ギリシア神話事典          あ行 い行   う行  え行  お行  か行 さ行 た行 な行 は行 ま行 ら行

イアシオンIasion
ゼウスとエレクトラ3(Electra プレイアス Pleias)の子。
兄弟のダルダノス(Dardanos)とともにサモトラケ島(Samothrake)に住んでいた。
デメテルの愛人となり、畑の上でこの女神と交合して富の神プルトス(Plutos)をもうけた。
(一説では、彼はデメテルを暴力で犯さんとし、ゼウスに雷霆で撃たれたという。アポロドロス 第三巻 12-1)



イアソンIason     
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イオルコス王(Iolkos)アイソン(Aison)とポリュメデ(Polymede ヘルメスの子アウトリュコス Autolykos の娘)の子。
アルゴ号の遠征を主宰した英雄。


イオルコスの王子だったイアソンだが、父王は異父兄弟のペリアス(Pelias)に王位を奪われてしまう。

ケンタウロス族の賢人ケイロン(Cheiron)に養育され、成長した彼は、王位を返してもらうために伯父ペリアスの元を訪れる。

ペリアスは王位を譲る条件として、はるか東、黒海の奥にある国コルキス(Kolchis)から、黄金の羊毛皮(Golden Fleece)を取って来いと命じる。


黄金の羊毛皮とはその昔、イアソンたちの祖先フリクソス(Phrixos)を、イオルコスからコルキスへと運んだ
空飛ぶ黄金の羊の毛皮のことで、おひつじ座の由来でもあった。(→ おひつじ座の伝説)

まずイアソンは、一緒に旅をする有志を募った。

集まったのは英雄ヘラクレス、竪琴の名手オルフェウス、名医アスクレピオス(Asklepios)など、
そうそうたるメンバーだった。

そして船大工のアルゴス2 に船の建造を依頼する。
こうして出来た船はアルゴ号(Argo)と名づけられ、英雄たちを冒険の旅へ送り出す。

なお、アルゴ号乗組員はアルゴナウタイ(Argonautai)と呼ばれ、計50人といわれる。



イアソンのアルゴ号遠征



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イアペトスIapetos
ガイアとウラノスの子。ティタン神族。
クリュメネ(Klymene オケアニド Oceanid 海のニンフ)との間にアトラス、メノイティオス(Menoitios)、プロメテウス、エピメテウス(Epimetheus)を儲けた。


イアンナ → イシュタル


イエス・キリストJesus Christ
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キリスト教に伝えられた創世理論によれば、神は、言葉の魔力によって、自分以外の神々や世界や生物など、ありとあらゆるものを創造することができた。
すなわち、名前を唱えると、その名前を持つ実体が出現したのである。

「言葉」はギリシア語で「ロゴス(Logos)」と言い、ギリシア哲学では、宇宙に内在する原理を意味する言葉であった。
ヨハネ福音書の冒頭にある「初めに言葉があった」とは、神の本質が「言葉(ロゴス)」の中に凝縮し、それが具体的な形をとって宇宙の起源を発現したものであるとされる。

ロゴスが神の言葉であるという思想は、後のキリスト教において、イエスが天地の創造に先立って存在したという「先在のイエス」の思想と結びつき、イエスがロゴスであるという思想が生まれた。
ヨハネ福音書1:14では、すべての被造物の源泉であるロゴスが、イエス・キリスト(人間)として受肉したことが述べられているのである。


初めに言(ことば)あり、言(ことば)は神と偕(とも)にあり、言(ことば)は神なりき。
(ヨハネ福音書 第1章1節)

言(ことば)は肉体となりて我らの中に宿りたまへり。
(ヨハネ福音書 第1章14節)

The Woman's Encyclopedia of Myths and Secrets (Barbara G. Walker)

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イオIo (ナイアス Naias 水のニンフ)
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アルゴス王イナコス河神(Inakhos)とメリア(Melia オケアニド Oceanid 海のニンフ) の娘。

ヘラの神殿の巫女であったがゼウスに愛されたことでヘラの怒りを買い、執拗に追い回される。
ヘラの目をあざむくため、ゼウスはイオを雌牛に変える。

ヘラはすぐに夫ゼウスの手口を見抜いたが、何も気がつかないふりをして、その雌牛を譲ってくれるよう、ゼウスに懇願する。
ヘラは、決して眠ることのない百眼の巨人アルゴスに雌牛の見張りを命じた。
常にいくつかの眼が開いていたので、ゼウスは雌牛に近づくことができなかった。

