テイアTheia
ガイアとウラノスの娘。 ティタン神族。兄弟のヒュペリオン(Hyperion)との間にヘリオス、セレネ、エオスを産んだ。
ディアナ(Diana) → アルテミス
ティアマットTiamat
バビロニア・アッシリア(Babylonia and Assyria)神話の原初の海の女神。
淡水の人格神アプス(Apsu)とティアマットが溶け合ったとき、ラフム(Lahmu)とラハム(Lahamu)というへびの夫婦が生れ、
そのへび夫婦からアンシャル(Anshar)とキシャル(Kishar)が、さらに彼らから天空神アヌ(Anu)、知恵の神エア(Ea)が生れた。
ティアマットは世界を生んだ女性的要素と考えられる。
若く元気な新世代の神々はアブスとティアマトを悩ませた。ふたりは太初の静寂が恋しかった。
アブスは若い神々を殺そうと提案したが、ティアマトは自分たちが作ったものを死なせるのは忍びないと考えた。
しかしアプスは他の神々を自分で殺そうと決意した。
アプスの企みを知ったエアは彼を殺し、自らが水の神となった。
エアと妻のダムキナ(Damkina)は息子をもうけた。強大な神マルドゥクである。
彼は遊び相手として風を与えられると、ティアマトの水に嵐を引き起こした。
彼女は怒り、殺された夫アブスの復讐を決意する。
メソポタミアの創世神話エヌマ・エリシュ(Enuma Elis)では、マルドゥクはティアマトに戦いを挑み、征伐した彼女の遺骸から天地を創造したという。
マルドゥクはティアマトを二つの部分、すなわち天の水(雨雲)と地の水(河と海)に分割した。
「神は、おおぞらを造って、おおぞらの下の水とおおぞらの上の水を分けられた」(創世記 第1章7節)
The Woman's Encyclopedia of Myths and Secrets(Barbara G. Walker)
ディアン・ケヒトDian Cecht
ケルト神話のダーナ伝説(Danann cycle)に登場する医術の神で、女神ダヌ(Danu)の息子。
マグ・トゥレド(Mag Tuired)の戦いで片腕を失ったダーナ神族の王ヌアダに銀の腕を作った。
また第2次のマグ・トゥレドの戦いにおいては、3人の息子たちとともに治癒の泉を作り、負傷者の治療を行った。
しかし、非常に嫉妬深く、自分より優れた治療技術を示した息子ミアハ(Miach)を殺害するなど激しい一面を持つ。
Dictionary of Celtic Myth and Legend(Miranda J. Green)
デイダメイアDeidameia
スキュロス島(Skyros)の支配者であったリュコメデス王(Lykomedes)の娘。
アキレウスがテティスのすすめに従い、トロイ戦争への参加を免れるために、女装してリュコメデスの宮廷に身を隠したとき、彼の種を受け、ネオプトレモス(Neoptolemos)を産んだ。
(アポロドロス 第三巻 13-8)
ディオスクロイDioskuroi
ゼウスの息子たちの意。カストルとポリュデウケスを指す。
ディオニュシオス1世Dionysius I of Syracuse(BC432〜BC367)
シチリア島の都市シラクサを支配した王。(在位BC405〜BC367)
カルタゴの勢力がシチリア島へ及ぶことに抵抗して、シラクサをギリシア植民都市の中でも最も有力なものに成長させた。
太宰治の小説「走れメロス」の暴君ディオニス(Dionys)のモデルとして知られる。
(The Encyclopedia Britannica)
ディオニュシオス2世Dionysius II of Syracuse(BC397〜BC343)
シチリア島の都市シラクサを支配した王(在位BC367〜BC344)
父ディオニュシオス1世の跡を継ぎ、カルタゴと和平を締結。
哲学研究を好んでプラトンなど著名な哲学者を宮廷へ招いた。
有名な故事「ダモクレスの剣」 (Sword of Damocles)に登場する王としても知られる。
(The Encyclopedia Britannica)
ディオニュソスDionysos
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葡萄と祝祭の神。
本来トラキア、マケドニアの、集団的狂乱と陶酔を伴う秘儀における神であった。
ギリシアに伝播し主に女性の間で熱狂的な崇拝を受ける。
ギリシア演劇は、ディオニュソス神の祭儀から発達した。
テバイ王カドモスは、女神ハルモニアと結婚して、稀代の美女となる娘セメレを生んだ。
浮気者のゼウスは、嫉妬深いヘラの目を盗んで、セメレを愛人とし、子供を設けた。
この神と人間から生まれた子供が、葡萄と祝祭の神ディオニュソスである。
ディオニュソスの生誕は通常の出産とは異なって、ゼウスの太腿から産まれるという奇妙なものであった。
ゼウスの度重なる不倫に対して、嫉妬の情念を燃え上がらたヘラは、ゼウスの愛人となったセメレを恨み、セメレの生命を奪うことを画策する。
この謀略によって、ディオニュソスはセメレの腹からではなく、ゼウスの太腿から産まれることになる。
