11月 14 日  タイムカプセル (41) 平成7年 (1995年)  ゆりかもめ   タイム・カプセル

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この年、1月17日午前5時46分、近畿地方を中心に、かなり広い地域を強烈な地震が襲った。震源は淡路島。
マグニチュード7.2の直下型地震で、神戸、洲本は震度6(烈震)を記録。

この地震で阪神間や淡路島を中心に各地で建物の倒壊や火災が相次いだほか、高速道路の崩壊、
高架の落下、道路陥没に加え、JR、私鉄なども多大な被害を受けマヒ状態となった。

死者6432人、約51万棟の住宅が全半壊、一部損壊し、都市型基盤をほぼ壊滅状態に陥れた。

(映画)第68回アカデミー賞「ブレイブハート」
「ダイ・ハード3」「フォレスト・ガンプ」「マディソン郡の橋」「リービング・ラスベガス」「セブン

(音楽)第37回レコード大賞「オーバーナイト・センセーション」(trf)

LOVE LOVE LOVE」(DREAMS COME TRUE)「ら・ら・ら」(大黒摩季)「TOMORROW」(岡本真夜)「ひとひら」(下田逸郎)「ズルい女」(シャ乱Q)「ねがい」(B'z)「夢見る少女じゃいられない」(相川七瀬) 

(テレビ)コメディーお江戸でござる(NHK 伊東四朗大地の子(NHK 仲代達矢、上川隆也)金田一少年の事件簿2(日テレ 堂本剛、ともさかりえ)愛していると言ってくれ(TBS 豊川悦司、常盤貴子)星の金貨(日テレ 酒井法子、大沢たかお)3年B組金八先生4(TBS 武田鉄矢、森田順平)ASAYAN(テレ東 ナインティナイン、永作博美、中山エミリ)

未成年(TBS いしだ壱成、香取慎吾)人生は上々だ(TBS 浜田雅功、木村拓哉)いつかまた逢える(フジ 福山雅治、桜井幸子)For You(フジ 中山美穂、高嶋政伸)僕らに愛を!(フジ 江口洋介、鈴木杏樹)まだ恋は始まらない(フジ 小泉今日子、中井貴一)王様のレストラン(フジ 松本幸四郎、筒井道隆、鈴木京香、山口智子)沙粧妙子 最後の事件(フジ 浅野温子、柳葉敏郎)開運!なんでも鑑定団(テレ東)新世紀エヴァンゲリオン(テレ東)



                             



(スポーツ)野茂投手、大リーグで新人王
(ファッション)へそ出しルック (丈の短いシャツを着て、お腹を見せ、おへそを強調するファッション。10代の冒険ファッションとして広まった)

(流行語)インターネット、NOMO(野茂投手)ルネード、戦後50年、キムタク、ライフライン、オウム(ポア、サティアン、ホリーネーム)減肥石鹸、激やせ、ワタシ脱いでもすごいんです

(社会)01/17阪神・淡路大震災、6,308人が死亡。03/20地下鉄サリン事件、11人が死亡、約5,000人が重軽症を負う。04/09東京都知事選挙で青島幸男氏、大阪で横山ノック氏が当選。05/16オウム真理教代表の麻原彰晃を地下鉄サリン事件の首謀者として逮捕。07/01製造物責任(PL)法が施行。07/01PHS(簡易型携帯電話)サービス開始。

07/10ミャンマーのアウン・サン・スー・チーさん、6年ぶりに解放。09/05フランスがムルロワ環礁で核実験を強行。国際的非難が高まる。11/01東京臨海副都心と都心部を結ぶ新交通システムゆりかもめが開業。11/04ラビン・イスラエル大統領が、イスラエル人により暗殺される。12/14ボスニア・ヘルツェゴビナ紛争終結の平和協定が結ばれる。

(物故)テレサ・テン(42歳)入江たか子(83歳)

(その他)広末涼子、フジ「ハートにS」でデビュー。藤原紀香、映画「BAD GUY BEACH」で女優デビュー。矢田亜希子、TBSドラマ「愛していると言ってくれ」でデビュー。仲間由紀恵、日テレ「日本一短い母への手紙2」でデビュー。堺雅人、フジ「ハートにS」でドラマデビュー。貴乃花、河野景子と結婚。

