ボイオティアBoiotia
古代ギリシア中央部の地方。
南にコリントス湾、北東にエウボイア湾を控え、南東はアッティカと接し、オルコメノスとテバイ周辺の平野が中心。
豊かな「牧草地」が地名の由来。特に名馬の産地として名高かった。
前四世紀テバイを中心に繁栄を誇ったが、その後は自給自足の農耕牧畜を主に、
進出政策はとらず、ギリシアのなかでは後進地方とみなされた。
(The Encyclopedia Britannica)
北欧神話Nordic myths
北欧に古代から伝わるゲルマン民族に共通の神話。
ノルウェー、スウェーデン、デンマークなどいわゆる北欧人の間に伝承された。
天地創造、神々の英雄的行為や巨人族との闘いなどを扱う。
地理的位置や、他のゲルマン人よりも遅くキリスト教に改宗したことなどもあって、
比較的純粋に保存されているとされる。
特にアイスランドの新旧両「エッダ(Edda)」にその内容がうかがわれる。
また一部断片的にルーン石碑(Rune Stone)や絵画石碑にも記録された。
神々の王オーディン(Odin)、雷神で戦神でもあるトール(Thor)、豊穣神フレイ(Frey)を中心に、
オーディンと並ぶ主権神のテュール(Tyr)、フレイの父で海の神のニヨルド(Njord)らの神々や
オーディンの妃フリッグ(Frigg)、フレイの姉妹のフレイヤ(Freyja)らの女神たちが主役を演じ、
これに霜の巨人たちをはじめとする多くの悪魔的存在や怪物たちが対立し、
世界の終りの時ラグナロク(Ragnarok)には神々の軍勢と魔軍との決戦が行われ、現在の世界は焼き滅ぼされる。
しかしそのあとに新世界が誕生し、生残った少数の神々がこれを支配するとされる。
特異な存在はロキ(Roki)で、最初は神々の仲間であったが、さまざまな悪事を働いた結果、恐ろしい罰を受け、
ラグナロクのときまで緊縛されているが、最後の決戦には自分の子供たちである怪物たちとともに魔軍に加わって神々と戦い、
ヘイムダル神(Heimdall)と相討ちになって死ぬという。
(The Encyclopedia Britannica)
ボスポラス海峡Bosporus
トラキア(現在のトルコのヨーロッパ部分)と小アジアをを隔てる海峡。
(The Encyclopedia Britannica)
ポセイドンPoseidon/ネプチューン(Neptune) 海神。
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ポセイドンはゼウスの兄で、海を司る神である。
ゼウスにはハデス(長兄)とポセイドンのふたりの兄がおり、ティタン戦争の勝利の際、三人はくじ引きをして世界を分けた。
このとき、ポセイドンは海を支配することになった。
ポセイドンの武器は先が三つに分かれた三叉の矛(ほこ)で、これが彼のトレードマークである。
この矛で海をかき混ぜて、荒波を起こしたり、ときには地面を突いて泉を噴出させることもあった。
ポセイドンはかなり激しい気性の持ち主で、機嫌を損ねると地震や津波を引き起こした。
そのため、人々に恐れられる神だった。
一方、相当の野心家でもあったようで、ほかの神々が守る都市の統治権を我が物にすべく、たびたびいざこざを起こしている。
そのポセイドの妻は、アムフィトリテという名の美しい海のニンフである。
しかしポセイドンは、彼女以外にも複数の女神や人間の女性と交わって多くの子供を持った。
彼もまたゼウスに負けず劣らずの女好きだったのである。
ポセイドン
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ポセイドンとアテナPoseidon & Athena
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古代イオニアの支配権をめぐって、海神ポセイドンと女神アテナとが競争したという伝説がある。
ポセイドンとアテナは、ともにイオニアの守護神になりたかった。
三叉の矛を持つポセイドンと槍を持つアテナは手ごわい敵同士だったが、彼らは争いを平和的に解決することにした。
ふたりの神は宣戦布告するのではなく、イオニアの人民にとって最良の贈り物をするという競争で決着をつけることにした。
ポセイドンがアクロポリス(町全体を見渡せる丘)に登り、頂上に着いて三叉の矛で地面を強打すると、塩水の泉が湧き出た。
次にアテナがアクロポリスにやってきて贈り物を披露した。
それはこの地に初めて生えたオリーヴの木だった。
主神ゼウスはオリュンポス山の他の神々に、贈り物を判定してどちらが勝者かを決めるよう命じた。
泉の出現は見栄えがしたが、海水は市民にとってほとんど役に立たない。
オリーブの木からは実がとれ、その油は料理にも明かりにも使える。
オリーブ油はこの地の人々にとってだけでなく商人にも有益な品だ。
だからオリーヴの木はこの地の人々を養うとともに彼らを豊かにすることができる。
