)斉藤さん(日テレ 観月ありさ、ミムラ)ROOKIES(TBS 佐藤隆太、市原隼人)人生が変わる1分間の深イイ話(日テレ  羽鳥慎一、チュートリアル)ヒットメーカー 阿久悠物語(日テレ 田辺誠一、内田朝陽、及川光博)



                           



(流行語)「あなたとは違うんです」「アラカン」(アラウンド還暦)「アラサー」(三十歳前後)「アラフォー」(四十歳前後)

 (スポーツ) 3/20 浅田真央、世界フィギュアスケート選手権・女子シングルで初優勝。9/17 イチロー選手、大リーグタイ記録の8年連続200安打。

(社会)1/22中国製ギョーザ食中毒事件 1/27大阪府知事に弁護士でタレントの橋下徹氏初当選 2/7力士急死で元時津風親方ら逮捕 2/23三浦和義元社長を逮捕、81年に妻殺害容疑 6/8東京・秋葉原で無差別7人殺害 8/8北京オリンピック 9/24福田首相が突然の退陣表明、後継は麻生首相 10/10三浦和義、身柄移送先のロサンゼルスで自殺を図り死亡 11/4小室哲哉容疑者逮捕、音楽著作権売却話で詐欺。

(物故)広川太一郎、川内康範、緒形拳、三浦和義、フランク永井、筑紫哲也、遠藤実、飯島愛、赤塚不二夫

(その他)2/16 オダギリジョー(32)、香椎由宇(21)と結婚。2/29 中村獅童(35)、竹内結子(27)と離婚。3/13 広末涼子(27)、岡沢高宏(32)と離婚。3/6 川畑要(29)(CHEMISTRY)、モデルの高橋美紀(29)と結婚。7/31 相田翔子(38)(Wink)、医師の相沢宏光(37)と結婚。

10/14 リア・ディゾン(22)、スタイリストのBUN(29)と結婚。10/23 長谷川京子(30)、ポルノグラフィティの新藤晴一(34)と結婚。11/1 佐々木希、映画「ハンサム スーツ」で女優デビュー。11/8 武井咲(15)、松竹「櫻の園」で女優デビュー。はるな愛(36)、松浦亜弥の口パクモノマネでブレイク。

「スピード社水着」「振り込め詐欺」「iPhone 3G」「花畑牧場生キャラメル」「AQUOS」「ブルーレイ・ディスクレコーダー」「タスポ」「森永ウイダー」



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                                薔薇のない花屋 テーマ曲








薔薇のない花屋


汐見英治(香取慎吾)は、東京の下町で小さな花屋を経営している。

彼は、早くに妻を亡くし、男手一つで娘・雫(八木優希)を育ててきた。


ある日、一人の女性が降り出した雨を避けて店に駆け込んでくる。

彼女は、白戸美桜(竹内結子)といい、盲目で白い杖を携えていた。


この出会いをきっかけに、英治と美桜はしだいに心を通わすようになる。

やがて英治は、美桜の目が手術をすれば見えるようになることを知る。




そして、花屋を人手に売り、美桜のために手術費用を用意しようとする。

だが、美桜の目が見えないのは、じつは嘘で、英治を騙そうとしていたのだ。



花屋を営み、男手一つで娘を育てる主人公を軸に、様々な人間模様が描かれるヒューマンドラマ。



看護師の美桜が目の見えないふりをしているのは、安西病院長(三浦友和)の命令だった。

美桜は、英治を訳あって憎んでいる病院長から、英治を誘惑し騙してほしいと頼まれていた。


病院長の命令に従っているのは、美桜の父親が難病で入院しているからだった。

たが、騙すつもりで盲目のふりをして近付く美桜は、英治に次第に惹かれていってしまう。



ドラマの中では、父と娘の様々な愛の姿が描かれる。

血の繋がっていない英治と娘・雫の物語、難病を抱える父親と美桜の物語、
そして、英治を訳あって憎んでいる病院長・安西とその娘(雫の母親)の物語。


英治と美桜の純愛を軸としながらも、全体的に、父娘の愛情の描写の比重が大きい。


たった一人で血の繋がらない娘・雫を育ててきた英治。
雫の祖父でもある安西からの憎しみを一身に負って、それでも静かに耐えてきた英治。


美桜との出会い、愛して、裏切られて、それでも全身で美桜を愛し続ける英治。
雫の将来を思い、美桜の父への願いを思い、英治はそのたびに自分が犠牲になる道を選んでいく。