困ったゼウスはヘルメスにアルゴスを退治するよう命じる。
そこでヘルメスは葦笛を吹き、アルゴスの眼を全部眠らせ首を切り落とし、雌牛のイオを解放する。

しかし、イオの苦しみはなお終らず、ヘラによって送られたアブに刺されながら、世界中を放浪しなければならなかった。

最後にエジプトで人間の姿に戻って息子エパフォス(Epaphos)を生み、エジプト人にイシス(Isis)と呼ばれる女神としてあがめられたという。
(オウィディウス Ovidius『変形譚 Metamorphoses』巻九)

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イオニアIonia
エーゲ海に面した、古代アナトリア(Anatolia 現トルコ)南西部に存在した地方。
(The Encyclopedia Britannica)


イオルコスIolkos
テッサリア地方マグニシア県(Magnesia)のヴォロス市(Volos)に属する一地区。
アルゴ船の出航地として知られる。
(The Encyclopedia Britannica)


イカリオスIkarios
アテネ王。エリゴネ(Erigone)の父。アテネ王イカリオスは、ディオニュソスからワインの製法を教わり、人々にワインを振舞う。
酔っぱらったふたりの羊飼いは、毒を盛られたと勘違いして王を殺してしまう。
(The Ancient History Encyclopedia)


イカロスIkaros
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クレタ島の迷宮を建設した工匠ダイダロス(Daidalos)の息子。
父の発明した翼で空中を飛んだが、高く飛び過ぎ、太陽の熱で翼の蝋(ろう)が溶け、海に落ちて死んだという。


ダイダロスはイカロスの父で、工芸品の職人であった。

彼は、その技術を買われてクレタ王ミノスのもとで厚遇されていた。

だがある時、王妃から強引に頼まれて、木製の雌牛を作って雄牛と交わるのを助けた。

また、それによって生まれたミノタウロスを閉じこめるための迷宮ラビリンスを造った。

しかし、ミノタウロスがテセウスに退治されたあと、この殺害にダイダロスが手をかしたことが、ミノス王の怒りを買い、息子のイカロスと共に迷宮に閉じ込められてしまう。

迷宮を抜け出すために、堆積していた鳥の羽を集めて、大きな翼を造った。

大きい羽は糸でとめ、小さい羽は蝋(ろう)でとめた。

翼が完成した。二人は翼を背中につけた。

父ダイダロスは、息子のイカロスに言う。

「イカロスよ、よいか、いい気になってあまり高く飛ぶでないぞ。」

二人は迷宮から飛び立ち、空高く舞い上がった。

農作業中の人々や羊飼いたちが二人の姿を見て、神々が空を飛んでいるのだと思った。

イカロスは天空から下界を見下ろし、つい嬉しくなり、調子に乗ってしまった。

父の忠告を忘れ、高く、高く飛んでしまった。

太陽に近づくと、羽をとめた蝋(ろう)が溶け始めた。

イカロスは羽を失い、真っ逆さまに海へ落ちて命を失ってしまった。

(The Encyclopedia Mythica)

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イクシーオーンIxion
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ラピテース族(Lapithai)の王プレギュアス(Phlegyas)とペリメーレー(Perimele)の子。
デーイオネウス(Deioneus)の娘ディーア(Dia)と結婚し、ペイリトオス(Pirithous)をもうけた。

イクシーオーンはディーアへの豪華な贈り物を約束し、花嫁の父デーイオネウスを宴席に招いた。
このときイクシーオーンは宮殿に向かう道に落とし穴を掘り、穴の底には大きな炭火を仕掛けておいた。
なにも知らないデーイオネウスは罠に嵌って焼け死んだ。

このためイクシーオーンは最初の親族殺しといわれる。
神々はこれを許し難い行為だとした。
だが、ゼウスのみ彼を憐み、罪を浄めてやったばかりか、食事にまで招いた。

ところがイクシーオーンは、神々との食事に乗じて、あろうことかゼウスの妻ヘラを誘惑しようとした。
イクシーオーンは、ゼウスがヘラをしばしば裏切ってきたことから、その恨みを晴らす機会を得ればヘーラーは喜んで応じるだろうと考えたのだった。

