タイムカプセル (47) 平成13年 (2001年)      TDS  タイム・カプセル

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この年、9月11日、米国で旅客機4機が乗っ取られ、うち3機がニューヨークの世界貿易センタービル2棟とワシントン郊外の米国防総省ビルに激突、
1機がペンシルベニァ州ピッツバーグに墜落した。

地上・機上合わせて3000人を超える死者・行方不明者が出た。
20日、ブッシュ米大統領は、議会で演説し、国際テロ組織の壊滅へ総力を注ぐ決意を宣言。

(映画)第74回アカデミー賞「ビューティフル・マインド」
「ハリー・ポッター」「ジュラシック・パーク3」「ダイナソー」「PLANET OF THE APES 猿の惑星」

第25回日本アカデミー賞 東宝「雨あがる」(寺尾聰、宮崎美子)
東宝「千と千尋の神隠し」(第75回アカデミー長編アニメ賞)東宝「陰陽師」(野村萬斎)東映「ホタル」(高倉健、田中裕子)

(音楽)第43回レコード大賞「Dearest」(浜崎あゆみ

ひとり」(ゴスペラーズ)「いつも何度でも」(木村弓)「大井追っかけ音次郎」(氷川きよし)「波乗りジョニー」「白い恋人達」(桑田佳祐)「Can You Keep A Secret?」(宇多田ヒカル)「恋愛レボリューション21」モーニング娘。「M」浜崎あゆみ trust you (伊藤由奈)

(テレビ)北条時宗(NHK 和泉元彌)ちゅらさん(NHK 国仲涼子)忠臣蔵(フジ 北大路欣也HERO(フジ 木村拓哉松たか子アンティーク〜西洋骨董洋菓子店〜(フジ 滝沢秀明、椎名桔平、藤木直人)明日があるさ(日テレ 浜田雅功、稲森いずみ) 救命病棟24時2 (フジ 江口洋介、松雪泰子)ストロベリー・オンザ・ショートケーキ(TBS 滝沢秀明、深田恭子

Love Story(TBS 中山美穂、豊川悦司) 白い影〜Love and Life in the white〜(TBS 中居正広、竹内結子) ロケット・ボーイ(フジ 織田裕二、ユースケサンタマリア) 恋がしたい恋がしたい恋がしたい(TBS 渡部篤郎、水野美紀) できちゃった結婚(フジ 竹野内豊広末涼子、石田ゆり子) カバチタレ! (フジ 常盤貴子、深津絵里、山下智久、篠原涼子) 新・お水の花道(フジ 財前直見、長嶋一茂)



                           



(スポーツ)高橋尚子がベルリン・マラソンで世界最高記録。サッカーくじ「TOTO」当選金一億円。長島退任、原辰徳、巨人新監督に
(ファッション)カット&ソー

(流行語)「米百表」「骨太の方針」「ワイドショー内閣」「改革の痛み」「抵抗勢力」「ファイナルアンサー」「感動した」「肉骨粉」「明日があるさ」「塩爺」「ブロードバンド」「ヤだねったら、ヤだね」「伏魔殿」

(社会)01/20米国第43代大統領に共和党のブッシュ氏が就任。04/01住友、さくら両銀行が合併で三井住友銀行が開業。04/26小泉内閣発足。05/01浦和、大宮、与野の3市が合併し人口103万人の「さいたま市」が誕生。05/08武富士強盗殺人放火事件。09/04東京ディズニーシーがオープン。

09/10国内初の狂牛病。09/11米国で同時多発テロが発生、世界貿易センタービルが崩壊。10/07米国はテロの報復としてアフガニスタンのタリバン政権を攻撃開始。10/10ノーベル化学賞に野依良治氏。12/01皇太子夫妻に第1子(愛子さま)誕生。12/11中国「WTO」加盟。

(物故)三波春夫(77歳)新珠三千代(71歳)並木路子(79歳)団伊久磨(77歳)左幸子(71歳)