無償の愛というものがあるとすれば、英治の愛し方はまさにこれだろう。
家族愛からはじまり、果ては人間愛へとつながっていく大きなテーマを描いた作品である。








     



森永ウイダー 


森永製菓が発売している健康・栄養食品「森永ウイダー」のCM。

浜田雅功、浜崎あゆみ、山下智久という3人の豪華キャストが話題となった。


見所は、タクシーの中で、のんきな浜田部長に、部下のあゆが気合を入れる場面。

猛ダッシュで、町中を必死こいて走る浜ちゃんの姿が見もの。














モンスターペアレント


若手ながらその美貌と手腕で業界でも知られた弁護士・高村樹季(米倉涼子)は、

上司の依頼で市の教育委員会へ向かう。


職員の望月(平岡祐太)に案内されていった小学校は「モンスターペアレント」による

学級崩壊寸前の学校だった。


樹季が目にしたのは、「娘が写っている遠足の写真が少ない」といった些細な理由で、

執拗な抗議を繰り返す保護者たちの姿だった。





彼らは先生を先生と思わず、「あんたなんか教師失格だ!」「教師を辞める誓約書を書け!」

などと何時間も罵声を浴びせるのだ。

教育と学校経営も滅茶苦茶にされ、心を病んでしまう教師も少なくないという。


当初は乗り気でなかった樹季だが、教育現場の実態を目の当たりにして、次第に

モンスターペアレントたちと真剣に向き合っていこうと決意するのだった。



モンスターペアレント、略して「モンペア」は、理不尽な要求を繰り返す保護者のことらしい。

主演の米倉涼子 は、そんな「モンペア」対策のために、教育委員会に雇われた弁護士という役柄。


モンペアに対して、校長と担任教師が「ご無理ごもっとも」と、ひたすら卑屈に対応する場面など、
大変リアルで、実態を鋭く突いていると思われる。


教育委員会のほうも、不甲斐ない事このうえない。弁護士を雇っておきながら、仕事のやり方に
いちいち口をはさむばかりで、自分たちは何もしないのだ。


モンペアと真っ向から対決する弁護士の活躍を期待した視聴者は肩透かしを食うことになる。

いきおい孤軍奮闘となった弁護士は前半、モンペアにやられっぱなしになってしまうからだ。


何よりも、自己主張ばかりで他人の言葉に耳を傾けようともしない、こんな親に育てられる子供は
将来どうなってしまうのか、それが一番の気がかりだ。














プリズナー


とある事件がきっかけで教師の職を辞した井沢圭吾(玉山鉄二)