しかし、この企みは事前にゼウスの知るところとなり、ゼウスは雲でヘラの似姿を作っておいた。
イクシーオーンは酒に酔ってこの雲を抱き、思いを遂げた。
そこへゼウスが突然姿を現し、ヘルメスに命じてイクシーオーンを鞭打たせた。
イクシーオーンはタルタロスに送られ、火が燃えさかる車に縛り付けられたまま空中を絶え間なく回転している。

ヘラの似姿をとった雲のかたまりは、やがてイクシーオーンの子を産んだ。
これがケンタウロスであり、多くの雌馬と交わって、好色・酒好きで半人半馬のケンタウロス族の祖となったといわれる。

(The Encyclopedia Britannica)

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イシスIsis
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天空神ヌト(Nut)と地の神ゲブ(Geb)の娘。
ナイル川デルタ地帯のブシリス(Busiris)北方のベーベイト・エル=ハガー (Behbeit el-Hagar) の大地母神。

古代エジプトは、古代日本と同じように多神教の国だったが、その神々の中でも古い時代から名前が見られ、至高の存在として長く信仰されてきたのは女神イシスであった。
イシスの古さは、すでに紀元前24世紀、古王国の第5王朝の頃、ウナス王 (Pharaoh Unas) のピラミッドの中に書かれた碑文の中にイシスの名前が見られることからもわかる。

元来、ナイルの豊穣を司る神としてエジプト各地で崇拝されていた。
遥か時代を下って紀元前5世紀、ギリシアの歴史家ヘロドトス (Herodotos) はイシスを、ギリシアの大地、農業の女神デメテル (Demeter) と同じものとみなした。

他方、死者の守護神で魔術を司る女神でもあった。
イシスはオシリス神 (Osiris) の妹、妻であり、太陽神ホルス (Horus) の母でもある。
エジプト名はアセト (Aset) で、玉座を意味している。

神話では、夫オシリスをセト (Set) に殺害された後、夫の遺体を集め、魔術によって夫の種を受け、身ごもってホルスを生んだ。
やがて成長したホルスは、復讐に立ち上がり、セトに戦いを挑む。

ホルスを亡き者にしようとするセトの企みをイシスはあの手この手で防いでいる。
このような献身的な妻、普遍的な母神としての性格から、古代エジプトでは最も親しまれる神となっている。

Myths&Legends(Philip Wilkinson)

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イシュタルIshtar/イナンナ(Inanna)/アシュタルテ(Astarte)
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古代メソポタミアのアッシリア・バビロニア地方で崇拝された性愛と豊穣多産の女神。
勇敢であるうえに美しく、金星と同一視された。
天空神アヌ(Anu)あるいは月神シン(Sin)の娘。
牧畜神タンムズ(Tammuz)/ドゥムジ(Dumuzi)の配偶女神である。

イシュタルはアッカド語名であり、シュメール神話におけるイナンナ(Inanna)に相当する。
カナンとエジプトではアシュタルテ(Astarte)という名で呼ばれた。

王権授与、王権を守る戦いの女神としても知られ、好戦的な性格であった彼女は、戦う英雄に力を貸すだけでなく、
自ら武器を背負って戦闘を指揮するほどであったという。

バビロンのイシュタル神殿では、王は神殿娼婦と呼ばれる巫女と性交儀礼を行い、正式に支配者として認知された。
古代世界においては、王権は女神(女神につかえる巫女)との神聖な結婚(聖婚 Sacred Marriage)によって授けられるものと信じられていたのである。

当時は売春行為は、現在とはかなり違い神聖な儀礼であった事をうかがい知る事ができる。
また、古代ギリシアのアフロディテ(Aphrodite)、北欧神話のフレイヤ(Freyja)など、多くの神話で、愛と美を司る女神が、
性に奔放な姿で描かれているのも、こうした神殿娼婦の影響によるものと考えられている。

→ ギルガメシュ叙事詩

Alchemical Studies (C. G. Jung)

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イシュタルの冥界下降Descent of Ishtar to the Nether World
バビロニア=アッシリア(Babylonia and Assyria)文学の一つ。
アッカド語(Akkadian language)の神話。
前2千年紀のシュメール語(Sumerian language)版に、ほぼ同形の神話がある。
アッカド語版には、ニネベ(Nineveh)のアッシュールバニパル(Ashurbanipal)の図書館跡出土のN版とアッシュール出土のA版との2種類がある。
N版は前7世紀中頃のもので、後者はそれよりも少し古い。
豊穣の女神イシュタルが、敵であり姉である冥界の女王エレシュキガル(Ereshkigal)と対決するために冥界へ下降するが、拘留され、身代りを差出す条件で地上へ帰還して、
留守中に喪に服さずにいた夫タンムズ(Tammuz)を身代りとして冥界へ降ろす物語。
(The Encyclopedia Britannica)


