タイムカプセル (48) 平成14年 (2002年) MM21 タイム・カプセル
この年、初めての2ヶ国開催となったFIFAワールドカップ で、日本中がサッカーフイーバー。
日本代表チームは、6月4日、埼玉スタジアムでベルギーと2−2で引き分け、W杯初の勝ち点1をあげた。
さらに、9日のロシア戦で1−0で初勝利、14日のチュニジア戦も2−0で勝ち、予選1次リーグを1位で抜けた。
決勝トーナメントでは、惜しくも1回戦で破れたが、日本代表の健闘ぶりに日本中が一丸となって応援した。
(映画)第75回アカデミー賞「シカゴ」(作品賞)「 戦場のピアニスト 」(男優賞、監督賞)「千と千尋の神隠し」(長編アニメ映画賞)
「ハリー・ポッターと賢者の石」
東宝「猫の恩返し」
(音楽)第44回レコード大賞「Voyage」(浜崎あゆみ )
「亜麻色の髪の乙女」(島谷ひとみ)「きよしのズンドコ節」(氷川きよし)「traveling」「SAKURAドロップス」(宇多田ヒカル )「independent」(浜崎あゆみ)「東京」(桑田佳祐)上戸彩 「Pureness」で歌手デビュー。「爆笑スーパーライブ第1集! 中高年に愛を込めて」(綾小路きみまろ)My Gift To You(CHEMISTRY)LISTEN
TO MY HEART(BoA)ワダツミの木(元ちとせ)
(テレビ)NHK「利家とまつ・加賀百万石物語」(唐沢寿明 、松嶋菜々子 )NHK「まんてん」(宮地真緒)テレ朝「相棒 」(水谷豊 、寺脇康文)テレ朝「はぐれ刑事純情派 」(藤田まこと )テレ朝「子連れ狼」(北大路欣也 、小林翼)フジ「ホーム&アウェイ 」(中山美穂 、西田尚美、酒井若菜、小泉孝太郎)フジ「東京物語」(宇津井健 、松たか子 )フジ「空から降る一億の星」(明石家さんま 、木村拓哉 、深津絵里)フジ「人にやさしく」(香取慎吾、松岡充)
NTV「ごくせん1 」(仲間由紀恵 、生瀬勝久、松本潤)フジ「ショムニFINAL」(江角マキコ、高橋由美子 )フジ「ランチの女王 」(竹内結子 、妻夫木聡 )フジ「恋ノチカラ 」(深津絵里、堤真一 )NTV「ナースマン」(松岡昌宏、安倍なつみ)フジ「ナースのお仕事4」(観月ありさ、松下由樹)TBS「おとうさん」(田村正和 、飯島直子)TBS「こちら本池上署 」(高嶋政伸、水野真紀)NTV「行列のできる法律相談所」(島田紳助 、宮迫博之、磯野貴理子、北村晴男)
(スポーツ)第17回ワールドカップ (開催国)韓国・日本(優勝国)ブラジル。Jリーグでジュビロ磐田が初の完全優勝。松井秀喜(巨人)ニューヨークヤンキー スに移籍。
(ファッション)エスニック・ファッション
(流行語)「タマちゃん」「貸し剥がし」「ベッカム様」「ムネオハウス」「拉致」「ワン切り」「プチ整形」「イケメン」
(社会)通貨統合参加12ヶ国でユーロの紙幣・通貨の流通開始(1.1)三和銀行と東海銀行が合併し、UFJ銀行が誕生(1.15)TBSが横浜ベイスターズを買収(1.26)ブッシュ米大統領が北朝鮮、イラク、イランを「悪の枢軸」と非難(1.29)小泉首相、田中真紀子外相を更迭(1.29)秘書給与流用事件で辻元清美が議員辞職(3.28)
第一勧銀、富士、興銀の再編によりみずほが開業(4.1)米ヒューレットパッカードとコンパックが合併(5.7)中国警察、瀋陽の日本領事館内で北朝鮮の男女5人拘束連行(5.8)日本経済団体連合会(日本経団連)が発足(5.28)鈴木宗男衆議院議員あっせん収賄容疑で逮捕(6.19)雪印(1.23)に続き日本ハムも牛肉偽装事件(8.6)初の日朝首脳会談、その後拉致被害者が24年ぶりに帰国(9.17、10.15)