ヘラは、セメレを育てた乳母の姿に変身してテバイの宮殿へと赴き、セメレに次のような言葉を巧妙に吹き込む。
『もし本当に大神ゼウスであるというならば、その高貴な姿を一瞬でも見せて欲しいとお願いしてみたらどうか』
セメレはその言葉にあっさり頷くと、その夜訪れたゼウスにねだった。
ディオニュソス
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ディオニュソス劇場Theatre of Dionysos
アテネのアクロポリスの丘の南麓にあるギリシア最古の野外劇場。
紀元前六世紀ごろ建造された。
当初は木造の観客席で、収容人数約一万五千人ほど。
紀元前350年ごろには石造りに改築され、約一万七千人を収容できるようになった。
悲劇は通常三部作の形をとり、一日のうちに上演された。
役者は男性で、仮面を替えることにより、一人で何役も担当。
コロスと呼ばれる合唱隊も、重要な構成要因であった。
舞台の背後には、ギリシア神話の酒神ディオニュソスを主題とした彫像とレリーフがある。
上演される作品は、ワインと豊穣の神に捧げられており、ディオニュシア祭(Dionysia)の開催地でもあった。
アイスキュロス、ソフォクレス、エウリピデス、アリストファネスといった古代の劇作家はこの祭りで作品を競った。
(Wikimedia Commons『Theatre of Dionysus』)
ディオネDione
1 オケアノスとテテュスの娘。(オケアニド Oceanid 海のニンフ)(ヘシオドス353)
(一説では、ガイアとウラノスの娘。アポロドロス 第一巻 1-3)
ホメロスによれば、ゼウスと交わり、アフロディテを生んだとされる。(イリアス 第五歌 370)
2 リュディア(Lydia)のトモロス山(Tmolos)のニンフ。(オレアド Oread 山のニンフ)
タンタロスとの間に、ペロプス(Pelops)とニオベ(Niobe)を儲けた。
ディオメデスDiomedes
アルゴス王。トロイ戦争のギリシア軍中、アキレウスに次ぐ勇将。テュデウス(Tydeus テバイ攻めの七将の一人)の子。
アルゴス兵を満載した軍船80隻を率いて出陣した彼は,アキレウスの一時的戦線離脱の間、ギリシア軍の大黒柱として奮戦した。
トロイ方の多数の将兵を討ったほか、女神アテナの助けを得て、軍神アレス、女神アフロディテにまで手傷を負わせた。
ホメロス以後の伝承でも,彼はオデュッセウスと協力し、弓の名手フィロクテテス(Philoktetes)をレムノス島からトロイの戦地に連行したほか、
城内のアテナ神殿からトロイの命運がかかったパラディオン( Palladion アテナ女神像)を盗み出すなど、ギリシア軍の勝利に多大の貢献をなした。
(アポロドロス 第三巻 7-2,E3-12,4-2,5-8,5-13)
2 好戦的なトラキア王。人食い馬の餌に人肉を与えていた。ヘラクレスに殺され、自分の馬の餌となった。
ディケDike
「正義」の意。ホーラの一人。
ティスベThisbe
森で落ち合う約束をしたピュラモス(Pyramos)とティスベ。先に着いたティスベはトラに遭遇し、スカーフを残して逃げ去る。
あとに着いたピュラモスは、スカーフに付いた血を見て自らの剣で自害。戻ってきたティスベも死んだピュラモスを見て自害する。
(オウィディウス「変形譚 Metamorphoses」)
ティターニアTitania
シェイクスピアの喜劇「真夏の夜の夢」に登場する妖精の女王。
彼女は妖精王オベロン(Oberon)の妻である。
ティターニアという名前は、古くは古代ローマの詩人オウィディウス(Ovidius) の作品に登場し、そこでは月と狩猟の女神ディアナ(Diana)の別名として使われている。
しかしシェイクスピアの描くティターニアは、一般によく知られている女王マップ(Mab)よりも威厳に満ち、見事な衣装を着た廷臣たちにかしずかれている。
彼女はとても活動的で、お供をする花の妖精たちといっしょに月明かりの中魔法を紡ぎだすが、それでもやはりオベロンには、はからずも魔法をかけられたりだまされたりすることがある。
Spirits, Fairies, Gnomes, and Goblins (Carol Rose)
ティタノマキアTitanomachia
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クロノス率いるティタン神族と、ゼウスが率いるオリュンポス神族が覇権をあらそった十年戦争。
長期に渡って膠着状態が続いたが、タルタロスに閉じ込められているキュクロプスとヘカトンケイルを解放して味方とするようにガイアが助言をしたことでオリュンポス側の勝利に終わる。
戦いに負けたティタン神族の一人だったアトラス(イアペトスの子)は世界の果てで未来永劫に天空を担ぐ罪を受け、その他のティタン神族はタルタロスに閉じ込められた。
神々の王クロノス率いるティタン神族と、クロノスの息子ゼウスが率いるオリュンポス神族は血族でありながら世界の覇権を争い、激しい戦闘を繰り広げた。