イシュタル門Ishtar Gate
バビロンの都の城壁門のひとつ
紀元前575年、新バビロニア(Neo-Babylonian Empire)のネブカドネザル2世(Nebuchadnezzar II)により建設された。
この門は女神イシュタルに捧げられたもので、その両脇にはそれぞれ一対の塔を有し、前後二段の部分から成り立つ巨大な門である。

この門は儀式の時に使われたと見られており、その表面を岩のように固い光沢レンガがおおい、色鮮やかな竜や雌牛の像がたくさん彫られていた。
この大通りからイシュタルの門に至る場所は、袋小路になっていて防御の要にもなっていた。

ここで、イシュタルの門めがけて殺到する敵兵あれば、この箇所で立ち往生になり、周囲の城壁の狭間からは、矢が雨あられのごとく降りそそがれ、殲滅させる仕掛けになっていたのである。
不思議館(www.cosmos.zaq.jp/t_rex/index.html)


イゾルデ(Isolde)→ トリスタンとイゾルデ


イタケ島Ithaca
ギリシアの西方イオニア諸島(Ionian Islands)中部の島。狭い地峡で結ばれた2つの石灰岩の山地から成る。ギリシア神話のオデュッセウスの故国とされる島である。
(オデュッセイア 第一歌 18) (The Encyclopedia Britannica)


一角獣 (Unicorn) → ユニコーン


射手(いて)座 → ケイロン


イデ山Ide
クレタ島で一番高い山。標高2456m。
ゼウスの母レアを祀る山として知られる。
伝説によると、斜面にあるディクテ(Dikte)の洞穴でゼウスが生まれたとされる。
(The Encyclopedia Britannica)

2 トルコ北西部、エドレミット湾(Edremit)の北海岸に位置する山。現カズ山(Mount Kaz 標高1767m)。
パリスの審判やゼウスによる美少年ガニュメデス誘拐の舞台となり、またその頂から神々はトロイ戦争を見守った。
さらにこの山は、キュベレ女神崇拝の中心としても名高い。
(The Encyclopedia Britannica)


イヴEve
旧約聖書において、人(アダム)の妻として彼の肋骨から神が創造した女性に、人(アダム)が付けた名。
なお、キリスト教新共同訳聖書並びに口語訳聖書においては「エバ(Eva)」と表記されている女性の名の異称である。
ユダヤ教、キリスト教、イスラム教で重要な人物とされている。
彼女は蛇の誘惑に負け、神の命令に逆らって知恵の木の禁断の果実をアダムとともに食べてしまった。
その結果、彼女達はエデンの園を追放され、原罪を受けた。
Alchemical Studies (C. G. Jung)


イドゥンIdun
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詩芸の神ブラギ(Bragi)の妻である豊穣の女神。
食べる者に永遠の若さを与える「不老のリンゴ」を所持しており、それをトネリコの箱に大事に保管していたという。

彼女はこのリンゴに関して、プライドを持っていたらしく、彼女のリンゴよりも良いものを見つけたという悪神ロキ(Roki)に
まんまと騙されて巨人スィアチ(Thiassi)に攫われたこともあった。

しかし、このリンゴは彼女以外には扱えないものだったようで、彼女が攫われた際には、神々は急速に年老いて大混乱に陥っている。

事態を重く見た主神オーディン(Odin)は、ロキを呼び出し、イドゥンを連れて帰って来るように命じた。
ロキは女神フレイヤ(Freyja)から鷹に変身できる羽衣を借りて飛び立った。
そしてスィアチの家でリンゴをかごに入れて散歩しているイドゥンを見つけ、連れ出すことに成功する。

スィアチもまた、鷲に変身して猛スピードで追いついてきた。
しかし、待ち構えていた神々が門のそばに薪を用意し、スィアチが近づいたとたん、火を放ったので、彼はそれにあたって墜落し、死んでしまった。

そして無事アスガルド(Asgard)へと戻ってきたイドゥンはすぐにリンゴを渡し、神々はもとの若く美しい肉体を取り戻したという。

Teutonic Myth&Legend (Donald A. Mackenzie)