大学時代の先輩で、東南アジアの小国セライビアで孤児院を経営している譲原(中村俊介)を訪ね、

しばらくは孤児院を手伝うことに。


そんな中、譲原は資金を提供してくれるというジョイという男の口車に乗せられ、全財産を失う。

圭吾はジョイに金の返却を求めるが、警察に裏金を払ったジョイの策略により、逮捕されてしまう。

獄中で絶望に陥っていた圭吾は、同房の謎の男ポン(大森南朋)から脱獄計画を持ちかけられるが…。





東南アジアのある国で、無実の日本人が誘拐未遂の罪を着せられ収監されてしまう。

物語は、だましだまされの頭脳戦で監獄から脱出する元教師、圭吾(玉山鉄二)の
戦いをスリリングに描くサスペンス。


屋外シーンはすべてタイ・パタヤ周辺での撮影で、日本とタイ合同チームによる、
約一カ月の長期ロケを敢行した。


ドラマは、警官の汚職、本来なら力になってくれるはずの日本大使館の事なかれ主義も
きっちり描かれ、回を追うごとに、サスペンスが盛り上げる構成となっている。


原作は、作家の沢井鯨がカンボジアで半年間、いわれなき罪で投獄された体験を
小説化した「プリズナー・イン・プノンペン」


息が詰まるような臭気と絶望の空気が、すぐ身の回りにあるような圧迫感を覚える。
警察や裁判所も金次第という「システム」も、真に迫って恐ろしい。


ドラマでは、舞台を架空の国「セライビア」に移し、物語を大幅に入れ替えた。

原作で大きな意味を持つポル・ポト時代の大量虐殺の傷跡には触れられない。


代わりに、原作には登場しないリゾート開発を巡る中国系投資会社の暗躍など
新たな伏線を張り巡らせ、サスペンス色を強めている。


普段我々が生きている世界が、いかに安心安全であることか再認識させられる。
原作もドラマも平和ボケの頭には強烈だ。
















ごくせん3


久美子(仲間由紀恵)は、ヤクザ集団・大江戸一家の一人娘である。

だが、ヤクザを継ぐ気はない。

小さい頃から教師になるのが夢だったため、教師の資格を取得した。



一方、赤銅学院高校では、手のつけられないワルばかりが集まった3年D組に手を焼いていた。

教頭の猿渡(生瀬勝久)は、久美子に、この不良クラスをまとめるよう依頼する。






「ごくせん」は、熱血女教師・山口久美子と生徒たちの交流を描く学園青春ドラマ。


生徒に「ヤンクミ」とあだ名で呼ばれる彼女の夢は「生徒と心の汗を流す」ことだ。

任侠一家の一人娘として育った彼女は義理人情に厚く、どんな生徒とでも、腹を割って
話せばわかり合えると信じている。


担任の生徒が暴力事件を起こそうと、警察沙汰になろうと、生徒は悪くないことを
一分たりとも疑わない。


彼女が生徒たちに認められたのは、教師としてではなく「仲間」としてだった。

人生の先輩でも、教育者でもない。生徒と同じ目線で向き合い、語り、見守る。

そして、弱い者いじめをしない、人を裏切らないといったシンプルなメッセージ
だけを一生懸命に伝えるのだ。


不良の巣窟であった3年D組の生徒たちは、まっすぐぶつかってくる久美子を見るうちに、
次第に彼女の言葉を受けて自分を見つめ直すようになるのだった。


こうした生徒たちの葛藤と成長も見どころになっている。

本作は、好評につきシリーズ化され、生徒役は若手俳優の登竜門と言われた。



学園ドラマでは、過去さまざまな型破りの教師が登場しているが、2011年にオリコンが調査した
「最高の教師ランキング」では、山口久美子が、3年B組の坂本金八に次いで2位を獲得した。

(3位は、GTOで反町隆史が演じた鬼塚英吉、4位は熱中時代で水谷豊が演じた北野広大)












     



ヒットメーカー 阿久悠物語


生まれ育った瀬戸内の淡路島から上京し、明治大学を卒業した阿久悠(田辺誠一)が、
小さな広告代理店に入社したのは、1959年(昭和34年)のことであった。


やがて、副業として手掛けたCM音楽制作が軌道にのった阿久は、広告代理店を退社し、
フリーの作詞家として本格的に活動をスタートした。


その頃、テレビ業界では、自らの手でスターを発掘・育成する番組を立ち上げる
必要に迫られていた。


当時の芸能界は、沢田研二や小柳ルミ子、天地真理ら人気スターを多く擁する
渡辺プロ抜きには歌番組が成立しないという状態が長く続いていたからである。

そして、芸能界をガラス張りにしたいと訴える阿久のアイデアで生まれたのが、
オーディション番組「スター誕生!」だった。


この番組の特長は、決勝大会に出場したスター予備軍を、複数のプロダクションの
スカウトマンが会場で指名するプラカード方式を採用したことだ。


この企画は当たり「スタ誕」には、スターを夢見る約200万人が応募。
テレビ予選には5500人が参加、423人が決勝大会に出場した。

決勝大会では、プロダクション、レコード会社がスカウトする形で札を上げ、
桜田淳子には25社、山口百恵に20社、森昌子は13社が名乗りでた。

その結果、渡辺プロの一強が崩れ、スター歌手は中小の芸能プロからも生まれていった。




阿久悠が企画した番組「スター誕生!」を中心に、阿久の人生を振り返ったテレビドラマ。

阿久が世に送り出した楽曲は5000曲ともいわれる。彼の作詞家としての生涯を追いながら、
歌謡曲が最も華やかだった時代の知られざる人間模様が描かれている。


見どころは、山口百恵の審査時に、阿久悠が百恵を酷評する場面である。

「君は、歌はあきらめたほうがいい…」 審査員の評価だけなら百恵は落選であった。

だが「スタ誕」の審査方法は票の半分を会場客が持っていた。
その結果、山口百恵は阿久の評価とは対照的に、会場の圧倒的支持を得て合格となる。


百恵が歌手デビューした後も、阿久は生涯楽曲を彼女に提供することはなかった。

そしてドラマの圧巻は、阿久が手掛けたピンク・レディと百恵のレコード大賞対決となる。