この戦いは山々が根本から大きく揺らぎ、世界を崩壊させるほどの規模であった。
しかし、不死の神々どうしの戦いは互いに決め手を欠き、十年の間決着を見なかった。
ガイアはゼウスたちに、ウラノスがタルタロスに幽閉した三人のヘカトンケイル(百手巨人)たちと、三人のキュクロプスを味方に付ければ勝つことができると助言した。
ゼウスたちは彼らを解放し、ネクタルとアムブロシアを与えて味方にした。
キュクロプスたちは助けてくれた礼にとゼウスたちに武器を作って献上した。
彼らは、ゼウスには万物を破壊し燃やし尽くす雷霆、ハデスには姿を見えなくすることのできる兜を、ポセイドンには大海と大陸を支配する三叉の矛を与えた。
両軍は再び激突し、究極の武器を手にしたオリュンポス勢が常に優位に立った。
ポセイドンの三叉の矛の力で全地球は凄まじく揺れ動き、姿を消したハデスがティタンたちの武器を奪った。
ヘカトンケイルたちは300の巨大な巌を休みなく投げ続けてティタンたちを打ち負かした。
ゼウスは雷霆を容赦なく投げつけ、その圧倒的な威力によって天界は崩れ落ち、見渡す限りの天地は逆転した。
全空間に漲る雷光はティタン神族の目を焼き、瞬く間に視力を奪った。
雷霆から迸る聖なる炎は地球を丸ごと包み込み、全宇宙とその外側にあるカオスすらゼウスの雷火によって焼き尽くされた。
ティタンたちはオリュンポス勢の想像を絶する猛攻に耐え切れず、遂に十年も続いた神々の大戦に終止符が打たれた。
こうして、オリュンポスの神々は華々しい勝利を飾った。
その後、不死身であったティタン族はタルタロスの深淵へと封印され、オリュンポス神族の支配が始まった。
(ヘシオドス 617-643)
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ティタン神族Titans
大地の女神ガイアとその息子ウラヌスの間に生まれた三つの巨人族の一つで、多くの巨人族の中で最も高い知性を持つと言われる。
大概の巨人族は原始的な格好で野蛮な性格の持ち主であるのに対し、彼らは青銅製の武具を身に着け、剣と盾を携えた重装歩兵の姿をしている。
@オケアノス(Okeanos)、Aコイオス(Koios)、Bクレイオス(Kreios)、Cヒュペリオン(Hyperion)、Dイアペトス(Iapetos)、
Eクロノスの6柱の男神と、Fテイア(Theia)、 Gテミス(Themis)、Hムネモシュネ(Mnemosyne)、Iフォイベ(Phoibe)、Jテテュス(Tethys)、
Kレア(Rhea)の6柱の女神を指す。
ゼウスらオリュンポス神族と 十年間戦った末に破れ、タルタロスに幽閉された。
(The Encyclopedia Britannica)
ティトノスTithonos
トロイ王ラオメドン(Laomedon)の王子の一人だったが、絶世の美貌を曙(あけぼの)の女神エオスに見そめられ、エオスは彼をさらって愛人にし、
その種によりニ人の息子エマティオン(Emathion)とメムノンを産んだ。
しかしエオスがゼウスに願って、彼に永生を手に入れさせてやったのに、同時に永遠の若さを願うのを忘れたため、次第に老衰して、しまいにエオスによってせみに変えられたという。
(Dictionary of Greek and Roman Biography and Mythology by William Smith)
ティリュンスTiryns
ペロポネソス半島北東部アルゴリスにあるミュケナイ文明の遺跡。
厚い堅固な城壁で囲まれ、東側に面して城門が開かれ、さらに内門を通って、中央部の大小二つからなるメガロン式王宮(Megaron)にいたる。
床に描かれたさまざまな文様はミュケナイ絵画の代表として知られる。
シュリーマンも発掘調査を行なっている。 1999年、ミュケナイ遺跡とともに世界遺産の文化遺産に登録された。
(The Encyclopedia Britannica)
テイレシアスTeiresias
盲目の予言者。一説によれば、水浴中のアテナの裸身を見たため、盲目にされたが、その代償に予言の能力を与えられたとされる。
(フェレキュデス Pherecydes 断片集31、アポロドロス第三巻6-7)
また一説では、キュレネ山中で交尾しているへびを見て、これを打ったところ、自分が女性に変ってしまい、七年後に同じ場所で、
また交尾中のへびを見て前と同じことをすると男性に戻った。
その後あるとき、ゼウスとヘラが、性交から得られる快楽は、男と女のどちらが大きいか論争したおりに意見を求められて、
女の快楽のほうが男の九倍大きいという真実を答えたため、ヘラの怒りを買って盲目にされたという。
しかしゼウスは、彼に予言の力と常人の七倍の長さの寿命を与えたといわれる。
(オウィディウス Ovidius『変形譚 Metamorphoses』巻三)
テバイを舞台に展開する物語のほとんどすべてに予言者として登場し、マント(Manto)という女予言者の娘ももうけたが、エピゴノイによるテバイ攻略の直後に世を去った。