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イフィゲネイアIphigeneia
ミュケナイ王アガメムノンと妃クリュタイムネストラの娘。
「強い生まれ」の意。トロイへ向かう艦隊が無風のためアウリスで立ち往生した際、それを解決するためには、アガメムノンの娘のうち最も美しい者を
アルテミスへ生け贄として捧げなければならないことをカルカスに予言され、アキレウスに報賞として娶らせるという口実で
ミュケナイから連れ出されて犠牲に供された。
一説によれば、アガメムノンがイフィゲネイアを殺そうとしたとき、アルテミスによって鹿にすり替えられ、タウロス人(Tauros)の国で
同女神に仕える巫女になったとされたとも、或いは女神により不死にしてもらったともいわれる。
(エウリピデス Euripides 『アウリスのイフィゲネイア Iphigeneia he en Aulidi 』)


イフリート (Ifrit) → ジン


イリアスIliad
古代ギリシアの長編叙事詩。「オデュッセイア」と共にホメロス作と伝えられる。24巻。
十年間にわたるトロイ戦争中の数十日間の出来事を描いたもので、アキレウスの怒りを主題とし、トロイ・ギリシア両軍の戦況の推移を描く。
(The Encyclopedia Britannica)


イリスIris  虹の女神。
エレクトラ2(Electra)とタウマス(Thaumas 海神ポントスの子)の娘で、神々(特にゼウス)の使者。踵に翼を持つ。


イルミナティ(Illuminati)
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この世界は、二重の支配構造から成り立っています。 
一つは、国家による支配で、もう一つは各国の中央銀行による支配です。

中央銀行といえば、政府機関の銀行と言うイメージがあります。
しかしアメリカの中央銀行である、FRB(米国連邦準備制度理事会)は、完全な民間企業です。
アメリカ政府は一株たりとも持っていません。

中央銀行の目的は、国の通貨を発行し、利息をつけて政府に貸し付けることです。
これを「通貨発行権」といいます。

実際に FRB が刷るドルというお金は、米国債を担保に FRB がアメリカに貸し付けた債権です。
アメリカ政府はドルが必要になると、米国債を発行して FRB に渡します。
FRB は米国債と引き換えに無からドルを創造し、アメリカ政府に渡すのです。

アメリカ政府、つまりアメリカ国民は利息を支払う義務を負います。
同時に「連邦所得税法」が制定され、連邦所得税が徴収され、それが FRB に流れるという壮大な搾取システムが出来上がるのです。

中央銀行は、通貨の量を調節することによって、人々の財産を通常の何分の一かの価格で収奪できます。
たとえば、通貨の流通量を増やすことによってお金の価値が下がり、モノの値段が上がります。
インフレによって国民の貯金はあっという間になくなります。

次に通貨の供給量を突然減らします。
物価は暴落し、銀行家達はタダ同然の値段で土地や不動産を買い占めることができます。


イルミナティ



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イロスIlos
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1 ダルダノス(Dardanos ゼウスの子)とバティエイア(Batieia
テウクロイ王 Teukroi テウクロス Teukros の娘)の子。
子なくして世を去り、彼の弟エリクトニオス(Erichthonios)が王位を継承した。(アポロドロス 第三巻 12-2)

2 トロイ王トロスとカリロエ3(Kallirrhoe ナイアス Naias 水のニンフ)の子。

ミュシア王(Mysia)アドラストス(Adrastos)の娘エウリュディケ3(Eurydike)を娶り、ラオメドン(Laomedon)を儲けた。
イロスはフリュギア で、その地の王が主催した競技会の相撲の部に優勝。

賞品として50人の少年と50人の少女を奴隷として獲得した。
また王は彼に斑の雄牛をあたえ、「その牛が横になったところに都市を築けという神託が下ったから、その通りにしなさい」といった。

イロスが牛の後についていくと、牛はアテ(Ate)という丘で横になった。
そこでイロスはそこに都市を築き、イリオン(Ilion)と名づけた。

(アポロドロス 第三巻 12-2,12-3)