(その他)沢尻エリカ、BS朝日「Harajukuロンチャーズ」でデビュー。綾瀬はるか、ドラマ「金田一少年の事件簿 魔犬の森の殺人」でデビュー。小倉優子(17)、日本コロムビアからグラビアアイドルとしてデビュー。山本リンダ、大学教授で7歳年上の稲葉光彦と結婚。松田聖子の長女・SAYAKAがデビュー、CMで母子共演も果たす。

女優葉月里緒奈、ハワイで電撃結婚、3ヶ月で電撃離婚。反町隆史(27)、松島菜々子(27)と結婚。野口五郎、三井ゆりと結婚。小室哲哉、ASAMI(吉田麻美)と結婚。西城秀樹、会社員の槙原美紀(28)と結婚。小泉孝太郎、芸能界入り。タレント田代まさし、覚せい剤取締法違反で逮捕。

発泡酒アサヒ「本生」。ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)オープン。東京ディズニーシー(TDS)オープン。タンスにゴンゴン(大日本除虫菊)



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                      trust you (伊藤由奈)








ビンラディン (Bin Laden)


戦争が多ければ多いほど儲かる商売がある。武器屋と金貸しである。


武器屋がわざわざ、もめ事を引き起こして戦争に誘導するのは、
武器を売るための「営業活動」と言える。


また戦争には莫大な金がかかる。租税ではまかないきれない戦費の
補填をする金貸しは、やがて国家を操るようになる。

敵味方関係なく様々な国に資金提供し、どちらが勝っても負けても
必ず利益が得られるというのが、金貸しの常套手段なのだ。


彼らにとって戦争は、国家から収奪する最も有効な手段であった。



現代的に言えば、武器屋は軍需産業であり、金貸しは中央銀行だ。

この二つの商売で成り立っているのが、アメリカという国家である。
逆に言えば、アメリカは、この二つの勢力に操られていると言える。


1973年のベトナム戦争敗北で、アメリカは膨大な借金を抱えた。
一方、国内世論は、もう戦争は沢山だという声が圧倒的だった。


そんな中、2001年9月同時多発テロにより戦争を開始する理由ができた。

同時多発テロは、アフガニスタンのテロ組織アルカイダが犯人とされ、
首謀者のビンラディンはその10年後の2011年、米軍により殺害された。



このビンラディンという人物は、サウジアラビアの大富豪ビンラディン家
の御曹司である。

不可解なことに、このビンラディン家は、アメリカの軍需投資会社カーライルに
多額の投資をしており、2001年10月アフガン紛争の勃発で、大儲けをしている。


一方、1979年ソ連によるアフガン侵攻が始まると、ビンラディンはサウジを離れ、
ソ連軍に抵抗する武装組織(タリバンの前身)に参加した。

このとき、この武装組織に武器を与え、資金援助したのがアメリカだった。
その後、ソ連軍はアフガン撤退を余儀なくされ、ビンラディンは英雄になった。



アメリカの支援によって、ソ連軍を撃退できたのだから、ビンラディンは
アメリカに感謝こそすれ、恨みに思うことはないはずである。

そのため、なぜビンラディンが、同時多発テロでアメリカを攻撃したのか
明確な理由は分かっていない。

2011年5月、ビンラディンは、潜伏先のパキスタンで裁判なしに殺害され、
真相は闇の中となってしまった。









 