ウインドウズ95 。「ドラゴンクエストVI 幻の大地」(ENIX) SFC/PS「クロノ・トリガー」 (Chrono Trigger ENIX)  デジタルカメラQV−10。ソフィーの世界。新・太陽の法。PHS。MDプレーヤー。NOVAの日(駅前留学NOVA)



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LOVE LOVE LOVE (愛していると言ってくれ 主題歌)









愛していると言ってくれ


晃次(豊川悦司)は、紘子(常盤貴子)を母校の美大に誘う。

紘子が、学園生活に憧れていたと寂しげに言うのを聞いたからだ。


二人は夜の大学で黒板に相合傘を書き、晃次が教室の机に残した落書きを見てはしゃぐ。


帰り際、紘子は晃次に、もう一度大学時代に戻りたいかと尋ねる。

晃次は首を横に振り、手話でこう伝える。





「ここに君はいない、ここにあるのは思い出だけだ。僕は今を生きている。
そして、いまの僕が愛しているのは、君だけだ」



幼い頃に聴覚を失った画家・榊晃次と劇団員の水野紘子が、
言葉や境遇の壁を乗り越えて愛を深めていくラブストーリー。

セリフを手話で伝えることで、恋の切ない想いが凝縮して表現された。


作品は、東京・吉祥寺の井の頭公園界隈のロケーション映像をふんだんに盛り込み、
恋のきらめきが叙情的に描かれている。










 