ティンカーベルTinker Belle
ピーター・パン(Peter Pan)の物語に登場する子供部屋の妖精。
繊細な翼を持つごく小さい妖精として描かれ、半透明の服を着ており、その存在は銀の鈴がチリンチリンと鳴る音で示される。
性格は気が強く、とても焼きもちやきだが、正義感が強くて友達思いなことも特徴。
その正義感ゆえに、物語ではフック船長(Captain Hook)の罠からピーター・パンを救う場面がある。
ティンカーベルは、自分が必要とされる場所で意のままに姿を現すことができ、魔法の杖を一振りして悪を善に変えることができる。
また彼女の妖精の粉を浴び、信じる心を持てば空を飛ぶ事が出来る。
Spirits, Fairies, Gnomes, and Goblins (Carol Rose)
デウカリオンDeucalion
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1 現在の人類の始祖とされる人物。
プロメテウスの息子で、ピュラ(Pyrrha エピメテウスとパンドラの娘)と結婚し、テッサリアに住んでいたが、ゼウスが人類を洪水によって滅ぼそうとしたとき、
この夫婦だけは行いが正しかったので、プロメテウスから教えられて箱舟を建造して難を逃れ、ニ人だけ生き残ることを許された。
洪水が引いたあと彼らは、女神テミスの神託に従って、石を肩越しに背後に投げると、デウカリオンの石からは男が、ピュラの石からは女が生れ、
地上にまた多くの人間が住むようになったという。
2 ミノスとパシファエの子。テセウスの友で、カリュドン(Kalydon)の猪狩りに参加した。
(洪水伝説)
ヘシオドスは人間は五つの時代を経てきたと伝える。
最初は神々のような生活を送る「黄金の種族」、次が「銀の種族」、
ゼウスが治めたのは「青銅の種族」。
この一族は戦闘好きで残酷だったので、ゼウスは嘆いた。
どうにも救いようがないので、ゼウスは彼らを滅ぼそうと画策した。
ゼウスは青銅の人間を抹殺するため、大洪水を起こした。
ある日、雷鳴とともに神々の怒りそのものの大雨が世界を襲った。
家々も木々も水没し、人間たちは高みに逃げる前に溺死した。
しかし、この洪水から逃れた人間がいた。
プロメテウスの子、デウカリオンと、その妻、ピュラであった。
デウカリオンは父プロメテウスに、予め洪水があることを知らされていたので、妻とともに大きな箱舟を作って脱出の準備をしていた。
夫婦は九日九夜、嵐の中を彷徨い、パルナッソス山(Parnassos)の頂きに着いた。
山の山腹にはゼウスのニ度目の妻だった女神テミス(Themis)の神殿があった。
二人は神の加護に感謝すると共に、世界に人間が二人きりになってしまった寂しさを切々と訴えた。
あまりに荒涼としてしまった大地を見て、テミスは二人に同情して、新しい人間を創る知恵を授ける。
「おまえたちの母の骨を歩きながら、大地に投げよ」という神託をテミスは下して姿を消した。
この言葉にピュラは驚いたが、プロメテウスの子デウカリオンは賢明だった。
母の骨とは、母なる大地に転がる石だと思い、妻を励ます。
こうして二人は石を拾い、背後に投げる。
デウカリオンが投げた石は男になり、ピュラが投げた石は女になった。
こうして、 地上にまた人間たちがあふれるようになった。
そして夫婦の間にも子が出来て、そのうちの一人、ヘレン(Hellen)はギリシア人(Hellenes)の祖となったという。
(Dictionary of Greek and Roman Biography and Mythology by William Smith)
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テオゴニアTheogonia(神統記)
紀元前700年頃のギリシアの詩人ヘシオドス作の叙事詩。
ヘクサメトロス(Hexametros 長短短六脚韻)1022行からなる。
冒頭の記述からヘシオドスの処女作とされ、30代前半の作品と推定される。原題の「テオゴニア」は「神々の誕生系譜」を意味する。
原初の混沌=カオスからの世界の創造、神々の系譜とその三代にわたる政権交代劇を描き、ギリシア神話の宇宙観の原典とされる。
(The Encyclopedia Britannica)
テセウスTheseus
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アイゲウス(Aigeus)とトロイゼン王女(Troizen)アイトラ(Aithra)の子。
アテネ王アイゲウスは二人の妃を娶ったがどちらも子がなく、困っていた。
このままでは次の王位継承者を得ることができない。
そこでアイゲウスは、デルフォイに赴き、神託に伺ったところ、「酒袋の口をけっして開けてはならない」との答えを得た。
彼はその真意をはかりかね、トロイゼン王ピッテウス(Pittheus)に相談するために帰途トロイゼンに立ち寄った。