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インキュバスIncubus/インクブス
女性を誘惑する淫魔。語源は「上に乗る」という意味のラテン語。
インキュバスは、寝ている女性のもとを訪れて精液を注ぎ込み、悪魔の子供を妊娠させるという。
犠牲者の理想の姿で現れるため、その誘惑を拒否することは非常に困難だった。
女性が望まぬ子供を孕んだときには「インキュバスの仕業だ」とされることもあり、不義密通の言い訳として大変役立ったという。
Witchcraft in The Middle Ages(Jeffrey Burton Russsel)
Demon Lovers(Stephens Walter)


インダス文明Indus Civilization
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紀元前2500年頃から1500年頃まで、インド西北のインダス川流域に成立した、都市文明。
代表的な遺跡が、下流域のモヘンジョ=ダロ(Mohenjo-daro)、上流域のハラッパー (Harappa) が代表的な遺跡である。
これらはいずれも現在はパキスタン領になっている。

インド領にはアラビア海に面したロータル(Lothal)や最近(1990年代)発掘されたグジャラート(Gujarat)地方の
ドーラビーラ(Dholavira)遺跡などがあり、インダス文明の遺跡はインドとパキスタン両国にまたがる広範囲に及んでいる。

その都市文明の特徴は、
①街路が整然と東西南北に並ぶ都市計画。
家屋は焼煉瓦造りで、下水・井戸・浴場などの衛生施設を持つ。
②公共的な建造物と思われる沐浴場(宗教的施設)、学校、公会堂、倉庫などを持つ。
③インダス川を利用した潅漑農業と、水牛、羊、象などの家畜の使用。
④彩文土器の使用。
⑤青銅器の使用(鉄器は知られていない)。
⑥印章の出土。
印章には象形文字(インダス文字)が描かれているが、未解読。
⑦シュメール人(Sumerian)のメソポタミア文明との共通性がみられる、などである。

世界史の窓(www.y-history.net/appendix/wh0201-001.html)

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インドの創世神話
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始まりにおいて、造物主ブラフマー(Brahma)はその光を宇宙にふりまき、万物の本質となった。
彼は時間を具象化し、真に宇宙的な時間規模での存在のサイクルをも司っている。

彼の生活の一昼夜は人間の時間にして43億2000万年にあたるという。
この時間が過ぎると、創造のサイクルも終わる。 

ブラフマーは瞑想し、宇宙がどのようなものかを熟考し、この構想に基づくイメージを作り上げた。
しかし宇宙が出現したら実際はどのようになるかわからないので、自分が作り上げたのは単にこの無知のイメージにすぎないと認識していた。

彼はこのイメージを放棄し、それが「夜」になった。
やがて「夜」が作り出した闇の子供たちが最初の悪魔となった。

こういった生き物が増え始めたので、プラフマーは再び集中し、創造の過程を始めた。

彼は瞑想し、太陽や星といった一連の存在に形を与えた。
それらは「夜」の闇とつりあうために光を放った。

いくつかの記述によれば、ブラフマーが「夜」の子孫である多くの悪魔たちとの平衡を保つためにヒンドゥー(Hindu)の数千の神々を作り上げたのはこのときである。

ブラフマーが世界に光をもたらすために作り上げたもののひとつがヴァク(Vak 言葉)という美しい生き物である。
この創造神話のあるバージョンは、ブラフマーとヴァクが交わりながら自分たちの姿を絶え間なく変え、その結果、地上に生息するあらゆる種類の動物か生まれた、としている。

しかし、造物主の娘と考えられるヴァクがしぶしぶ彼と交わったとする別伝もある。
ブラフマーがしつこく言い寄ったため、ヴァクは鹿に姿を変え逃げ出した。
ブラフマーは彼女を追いかけ捕まえたものの、自分の精子で彼女を受胎させることができず、地面に落ちた精子から最初の男と女が生まれた。

ブラフマーは絶え間なく姿を変え、さまざまな生命体を作り出したので、すべての生き物のなかに彼がいると言われる。

しかしそのように偏在していながら、ブラフマーには家もある。
霊峰メル山(Meru)の頂上にある神々の要塞の宮殿だ。

メル山はヒンドゥーの宇宙の中心にある。
その斜面から聖河ガンジスが流れ出して4つに分かれ、それぞれが4方位に向かって流れている。

Myths&Legends(Philip Wilkinson)

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インド神話Indian mythology
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インド神話は一般にヴェーダ(Veda)神話とヒンドゥー教(Hinduism)神話に大別されるが、ヴェーダ神話は、ヒンドゥー教の原点となるバラモン教(Brahmanism)に伝わる神話であるため、
分類と言っても両者に共通する神は多く見られる。
ヴェーダ神話は、紀元前1500年頃にイラン方面からやってきたアーリア人(Aryan)が自然の偉大さに感銘を受け、神格化したものとされている。