小泉改造内閣発足(9.30)日本航空と日本エアシステムが経営統合(10.2)ノーベル賞で日本初のダブル受賞。物理学賞で東大名誉教授の小柴昌俊氏。化学賞で会社員の田中耕一氏(10.8、9)インドネシア、バリ島で連続爆弾テロ、182人死亡(10.12)高円宮さま(47)スカッシュ練習中に心室細動のため急逝(11.21)東北新幹線「はやて」盛岡、八戸間が開業(12.1)
(物故)高橋圭三、坊屋三郎、村田英雄、山本直純、范文雀
(その他)小室哲哉 (43)、ASAMI(27)と離婚。宇多田ヒカル 、カメラマン紀里谷和明と電撃入籍。和泉元彌、羽野晶紀とできちゃった結婚。安室奈美恵 (24)、TRFのSAMと離婚。中山美穂 、芥川賞作家の辻仁成と結婚。小室哲哉(43)、globeのKEIKO(30)と再婚、結婚披露宴に小泉首相を招待。
発泡酒(アサヒ)。タンスにゴンゴン(大日本除虫菊)。エイベックスがコピーコントロールCD。長者番付、芸能1位浜崎あゆみ。「ハリー・ポッターと賢者の石」(J.K.ローリング 静山社)「世界がもし100人の村だったら」(池田香代子 マガジンハウス)「声にて読みたい日本語」(斉藤孝 草思社)
ショパン 「ノクターン」 (Nocturne) 第20番 嬰ハ短調 (演奏:小林愛美)
相棒
ダイナマイトを腹に巻いた男(泉谷しげる)が「警視総監に会わせろ!」と警視庁に乱入。
ダイナマイト男は、亀山刑事(寺脇康文)を人質に警視総監室に立てこもった。
警視庁特殊犯はヘリコプターからダイナマイト男を狙撃しようとする。
だが、亀山が邪魔になって思うようにならない。
騒ぎを聞きつけた杉下刑事(水谷豊)は、亀山を助けるべく、一人で総監室の中へ突入。
突然飛び込んできた杉下を見て、取り乱したダイナマイト男が叫ぶ。
「誰だ、おめえは! 何しに来た!」
「…あなたと少し、おしゃべりでもしようかと思いまして」
「相棒」は、頭脳明晰でクールな杉下右京と、その部下で熱血漢の亀山薫の二人が
タッグを組んで事件を解決していく刑事ドラマ。
二人は、かたや冷静、かたや無鉄砲という「でこぼこコンビ」だが、
どちらが欠けてもストーリーは先に進まない。
たとえば、亀山の何気なく取った行動が、杉下にひらめきを与えることもしばしばだ。
二人のコンビネーションこそが、事件を解決へと導くのである。
綾小路きみまろ
鹿児島県出身の漫談家、お笑いタレント。1979年(昭和54年)日劇より漫談でデビュー。
芸風は、毒舌風の漫談というジャンルであり、中高年世代の悲哀をユーモラスに語るのが特徴。
ステージ上のファッションは、カツラと扇子と燕尾服。
ライブの客は50代以上の中高年がほとんどである事から、中高年以降の夫婦の確執を
ネタにすることが多い。定番のフレーズは「あれから40年」である。
毒舌が度を超えてしまった時は「私も人の事をどうこう言える顔ではありません」
とフォローする。
最後は必ず「一言多かった事を心からお詫び申し上げます」と締めくくる。
「漫談を聴いて病気が良くなった」との評価を受けたこともあり、きみまろの漫談は
老化防止や病気の進行の歯止めに、大いに効能があるとの噂もある。
ランチの女王
麦田なつみ(竹内結子)は、カフェに勤める店員。唯一の楽しみは、休憩時間のランチタイムだ。
ある日彼女は、カフェの常連客(堤真一)から、突然婚約者のふりをしてくれと頼まれる。
聞けば、いきなり倒れてしまった父親に、嫁さんを紹介して安心させたいと言うのだ。
彼の実家は、洋食屋「キッチンマカロニ」で、先に行って店の様子を見てきて欲しいという。
店に入ったなつみは、さっそく好物のオムライスを注文する。
運ばれてきたオムライスを一口食べてみる。「おいしい!」となつみは満面の笑みを浮かべる。