ピッテウスは神託の意味を覚り、彼を酔わせて、娘アイトラとともに寝かせ、彼女はテセウスをはらんだ。
アイゲウスはアイトラに、男児を生んだならば、誰の子か言わずに育てるように命じ、ある岩の下に剣とサンダルとをを隠し、
子供がこの岩を起こして、これらの物を取ることができた時、これらの品とともに彼をアテネまで送り出すように命じた。
テセウスが成長し16歳になった時、アイトラは彼に素姓を教えた。
彼はやすやすと岩を押しのけて、剣とサンダルとを手に入れ、母やピッテウスの忠告にもかかわらず、安全な海路を取らず、
野獣野盗の跋扈していた危険な陸路をアテネに向かった。
アテネに向かう途中、エピダウロス(Epidauros)付近で、棍棒を振るって旅人の持ち物を奪っていた
山賊ペリフェテス(Periphetes)を退治し、以後、そのとき手に入れた棍棒を常用の武器とするようになる。
コリントス地峡で、旅人を捕まえては松の枝をたわませ、足を一本ずつくくりつけ、体を引き裂くという巨人シニス(Sinis)を逆に二股裂きにして退治し、
クロミュオン(Krommyon)では、周辺の農場を荒らし、人々を苦しめていた大猪ファイア(Phaia)を一撃で倒した。
テセウス
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テッサリアThessalia/テッサリー(Thessaly)
ギリシア中東部、エーゲ海に面する地域。中心都市ラーリッサ。
面積一万4037平方キロメートル。
ペネイオス河(Peneios)流域の肥沃な平原を中心とし、西をピンドス山脈(Pindhos)、北東をオリュンポス山、
南東をペリオン山など2000〜3000メートルの高山に囲まれる。
ギリシア第二の穀倉地帯で、麦類、豆類、米のほか、果物、タバコなどを豊かに産する。
古代から馬の飼育でも知られる。
1393年にオスマン帝国支配下に入ったが、1881年、同地方の大部分がギリシアに割譲された。
(The Encyclopedia Britannica)
テッサロニケThessaloniki
BC315年、マケドニアのカッサンドロス(Kassandros)によって創建されたギリシア北部の都市。
呼称は、妻テッサロニカ(Thessalonike)にちなむ。マケドニア第一の港として栄えたが、
BC146年、共和制ローマの属州となる。
(The Encyclopedia Britannica)
テネドス島Tenedos
トルコ北西部にあるボズジャ島(Bozcaada)のギリシア語名。
鉄の手袋
トール(Thor)の武具のひとつ。
女巨人グリード(Grid)からもらったもので、鎚を握るときに手にはめるが、
穂先の熱くなった槍を受け止めるときにも威力を発揮する。
Teutonic Myth&Legend (Donald A. Mackenzie)
テティスThetis
海神ネレウス(Nereus)とドリスの娘。(ネレイス Nereis 海のニンフ)アキレウスの母。
ゼウスの求愛を受けるが、彼を超える息子が産まれるという予言からゼウスは泣く泣く去っていく。
彼女はフティア王ペレウスと結婚し、その時にトロイ戦争の種を宿したりんごの事件が訪れる。
テテュスTethys
ウラノスとガイアの娘。ティタン神族(Titans)の一人。もろもろの河の母。
オケアノスの妻で、三千人の河神の息子と、オケアニデス(Okeanides)と総称される三千人の海のニンフの母でもある。
テフヌトTefnut
エジプト神話の女神。大気の女神。また露あるいは雨の女神。
ヘリオポリス(Hliopolis 太陽の都)において、彼女はラー(Ra)から生れたとされ、さらに双生児の兄シュウ(Shu)の妻となって、
ゲブ(Geb)とヌト(Nut)を生んだとされる。
シュウを助けて空を支え、太陽を彼とともに毎朝迎えたという。
雌ライオンの姿あるいはライオンの頭をもつ女の姿で表現されていたので、太陽神と似た性格をもっていたようである。
ギリシア人はアルテミスと同一視している。
(The Encyclopedia Britannica)
テーベThebe
古代小アジアのミュシア地方(Mysia)にあった都市。
テーベ2 アソポス河神の娘でゼトス(ゼウスの子)の妻。
テバイThebai (テーベ Thebe)
1 アテネ北西の都市国家、ボイオティア(Boiotia)の都市。
前371年スパルタが衰退したのち、全ギリシャの覇権を握ったが、前335年、アレクサンドロス大王に滅ぼされた。
(The Encyclopedia Britannica)
2 エジプト中・新王国時代の古都。「百門の都」と称した。
ナイル川(Nile)中流の両岸にまたがって営まれ、前2000年頃から首都、前16世紀〜前10世紀頃まで繁栄、ナイル川三角洲地方が発達するとともに衰えた。
アモン神(Ammon)崇拝の中心都市で、ルクソール神殿(Luxor)、カルナック神殿(Karnak)、ツタンカーメン王(Tutankhamun)の墳墓など多くの遺跡があり、世界遺産。