聖典とされるのは「リグ・ヴェーダ」(Rigveda)という10巻から成るインド最古の文献で、それによると33柱の神が存在し、彼らは天と空と地にそれぞれ11柱ずつ配されているという。

ヴェーダの神々としては、インドラ (Indra 帝釈天) 、スーリヤ (Surya 太陽神) 、ヴァーユ(Vayu 風神)、アグニ (Agni 火神) 、ソーマ (Soma 酒神) 、
ヴァルナ (Varuna 司法神、水天) 、ミトラ (Mitra 契約の神) 、サラスヴァティ (Sarasvati 弁財天) などが知られている。
なかでもインドラ神に関する神話は中心的な地位を占めている。

ヒンドゥー教の神話は二大叙事詩「ラーマーヤナ(Ramayana)」、「マハーバーラタ(Mahabharata)」、そして「プラーナ(Puranas)聖典」などで説かれている。

ヒンドゥー教神話にはヴェーダの神々のほかにも多くの神が登場するが、なかでも、ブラフマー (梵天) 、ヴィシュヌ(Vishnu)、シヴァ(Shiva)が三大神とみなされ、
特にヴィシュヌ神とシヴァ神は圧倒的な信者数を獲得し、ヒンドゥー教の二大宗派を形成するにいたった。
ビシュヌの妃ラクシュミー (Lakshmi 吉祥天) 、シヴァの妃パールヴァティ (Parvathi) もその夫と同様、広く民衆の信仰を集めた。

インド神話の神々としては、そのほかにも、愛の神カーマ(Kama)、富の神クベーラ (Kubera 毘沙門天) 、シヴァの息子スカンダ (Skanda 韋駄天) 、
シヴァの眷族のガネーシャ (Ganesha 歓喜天) 、死者の王ヤマ (Yama 閻魔) などが有名である。

(The Encyclopedia Britannica)

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インドラIndra/帝釈天/天空の神
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インドのヴェーダ(Veda)神話に見える雷霆(らいてい)の神。
戦車で空中を疾駆、猛威をふるう軍神。
仏教に入って仏法を守護する帝釈天となった。

インドラはヴェーダの神々の長で、その力と男らしさで知られている。
彼はその強力なヴァジュラ(Vajra 金剛杵)を使って、創造の過程を邪魔し生命を脅かす悪魔を攻撃する。

インドラが他の神々を超える優位をどのように手に入れたかについての有名な神話がある。
あるとき、ヴリトラ(Vritra 早魅の蛇)が宇宙の水を飲み込み、雨が降らないようにした。
ほとんどの神々は怖がって逃げ出したが、インドラはヴァジュラを蛇の体に突き刺し、命に必要な水が再び流れるようにした。

インドラは牛の守り神として、そして物質的な豊かさと幸福をもたらす神として崇められている。
彼は多くの戦いに勝利してきたので、とくに武人階級から崇拝されるようになった。

インドラはよく原初の海から現れた白象アイラーヴァタ(Airavata)に乗った姿で描かれる。
茶褐色の皮膚、一面四臂の彼は、象を操るための棒と2本のヴァジュラを持っている。

Myths&Legends(Philip Wilkinson)

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インプImp  ファミリアFamiliar
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スコットランドの作家、ロバート・ルイス・スティーヴンスン (Robert Louis Stevenson) の作品「びんの小鬼 (The Bottle Imp)」に登場する小鬼。

インプは人間の子供ぐらいの大きさで、頭には小さな角が生え、尖った耳、眼は充血しており、肩から小さな羽根が生えた姿をしている。

元来は悪戯好きの妖精、小鬼として扱われていたが、16世紀頃になると悪魔に分類され、更に魔女の使い魔とみなされるようになった。

使い魔は、普段は人目を引かないように、猫や犬、ヒキガエルやフクロウなどに化けており、魔女に魔法を教える代わりに、
魔女が良き道へと戻らないように監視し、より深く堕落するようにそそのかしていたという。

魔女狩りが行われた当時、魔女の住む家には使い魔のインプが居るとされ、「動物と話しているのを見た」などという言いがかりをつけられ、
無実の人々が多数、処刑台へと送られたのである。

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