Love Story


須藤美咲(中山美穂)は、出版社で働く契約社員だが、現在リストラの危機にさらされている。

そんな中、美咲は、現在スランプ中の恋愛小説家・永瀬康(豊川悦司)の担当を命じられる。


永瀬は、本を出せば売れること間違いなしなのに、この二年間、一冊も出していないという。

また彼はプライドが高く、扱いにくい性格で、これまで何度も編集担当が代わっているらしい。


そこで美咲は、永瀬の好物や気にさわることなどを、細かに前任者から引き継いだ。

そのうえで彼女は、約束の午後一時ちょうどを見計らって、永瀬の部屋のブザーを鳴らす。

長身で痩躯のダンディな男が出てきたが、その顔は、ものすごい仏頂面だった…。



新作が書けない作家と、彼に新作を書かせれば正社員になれる契約社員の恋愛物語。


作家の永瀬は、噂どおりの不愛想で偏屈な性格だった。
最初は我慢していた美咲も、最後にはケンカ寸前となってしまう。

人気作家の担当となり、気負っていた美咲にしてみれば「この人、一体なんなの?」
といった心境だ。


いずれハッピーエンドとなる恋愛ドラマの出会いのシーンは、最悪であることが多い。


まったく異なる人生を歩んできた二人の出会いの当初は、お互い反目が生じがちだが、
違う生き方をする二人だからこそ、相手のことをもっと知りたいと思うものだ。

そんな二人を結びつけるために、出会いは劇的な展開になるのである。


「ビューティフルライフ」(2000年)に続く脚本は、短いセリフの中にも細やかな感情が
にじみ出る、おなじみ北川悦吏子の世界。

主演の豊川・中山コンビが、軽妙な会話、キビキビした演技で脚本にとけ込んでいるのも小気味よい。














HERO


久利生公平(木村拓哉)は、青森地検から東京地検にやって来た検察官である。


彼は中卒だが、大学入学資格検定を経て司法試験にパスした努力家の若手検事だ。


久利生が赴任した当日、東京地検のメンバーは、代議士の贈収賄事件で大忙しだった。


そこで、新入りの彼は「下着泥棒事件」を担当することになった。

久利生公平の補佐は、雨宮舞子(松たか子)という女性事務官だった。




久利生と雨宮は早速、下着泥棒の被疑者・田村(酒井敏也)の取り調べを始める。

田村は「当日は家にいた。8時から始まるアニメを見ていたし、ビデオにも録った」と主張。


留守録も可能な事、また田村には痴漢の前歴がある事から、雨宮は彼が犯人と決め付ける。

だが、録画がアリバイの決め手とみた久利生は、田村が録画したと言うビデオを押収する。


その後、田村は不起訴となり釈放された。

事件の当日は、8時から5分ほど、贈収賄事件の臨時ニュースが流れていた。

そのため、いつもなら8時に始まるアニメが、8時5分から放映されたのだ。


押収されたビデオには、臨時ニュースの部分が録画されておらず、ビデオが手動で
録画された事が明らかになったのである。




中卒の型破りな検事・久利生が、常識にとらわれず軽やかに正義を貫く姿を描く。


ダウンジャケットにGパンという、検事らしからぬ服装、扱う事件に大小つけず、
物事の善悪をはっきりさせる姿勢が視聴者の共感を呼んだ。


また、個性豊かなレギュラー陣は、ドラマの群像劇としての側面も際立たせ、
ラブストーリー枠として定着してきたフジテレビ「月9」のイメージを一新。


最高視聴率36.8%、全11話がすべて視聴率30%以上という大ヒットドラマとなった。


本作が人気を集めたことで検察官の職業イメージが良くなったことは確かであり、
キムタク演ずる久利生に憧れて、検察官志願者が増加するという現象も生まれた。













カバチタレ!


田村希美(常盤貴子)は、自動車整備工場に勤める女性整備士である。


ある日希美は、身に覚えのない無断欠勤を理由に、社長から解雇を言い渡される。

就業規則には「無断欠勤は即解雇、罰金は給料1ヶ月分」と記載されており、
社長は不服なら裁判でも何でも起こせという。


会社をクビになった希美は、偶然出会った栄田千春(深津絵里)に助けられる。

千春は、何事かを書きつけた紙を希美に渡し、社長宛に内容証明で送るように言う。




数日後、自動車整備工場から、給料2ヶ月分にあたる32万円が希美の元に送られてきた。

千春によれば、これは労働基準法により、正式に希美が手に入れるべきお金だという。



泣き寝入り寸前の所で、お金や法律の知識で救われるという行政書士の仕事を描いた物語。


クビになった主人公・希美がヤケになっている時、偶然、キャリアウーマンの千春と出会う。

行政書士事務所に勤めている千春は、内容証明書を社長宛に送るよう希美に助言する。
やがて希美は、会社から未払いの給与と解雇予告金の計32万円を勝ち取ることができた。