だが、倒れたはずの父親はピンピンして働いている。いい加減な彼の話にあきれるなつみだった。
下町の洋食店「キッチンマカロニ」を舞台に、主人公・なつみと洋食店の面々との触れ合いを描く。
竹内結子演じるワケあり女性が、ひょんなことから洋食店の住み込みウエイトレスに。
洋食店には、様々な食材と共に、なつみにとって大好物のメニューが溢れていた。
オムライスにクリームコロッケ、ハンバーグなど、毎回これでもかと言わんばかりの誘惑が続く。
だが、洋食店を切り盛りする一家は、問題のある長男に振り回され、経営困難に陥っていた。
第一話、洋食店「キッチンマカロニ」を閉店するという話を聞いて、なつみが叫ぶ。
「ここのオムライス。本当においしかったの。なぜこんなおいしいもの、やめちゃうのよ。
いつも同じ場所にあって、変わらない料理が待っていてくれるって、すごいことなんだから」
たとえば、馴染みのある飲食店の閉店に、一抹の寂しさを覚えたことはないだろうか。
なつみの台詞のように、いつもそこにある奇跡は、当たり前すぎて気づかなくなっているのだ。
恋をしても、傷ついても、人は誰でもお腹がすくもの。
なにか嫌なことがあっても、おいしい物を食べただけで、気分が晴れることもある。
高級なモノではなく、身の丈に合った料理で充分、幸せを感じることができるのではないか。
意外と身近なところにある何気ない幸せ。本作は、それを気づかせてくれる作品である。
ホーム&アウェイ
結婚を目前にした中森かえで(中山美穂)は、元同僚と独身最後の上海旅行を楽しむ。
グルメを堪能して帰国の途に就くが、何と薬指にはめていた婚約指輪がない。
出発間際の飛行機を降りて、無事指輪を探し出し、3時間遅れの別便で成田に
帰り着くはずだったが、悪天候で仙台に着陸。
ここから帰りたくても帰れない、かえでの不思議な旅が始まる。
ヒロインのかえで(中山美穂)が日本中を放浪するハメになるという「月9」らしからぬ異色のドラマ。
かえでが家に戻ろうとすると、その都度不可抗力が発生。立て続けのアクシデントは、見ているほうも
驚きの連続だが、 そのうち「ここで帰れるはずは無いな」と先が読めてしまう。
このテンションで、なんとしても帰れない理由を次々と考えながら ドタバタと全11話のドラマを作って
しまう脚本家は物凄い才能だと思う。
度重なる災難を、あっさりと受け入れてしまうある種の「諦め」みたいなものも生じてなかなか面白い。
一方で旅先で出会った人々と、かえでとの心の触れ合いが描かれ、ロードムービーのような味わいもある。
恋ノチカラ
本宮籐子(深津絵里)は、大手広告代理店の庶務課に勤務するOL。
彼女は、30歳独身、恋人もなく、酒を飲むことだけが唯一の楽しみだ。
ある時、同僚の貫井(堤真一)が独立。新しい広告デザイン会社を興した。
その会社に、籐子も加わって欲しいという依頼が舞い込む。
籐子は、さんざん迷った挙句、貫井への憧れの気持ちもあって、
大手広告代理店を退職し、貫井の新会社に赴任する。
ところが、これが貫井の、とんだ勘違いだった。
秘書課の宮本曜子と、庶務課の本宮籐子を間違えて引き抜いてしまったのだ。
だが籐子は、前の会社を退職した手前、新会社に居座ることを決意する。
都会で暮らす三十代の男女の、等身大のハートフル・ラブストーリー。
新会社が立ち上がり、仕事を取りに行くが、元いた大手広告代理店に
邪魔をされ、仕事がもらえない日々が続く。
頼みの綱は、籐子のルームメイトである春菜(矢田亜希子)だった。
春菜の父親は、製薬会社の宣伝部長のため、籐子は一肌脱ぐことにした。
籐子は春菜の父親に、デザインの企画を採用してもらうことに成功する。
籐子は今回、新規顧客の獲得に貢献できたことに喜びを感じるのだった。