(The Encyclopedia Britannica)
テバイ攻めの七将Seven Against Thebai
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古代アテネの詩人アイスキュロスによるギリシア悲劇。
古代都市テバイの王権をめぐる戦いの物語に基づく。
オイディプスが追放された後、二人の息子(アンティゴネの兄)は王位をめぐって争い、エテオクレス(Eteokles)が勝利し王となった。
追放された弟ポリュネイケス(Polyneikes)はアルゴス王アドラストス(Adrastos)のもとに逃れ、その娘を妻とし、王の指揮のもとに七将がテバイ城に攻め込む。
アルゴス勢の主力を為した七将は、アドラストス、ポリュネイケス、テュデウス(Tydeus)、パルテノパイオス(Parthenopaios)、カパネウス(Kapaneus)、
ヒッポメドン(Hippomedon)、アムフィアラオス(Amphiaraos)。
戦いはアルゴス勢が敗北したが、その復讐のために十年後、彼らの子供たちエピゴノイ(Epigonoi)が再びテバイを攻め込み、勝利した。
テバイ攻めの七将
テーブル・ターニング Table Turning
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ヨーロッパでは古くから降霊術が盛んで、バビロニアやエジプト、古代ギリシアの時代から
シャーマン(Shaman 霊媒師)が霊を呼び出していたとされている。
中世においても、僧侶や貴族など知識階級を中心に降霊術が受け継がれてきた。
霊を呼び出すことによって、人の知り得ない神秘的な情報が得られると信じられていたのだ。
19世紀後半、欧米で大流行した降霊術にテーブル・ターニング(Table Turning)がある。
これは複数の参加者がテーブルを囲み、手を乗せるだけで、テーブルがひとりでに回り、
傾き、コツコツと音を立てることで霊と交信するものだ。
まず、霊の集まりやすい、落ち着いた静かな部屋を用意する。霊が光を嫌うため、窓を厚い
カーテンなどで覆い、部屋を真っ暗にする。
そして参加者全員がテーブルを囲んで着席する。テーブルは可能ならば円卓が望ましい。
なぜなら、円が疑似的な魔法円(Magic Circle)の役割を果たすからである。
全員の心をひとつにするため、参加者全員はテーブルのうえに両手を広げて、その指が
隣の人と軽く触れるようにする。
ここから術者(主催者)による召霊の儀式が始まる。多くの場合、術者の先導で全員が
霊の出現を念じるのである。
霊があらわれると、テーブルがひとりでに動く。これは、参加者のうち霊的能力がある人を
媒介として、霊がテーブルを動かすためだと考えられている。
テーブルが動けば脚が上下して床をたたくので、当然ながらコツコツという音が出る。
それを霊の意思が反映されたものとして、術者の質問に対する答えがイエスなら音を1回、
ノーなら2回鳴らすというふうに交信を試みる。
しかし、イエス・ノーだけでは複雑な会話はできない。
そこで、より詳細な情報を得るため、アルファベットが記されたカードをテーブルに置き、
その文字を霊に指し示してもらうという手法を採用するようになった。
グラスゲームという手法は、アルファベットを円状に記したものをテーブルに広げ、その円の
中心にグラスを伏せておく。
グラスの上にひとりないしは複数が指を置くと、グラスが自然とそのアルファベットの上を動く。
その動いた順に文字を書き留めると、単語や文章ができあがるといったものだ。
すべての霊現象が終了すると、霊が離れ、降霊は終了する。こうした降霊現象を成立させるには
いくつかの条件が必要とされる。
まず、霊が光を嫌うので、暗闇で行なうこと。霊の存在を信じない人が多いと、その反発から
降霊そのものが失敗する確率が高いこと。
また、参加人数が多過ぎないこと(10名くらいが最大)などである。
(Table-turning/Psi Encyclopedia)
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テミスThemis
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ウラノスとガイアの娘。ティタン神族。法と掟を司る女神。
手に正義を測る天秤と力の象徴である剣を持ち、「司法の公正さ」を示す。
また、裁かれる者の貧富の差など見た目の姿に惑わされないように目隠しをして、「法の前の平等」を示す。
アポロン以前は、テミスがデルフォイの神託を司っていた。
ゼウスとのあいだにホーラたち、すなわち、エウノミア(Eunomia 秩序)、ディケ(Dike 正義)、エイレネ(Eirene 平和)の三女神が生まれた。
このうち、正義の女神ディケは、ローマ神話でアストライア(Astraia)と呼ばれ、地上で正義を踏みにじる者があるとゼウスに訴え、