その後、希美は、千春の補助者として事務所でアルバイトをすることになる。

「カバチタレ」とは広島弁で「文句を言う、グダグダ言う」というような意味。

本作は、広島出身の希美が、カバチをタレるだけで泣き寝入りするような人間から、
理不尽な社会と闘う女性へと成長していく物語である。


原作は「ナニワ金融道」で知られる青木雄二監修の同名コミックだが、主人公を女性に置き換え、
より親しみやすい作品に仕上がっている。

毎回、行政書士事務所を舞台に、不動産取得、離婚、セクハラなど、身近な法律問題を
取り上げており、楽しみながらトラブル回避のテクニックを学ぶこともできる。


正義感は強いが可愛げがない千春(深津絵里)と、ほんわか天然の希美(常盤貴子)との
小気味いい掛け合いも見どころである。











アンティーク〜西洋骨董洋菓子店〜


プロボクサー・神田エイジ(滝沢秀明)は、試合で目に障害を負い、引退を余儀なくされる。

ショックを受けたエイジは、元恋人・茜(西野妙子)のアパートに転がり込み、傷心の日々を過ごす。


ある日、深夜にランニングをしていたエイジは、開店早々のケーキ屋「アンティーク」を見つける。

そこには、店のオーナー・橘圭一郎(椎名桔平)と、天才パティシエ・小野裕介(藤木直人)がいた。


店のケーキを食べたエイジは、美味しすぎて大感動。店で働くことを申し出るのだが…。



洋菓子店を舞台に、個性的な従業員と客が織りなす人間模様を綴るハートフルコメディ。



財閥の御曹司だが洋菓子にこだわるオーナー・橘、不思議な雰囲気を持つ謎の天才パティシエ・小野。

そして元ボクサー・エイジの三人が、ケーキという夢に結ばれて、洋菓子店を切り盛りする。





訪れる客は、失恋に悩む女子大生や、難病の少女、過去の職務上の後悔に呪縛された警察官などさまざま。

そこで出されるケーキの数々は、どれも悪魔的なおいしさで、傷ついた客たちの悩みを癒すのだった。


さらに厨房の換気扇や冷蔵庫の電気ノイズ、はたまた時計の秒針までもが、ある種の不思議な幸福感を
漂わせる癒しのディテールとして作用しており、細部にこだわったワザありの佳篇に仕上がっている。













官房機密費


2001年3月、首相らの外遊を担当していた外務省官僚の不祥事が発覚した。


その官僚は10億円に上る官房機密費を受領していたのだが、このうち約7億円を
私的に流用。ゴルフ会員権や高級マンションの取得に浪費していた。


本人は外務省を懲戒免職のうえ、詐欺罪で逮捕されたが、この不祥事発覚で
官房機密費の実態も明らかになった。




官房機密費の原資は当然ながら税金だが、領収書が不要で会計検査院の監査も免除されている。

また、使途についても原則公開されることはない。だが予算額だけは公表されている。

2001年度までは年間16億円だったが、不祥事の発覚で2002年度から年間14億円に減額された。


2010年6月、野中元官房長官が読売新聞紙上で官房機密費の内訳について暴露している。

それによると、当時の小渕首相には月1000万円、幹事長には月500万円が渡されていた。


だが野中氏の証言の中で一番インパクトがあったのは、田原総一郎氏や三宅久之氏など
複数の政治評論家へ、盆暮れにそれぞれ数千万円が送られていたことだ。


官房機密費の内実は、中立であるはずのマスコミ界を飼いならす為の資金として使用され、
つまりは世論操作する為に国民の税金が使われているということだ。


なお、外務省不祥事の発覚後、外務大臣に就任した田中真紀子氏は、この機密費の
使い道を国民に明らかにすべきだと発言した途端、くびになってしまった。

この出費の経緯が不透明な官房機密費は、まさに与党のブラックボックスといえよう。