また、オリーヴの木を建築材に使うこともできる。
イオニア人の王ケクロプスは、このような木が今までアクロボリスにはなかったことを確認した。
すべての証言を聞いたのち、ゼウスはアテナを競争の勝者と宣言した。
彼女はイオニアの守護神となり、この都市は彼女にちなんで「アテネ」と名づけられた。
ポセイドンは競争の結果を聞いて激怒した。
彼は三叉の矛をとると何度も海を強打し、大嵐を引き起こした。
水がせり上がり、アテネのあるエレウシスの平野を洪水が襲った。
水は長期にわたり平野を覆ったが、最終的に引き、アテネ人は町を復興させることができた。
彼らは繁栄をもたらす新たな守護女神アテナを祭る神殿を建てたが、怒った神をなだめるためにポセイドンにも捧げものをした。
Myths & Legends (Philip Wilkinson)
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ホメロスHomer
古代ギリシアの詩人。
前八世紀頃小アジアのイオニアに生まれ、吟遊詩人としてギリシア諸国を遍歴した。
英雄叙事詩「イリアス」「オデュッセイア」の作者とされる。
(The Encyclopedia Britannica)
ホメロス讃歌Homeric hymns
ホメロスの歌を吟誦する吟遊詩人たち(Homeridai)が、各地の祭礼や人々の集りにおいて、ホメロス吟誦の序歌として歌った歌 34編を集めたもの。
いずれも祭礼の主神、または詩歌女神ムーサ(Musa)に対する祈願の歌で、短いものは神の祭祀名と業績を数え上げるだけである。
長い歌は美しい叙事詩にまで発展している。
作者未詳で、年代は前七〜四世紀にわたる。
名高いのは、古代においてホメロス作と考えられた『デロスのアポロン賛歌 Hymn 3 To Delian Apollo』、ヘルメスの幼時の牛盗みと竪琴の発明を歌う
『ヘルメス賛歌 Hymn 18 To Hermes』、アフロディテとアンキセス(Anchises)の結婚を歌う『アフロディテ賛歌 Hymn 10
To Aphrodite 』、
デメテルとペルセフォネ(Persephone)の伝説に加えてエレウシス(Eleusis)の祭礼の縁起を歌う『デメテル賛歌 Hymn 2 To
Demeter 』など。
ホメロスの言語の伝統を忠実に守り、文体もホメロスの形式や定句を自由に生かしている。
(The Encyclopedia Britannica)
ホーラHora
複数形はホーライHorai。
ゼウスとテミスの間に生まれた娘たちで、「秩序」、「正義」、「平和」を司るエウノミア(Eunomia)、ディケ(Dike)、エイレネ(Eirene)を指す。
また彼女たちは、植物や花を生長させる季節の女神(芽生え、生長、結実)としての側面を持ち、自然の正しい移り変わりと人間社会の秩序の二様の女神と見なされている。
ポリスpolis
古代ギリシアの都市国家
ポリスは中心市と農耕周域部から成り、大多数は城壁を備え、市内には原ポリスである城塞 (アクロポリス)、市場 (アゴラ) が存在し、周域部には市民の所有地、共有地があった.
君主政に対立する民主政体として生じ、自由と自治を理想とし、市民は氏族および宗教共同体の一員であるばかりでなく、国家共同体の一員としてもっぱら政務、軍務にたずさわった。
民主政組織の最も典型的な例はアテネで、前五世紀ごろに市民全体の政治参与を実現した民会 (エクレシア Eclesia) がとりわけ良く知られている。
なお、政治や政治学を意味する Politicsという言葉は Polisに由来する。
(The Encyclopedia Britannica)
ポリュデウケスPolydeukes
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ゼウスとスパルタ王妃レダの息子。カストル(Kastor)の双子の弟。
双子の兄弟は仲が良く兄カストルは馬術に優れ、弟ポリュデウケスは拳闘に秀でていた。
その才能を活かし金羊毛を探すアルゴ船の冒険に英雄たちと一緒に参加した。仲睦まじく暮らしていた兄弟だったが悲劇は突然に訪れる。
当時のギリシアには同じく双子の英雄がいた。
メッセネ王 Messene アファレウス Aphareus の二人の息子、名をイダス(Idas)とリュンケウス(Lynkeus)と言う。
この兄弟もアルゴ船の冒険に参加し、カストル・ポリュデウケス兄弟とも非常に仲が良かった。
ある日、このニ組は揃って牛を奪いに行った。
首尾よく牛を奪い終え、分配をしようという段階になってイダス兄弟はこれを独占しようと画策する。
そのことに気付いたカストル・ポリュデウケス兄弟は牛をイダスたちから強奪し逃走する。
このことによりニ組の双子の間で争いがはじまった。
カストルはこの争いの最中に命を落とすが、ポリュデウケスはイダス兄弟を殺害し、兄の復讐を果たす。