罰を下すようせがむとされる。
(Dictionary of Greek and Roman Biography and Mythology by William Smith)
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デメテルDemeter/ケレス(Ceres) 大地の女神。
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農作物を産出する大地を母として神格化した地母神、五穀豊穣の女神。
クロノスとレアの子で、兄弟のゼウスと交わり、ペルセフォネを産んだ。
しかし、この愛娘をハデスにさらわれ、そのことを怒って神界を離れてシチリアの洞穴にこもってしまう。
デメテルが神界に戻らないので、大地は実らず、人々は困ってしまった。
そこでゼウスが、ハデスに対して娘をデメテルの元に返すよう説得した。
ハデスは仕方なく娘を地上に戻したが、その際、ザクロの実を与えた。
実はこれはハデスの策略で、死者の国の食物を口にした者は、冥界から出られなくなる掟があり、
食べたザクロの数の期間だけ、再び冥界で暮さなければならなくなった。
こうしてペルセフォネは地上に8カ月、冥界に4カ月生活するようになった。
ペルセフォネが冥界に行っている間、デメテルは洞穴にこもってしまうので、その期間が冬になり、世界に四季が始まったとされる。
(Greek Myths & Greek Mythology by greekmyths-greekmythology.com)
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テュエステスThyests
ペロプス(Pelops)とヒッポダメイア(Hippodameia ピサ王 Pisa オイノマオス Oinomaos の娘)の子。
双子の兄弟アトレウス(Atreus)とともに異母兄弟のクリュシッポス(Chrysippos)を殺害して故国を追放され、ミュケナイのステネロス王(Sthenelos)のもとに亡命し、
その死後どちらかが王位につくことになったことから、兄弟同士で激しい憎悪を燃やし、未曾有の残忍な争いを演じた。
まずテュエステスがアトレウスの妻と密通し、彼女の助けによって王位を手に入れようとしたが、アトレウスはゼウスの助けによってこの企てを打ち破り、
太陽が東に沈む奇跡を起して王位につくと、テュエステスに復讐するためその息子たちを殺し、肉を料理して食わせた。
この仇を討つためテュエステスは神託の教えに従い、実の娘ペロペイア(Pelopeia)と交わってアイギストス(Aigisthos)をもうけた。
成長したアイギストスはアトレウスを殺し、テュエステスを王位につけた。( → アトレウス家の伝説)
テュフォンTyphon/テュフォエウス(Typhoeus)
ガイアとタルタロスの子で、キリキア(Kilikia)の洞穴に棲む巨大な怪物。
肩に100の竜の首を持ち、腰から下はとぐろを巻いた巨大な毒蛇。その両眼や口から火を噴く。
エキドナとの間にオルトス(Orthrus)、ヒュドラ、 キマイラを儲けた。
ゼウスと戦ったが破れてタルタロスに落とされた。
一説にはエトナ山に閉じこめられたともいわれ、キリキアやエトナの火山活動を表しているといわれている。
(アポロドロス 第一巻 6-3)
テュールTyr
オーディン(Odin)の息子。
神々の中では最も勇敢で、戦いの神とされる。
絹のように細いが絶対に切れない紐グレイプニル(Gleipnir)で狼フェンリル(Fenrir)を縛るために、狼の要求に応じてその口に片手を入れ、ついに噛み取られてしまう。
Teutonic Myth&Legend (Donald A. Mackenzie)
テュルソスThyrsos
ディオニュソスの杖。
葡萄のつるをからめ、頭に松ぼっくりをつけた神聖な杖。
敵に向かって投げつけたり、殴りかかったりする武器として使われる。
また、男根を表す形から、生命・豊饒・再生の象徴でもある。
(The Larousse Encyclopedia of Mythology by Robert Graves)
テュンダレオスTyndareos
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スパルタ王オイバロス(Oibalos)とバテイア(Bateia ナイアス Naias 水のニンフ)の子。
(一説では、メッセネ王 Messene ペリエレス Perieres とゴルゴフォネ Gorgophone の子。アポロドロス第一巻9-5)
父の死後、弟のヒッポコオン(Hippokoon)によって故国から追放されたが、カリュドンに亡命してテスティオス王(Thestios)の娘レダと結婚し、
ヒッポコオンがヘラクレスに殺されたあと、スパルタの王位についた。(→ オイオノス)
レダが、白鳥に化身したゼウスに犯されて産んだ卵から出生した子供たちの父として有名で、そのうちポリュデウケスとヘレネの父はゼウス、