だが、これがきっかけで貫井と春菜はつき合いを始めてしまう。
その後、貫井は春菜との交際で心境に変化があり、社内の雰囲気も明るくなる。
じつは籐子は、貫井に淡い想いを寄せているのだが、その気持ちを隠して
貫井と春菜の恋を応援する。
一人でも平気と強がっているが、本当は寂しく、ちょっぴり嫉妬を感じたりもする。
でも、そんな自分を棚にあげ、人を励ましてしまうのが籐子の性格なのだ。
好きだからこそ、その人の幸せを最優先し、一番の理解者であろうとする。
そんなヒロインの繊細な心理を深津絵里が見事に表現している。
こちら本池上署
東大卒で国家公務員試験をトップ合格し、警察庁へ進んだ椎名啓介(高嶋政伸)
その後は、出身地の東京・本池上で、本池上署署長を10年にわたり務めている。
通常1〜2年で異動するキャリアが、同じ署の署長を10年務めるのは異例中の異例だ。
更には、勤務中に居眠りしていたり、ぼんやりしていることが多く、超エリート
らしからぬ仕事ぶりもあって、署員たちからは「昼行灯」などと囁かれている。
そんな彼だが、一旦事件が起これば、独特の手段で解決してしまうのだった。
高嶋政伸演じる署長の椎名啓介は、署員から「昼行灯」と噂され、一見ぼんやりしているが、
実は、色々なことがすべてわかっているような、不思議な面白い人物として描かれている。
童話作家の妻は、取材で海外に滞在しており、啓介は妻の母と一人娘の由美と三人暮らし。
特に、愛娘の由美には頭が上がらない。家での椎名署長は、まるっきりの親馬鹿である。
本作は、そんな椎名署長を中心に、個性的な署員や彼らの家族など、さまざまな登場人物
たちの人生が「涙」と「笑い」を交えて描かれる。
警察ドラマというジャンルだが、シビアではなく温かみのあるドラマを目指しており、
本池上署という一つの家族を描くホームドラマ的な雰囲気を感じさせる作品である。
2002年にスタートしたこのドラマ、第1シリーズ(全11話)が平均視聴率15.17%と好評で、
その後、第5シリーズ(2005年)まで制作されるという人気ドラマとなった。
悪の枢軸
2002年1月、ブッシュ米大統領はイラク・イラン・北朝鮮を「悪の枢軸」だとぶち上げた。
これは一般教書演説において、イラク・イラン・北朝鮮を大量破壊兵器を開発保有する
テロ国家と名指しで非難したものである。
だが、イラクやイランに言わせれば「おまえが言うな」である。
誰の目にも明らかであるが、世界最大の大量破壊兵器保有国はアメリカなのだ。
たとえば、アメリカが太平洋上に保有する18隻のオハイオ級原潜は、1隻につき
核弾頭24発を搭載可能であり、その1発は長崎型原爆の25倍に匹敵するとされる。
すなわち、これらの潜水艦のみで人類をほぼ絶滅させることができるのである。
かつて日本がハワイ真珠湾の米軍基地を空爆したことにより、太平洋戦争が勃発。
このときアメリカは「宣戦布告なき卑怯な奇襲攻撃」と声高に日本をののしり、
アメリカ国民の戦争意欲を沸騰させ、国民一丸となって戦争に邁進したのである。
60年後の2003年、今度はアメリカが国連の承認なしに、イラクへ奇襲攻撃を加えた。
イラクにしてみれば、バグダッドへいきなりミサイルが飛んできたのである。
これはまさに「宣戦布告なき卑怯な奇襲攻撃」と言ってもよいだろう。
イラクのフセイン大統領は「真のテロリストはブッシュ(米大統領)だ」と激高したという。
過去、自ら非難した行為を犯しても、何ら矛盾を感じず、結果として、戦争に勝てば、
それは卑怯な行為ではなくなるというのが、覇権国家アメリカの徹底した論理である。
まさにブッシュ大統領の言う「悪の枢軸」国家とは、アメリカ自身のことであろう。