その後彼らはゼウスの手により二人とも天上に上げられ双子座として夜空に輝くことになったという。
(Theoi Greek Mythology)
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ポリュフェイデスPolypheides
シキュオン王。
アガメムノンとメネラオスが子供の時、乳母がテュエステスより逃れるため、彼に預けた。
彼はさらにカリュドン王オイネウス(Oineus)に二人を託した。
ポリュフェモスPolyphemos
1 ポセイドンとニンフのトオサ(Thoosa)の息子。単眼巨人キュクロプスたちの一人。
ポリュフェモスはキュクロプスたちの国の洞窟に住んでいた。
オデュッセウスがその島に立ち寄った際、閉じ込められ仲間が数人食べられてしまったためポリュフェモスの眼を潰し、羊の腹の下に隠れて洞窟を脱出した。
(オデュッセイア 第一歌 70, 第九歌 256-566)
ある時、ポリュフェモスはネレイデスの一人、ガラティア(Galateia)に恋をした。
しかし、ガラティアはシチリアの羊飼いアキス(Akis)を愛していた。
嫉妬に狂ったポリュフェモスはアキスに岩を投げつけて殺してしまった。
死んだアキスの血はエトナ山のそばを流れる河となった。
(オウィディウス Ovidius『変形譚 Metamorphoses』巻13)
2 ラーリッサ王(Larissa)エラトス(Elatos)の子。アルゴ号遠征隊の一人。
ポリュヒュムニア Polyhymnia
ムーサの一人で讃歌(のちにマイム)を司る。
ボルBorr
ブーリ(Buri)の子であり、女巨人ベストラ(Bestla)を妻とし、オーディン(Odin)、ヴィリ(Vili)、ヴェー(Ve)というアース神族の三男神の父となる。
Teutonic Myth&Legend (Donald A. Mackenzie)
ホルスHorus
エジプト神話に登場する天空と太陽の神。
エジプトの神々の中で最も古く、最も偉大で、最も多様化した神の一つである。
太陽神ラー(Ra)の息子で天空神・隼の神である大ホルスと、オシリス(Osiris)とイシス(Isis)の息子の小ホルスという同名の神が二柱存在し、
やがて習合されたものだとされている。
これ以外にも様々な神との習合が見られる。
通常は隼の頭を持ち太陽と月の両目を持つ男性として表現される。
時代とともに、その姿は隼から人間の姿をとるようになる。
小ホルスは、オシリスの息子としてオシリス殺害の神話に取り入れられたことで、叔父セトに奪われた王位を奪還するという役目を演じることになる。
王はホルスの化身であることから、この神話は王位継承の儀式として取り入れられるようになった。
そのためファラオたちは皆「生けるホルス」の称号をもつ。
有名なシンボルである「ウジャトの目(Eye of Wedjat)」とは、ホルスの目のことである。
ホルスの元素は、大気と火。その色は、一般には黒、赤、白である。
Alchemical Studies (C. G. Jung)
ポルターガイストPoltergeist
ヨーロッパの民間信仰に登場する家事の精のドイツ語での呼び名で「騒霊」の意。
ポルターガイスト現象の発生は、古代ローマ時代以前から記録されている。
家の中のものを投げたり動かしたり、壁や床をコツコツたたいたり、あるいは人間を投げ飛ばしたりさえする、目に見えない力となって現われる。
1977年、ロンドン北部の町エンフィールド(Enfield)で起こった事件はよく知られている。
このポルターガイストは、公営住宅の2階に住むハーパー(Harber)夫人と4人の子供がいる家庭で発生し、1年2ヵ月もの間、続いた。
そこでは、ありとあらゆる「物理的心霊現象」が引き起こされた。
壁や床から音が聞こえ(ラップ現象)、大小の家具が動き(Psychokinesis テレキネシス現象)、モノが燃え(発火現象)、
突然見慣れない物体が現れ(aportation アポーツ現象)、得体の知れない声が聞こえ(直接談話現象)、人間が空中に浮き上がる(浮揚現象)など、
さまざまな物理的心霊現象が出現した。
そうした現象はたいてい人間の子供か若者の周りに集中して起こっている。
こうした説明のつかない出来事が今日でも報告されているという。
Spirits, Fairies, Gnomes, and Goblins (Carol Rose)
ボレアスBoreas
アストライオス(Astraios)とエオス(Eos)の子で「北風」の神。ゼテス(Zetes)とカライス(Kalais)の父。
ポントスPontos
海洋神。原初の海を表す擬人神。ガイアの子。
ガイアと交わってネレウス(Nereus)、タウマス(Thaumas)、フォルキュス(Phorkys)、ケト(Keto)、エウリュビア(Eurybia)、ハリア(Halia)の父となった。