カストルとクリュタイムネストラは彼自身の子だったとされる。
ヘレネが婚期となった時、多数のギリシアの王族たちがスパルタにやってきて、彼女に求婚した。
求婚者はオデュッセウス、メネステウス(Menestheus アテネ王ペテオス Peteos の子)、大アイアス、パトロクロス、イドメネウス(Idomeneus
デウカリオン2 Deucalion の子)
などがいたが、本命は、ミュケナイ出身のメネラオスだった。
みなが多くの贈物を携えてきたが、オデュッセウスだけは何も持ってこなかった。
テュンダレオスはどの贈物も受け取らず、一人の求婚者も追い返さなかった。
彼らを怒らせ争いになるのを怖れたのである。
オデュッセウスは、もしペネロペ(テュンダレオスの姪)との結婚をテュンダレオスが支援してくれるなら、この問題を円満に解決すると約束した。
テュンダレオスはすぐに同意し、オデュッセウスの助言に従った。
ヘレネの夫となった者が危害を受けたらその者を助けることを、求婚者全員に誓わせたのである。
ヘレネはメネラオスを選んで結婚した。
ヘレネがメネラオスと結婚すると、テュンダレオスは、この婿にスパルタの王位を譲り、自分は後見役の地位に退いたとされる。
(アポロドロス 第三巻 10-9,E2-15)
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テラモンTelamon
アイギナの王アイアコスの子。アキレウスの父ペレウスの兄弟。
兄弟のフォコス(Phokos)を殺したため、故国を追われてサラミス島に移住し、キュクレウス王(Kychreus)の娘グラウケ2を妻に与えられて、義父の死後その王位を継承した。
グラウケの死後、ペリボイア2(Periboia)と再婚して息子大アイアスをもうけ、またヘラクレスとともにトロイを攻略し、ラオメドン王の娘ヘシオネを妻に与えられ、
彼女によって弓の名手テウクロス(Teukros)をもうけ、トロイ戦争で活躍するニ人のギリシア方の勇士の父となった。
(アポロドロス 第ニ巻 6-4, 第三巻 12-6,12-7)
デルフォイDelphoi
パルナッソス山(Parnassus)の南斜面の聖地・古都。
神託で有名なアポロンの神殿があった。
多くのポリス(都市国家)がここに参じて、政治・外交の指針を神託に求めた。
神託は神殿の中心部にある奥の院(アデュトン Adyton)で行われ、そこにピュティア(Pythia)と呼ばれる巫女が神懸り(トランス)状態となり、
予言の神アポロンの言葉を語ったとされる。
(The Princeton Encyclopedia of Classical Sites by Richard Stillwell, William
L. MacDonald, Marian Holland McAllister)
テルプシコラTerpsichora
ムーサの一人で、合唱と舞踏を司る。
(アポロドロス 第一巻 3-1)
テレマコスTelemachos
オデュッセウスとペネロペの息子。
父オデュッセウスがトロイ戦争に出征して20年、若者に成長したテレマコスは女神アテナに導かれ、父を捜す探索の旅に出る。
(オデュッセイア 第一歌 113-444, 第二歌 1-434, 第三歌 1-497, 第四歌 1-847)
デロス島Delos
エーゲ海南部、キュクラデス諸島(Cyclades)中部の島。アポロン神殿遺跡やアルテミス神殿遺跡がある聖地。
女神レトがヘラに隠れてゼウスとの子であるアポロンとアルテミスの双子を生んだといわれる。
アポロン信仰の中心地となり、BC世紀アテネの勢力下に入り、アテネを盟主とするデロス同盟の中枢をなす財務局がここに置かれた。
873年以来発掘が進められ、アポロン像の断片や大理石のライオン列像が出土した。
(アポロドロス 第一巻 4-1)(The Encyclopedia Britannica)
天狗Tengu
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日本の民間伝承に登場する神や妖怪ともいわれる伝説上の生き物。
山伏の服装で赤ら顔で鼻が高く、一本歯の高下駄を履き、ヤツデの羽扇を持って
自在に空を飛翔するとされる。時に烏(からす)天狗を従者として従えている。
民間伝承では、村人たちが山を異界として畏怖し、そこで起きる怪異な現象を天狗の仕業と呼んだ。
ここから天狗を山の神と見なす言い伝えが生まれた。
仏教では、この世に恨みを持って死んだ者、修行僧で慢心した者、自尊心の強すぎる者が天狗になると言われている。
そこから転じて上げた功績を誇り、傲慢になった人物を「天狗になる」と揶揄することもある。
その一方、天狗は人にものを教えたがる傾向があり、能楽の「鞍馬天狗」では牛若丸(後の源義経)に兵法の奥義を授けたとされている。
世界の幻獣大事典(広済堂)
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