NOVAの日


英会話ぐらいは当たり前といわれる時代。

学校、会社帰りに英会話という静かなブームが起こっていた。

そこで「NOVAの日」である。


会社帰りという日常の一コマ。同僚に誘われて

「オー、アイムソーリー、アイ・ハブ・アポイントメント」

と、典型的な日本語英語でこれを断る。


そのおかしさと親近感、何でも英語でが肝心という商品の売り。

冴えないサラリーマンが、流暢に英語を話す姿がセンセーショナルだった。











大地の子


松本勝男(上川隆也)は、敗戦時の満州で祖父と母を失った日本人戦争孤児である。


勝男は人買いに捕まり、中国人農家に売られて酷使される日々を送っていた。

度重なる虐待に耐えかねて逃げ出した彼は、小学校教師の陸徳志に助けられる。


子供のない陸徳志夫妻は、勝男に一心という名を与え、実の息子のように育てる。

立派な青年に成長した一心だったが、彼の背後に文化大革命の嵐が押し寄せる。




一心は、身に覚えのないスパイ容疑をかけられ、労働改造所へ送られてしまう。

5年後、養父・陸徳志の命がけの嘆願により、ようやく彼は釈放された。


やがて一心は、日中共同事業である製鉄所建設チームの一員として働くことになる。

その事業の中で彼は、生き別れた父・松本耕次(仲代達矢)と運命的な出会いをする。



山崎豊子が中国での長期取材をもとに書き上げた同名小説のドラマ化。
中国残留孤児の半生を通じて、戦争の悲劇と国家のエゴを描いた大作である。


ドラマは、2万人のエキストラを動員して、128日間の中国ロケを敢行。

激動の戦後史をリアルに再現して、残留孤児・一心の苦難の半生を重厚に描いた。

過去に、文化大革命の実態をこれほど赤裸々に伝えた番組はないとされる。


一心の養父母をはじめ、彼をめぐる人々の愛もテーマのひとつで、中国の俳優が
それを滋味深く表現し、戦後の歴史に残る記念碑的なドラマとなった。













王様のレストラン


原田禄郎(筒井道隆)は、フレンチレストラン「ベル・エキップ」の若きオーナーである。

父親が突然亡くなったため、サラリーマンだった彼が後を継ぐことになったのだ。


だが、レストランは赤字続きでスタッフたちもやる気がない。

そこで禄郎は、かつて父といっしょに働いていた千石武(松本幸四郎)を呼び寄せる。


超一流のギャルソンだった千石は、あるとき父と意見が対立し、店を去っていたのだった。

千石は早速、店の改革に着手するが、その頑固で厳格なやり方に、スタッフ一同は反発する。





廃れたフレンチレストランが舞台。亡くなったオーナーシェフの跡を継いだ息子、
そして伝説のギャルソンが、スタッフと共に、店を立て直す姿を描いた群像劇。


ここは、接客も料理も一流とは言えず、お客も離れてしまったフレンチレストラン。

働いているスタッフたちも、仕事への意欲を失っている。

そんな寂れた店に、伝説のギャルソンが現われ、新たな幕を開くことになる。


スタッフの中には、個性が強く反発する者もいたが、ギャルソン千石のプロ意識と気迫に
触発され、次第にやる気と連帯感が生まれてくる。


ドラマ自体は、レストランの中だけで進行する舞台演劇を思わせるストーリー展開。

主演の松本幸四郎をはじめ、実力十分な舞台経験者たちでドラマが彩られている。


個性溢れる登場人物たち、そして軽妙な会話劇、レストランという密室で起こる出来事を
重ねていくことで紡ぐ悲喜こもごもの人間ドラマは、多くの視聴者の笑いと涙を誘った。












沙粧妙子 最後の事件


岩手県警の新米刑事・松岡優起夫(柳葉敏郎)は、突然、警視庁捜査一課勤務を命じられる。


着任早々、松岡は、誰もが嫌がる女刑事・沙粧妙子(浅野温子)とコンビを組まされる。

その頃、東京では小指の爪をはがして殺害するという猟奇的な連続殺人が起こっていた。


事件の現場では、捜査一課の面々が、容疑者と目される部屋に踏み込む準備をしていた。

容疑者に捕まっているという男性から助けを求める通報があったためだ。





だが、容疑者の男を取り押さえたものの、突然男は血を吐いて死んでしまう。

一方、現場のビルの屋上で張っていた松岡と沙粧は、よじ登ってくる若い男を発見する。


無事に保護された谷口光二(香取慎吾)というその男は、どうやら事件の被害者らしい。

だが、頭部を強く打っており、事件のことは何も覚えていないという。


捜査一課の高坂警部(蟹江敬三)は、事件現場で服毒自殺をした男が犯人だと断定する。

だが、沙粧妙子は、被害者とされる若い男が、事件の真犯人だと主張するのだった。




当時、社会的にも注目されていた「犯罪心理プロファイリング」を行う女刑事・沙粧妙子を
浅野温子が演じ、連続猟奇殺人事件の捜査の様子を描いている。


かつて異常犯罪に関するデータから犯人像を推定するプロファイリングチームの一員だった
沙粧は、この手法を駆使して犯人像に迫ろうとする。


だが、沙粧のこうした特殊な捜査方法についていけない松岡は、何度も上司の高坂警部に
沙粧とのコンビ解消を交渉するのだが、許可はおりないままであった。


やがて松岡は、科捜研職員の池波(佐野史郎)から、プロファイリングチームのリーダー
だった沙粧の元恋人、梶浦圭吾(升毅)の存在を知らされる。


本作は、息も吐かせぬストーリー展開とオカルト風の雰囲気を持つサイコサスペンスドラマの
鏑矢とも言える作品で、以降の刑事ドラマなどに大きな影響を与えることになった。











コメディーお江戸でござる


ある日、長屋の家主・喜平(山田吾一)が質屋に名のある壺を持ち込む。

質屋の主人・伝兵衛(伊東四朗)は、その壺は偽物なので値打ちはないと言う。


実は喜平は、ばくちの借金百両を返済しなくてはならなかったのだ。

だが、壺以外に返済のための質草がない。

困った喜平に伝兵衛は、百両を貸す条件として、長屋を質草として要求する。




芝居小屋風の舞台で、江戸庶民の暮らしをコミカルに再現した公開収録番組。

伊東四朗が座長をつとめる一座による芝居を中心に、江戸風俗評論家・杉浦日向子の
面白江戸講座、若手演歌歌手の歌などで構成されていた。


芝居が上演されたあと、長屋など建物や土地といった不動産は質草にならないこと、
また質屋をめぐる江戸時代の風習について、杉浦日向子の解説が行われる。


江戸の庶民は、夏が来たら布団を質屋に入れ、冬になると今度は蚊帳を質草にして
布団を請け出すというように質屋を収納場所としても利用していたらしい。


コメディーと解説をミックスした番組で、喜劇でありながら教養的な満足感も得られる
新感覚の番組として、2004年に終了するまで9年間にも及ぶ人気長寿番組となった。














新世紀エヴァンゲリオン


エヴァンゲリオン(Evangelion) とは、ギリシア語で福音(Good News) の意味である。

作品のテーマは、ユダヤ神秘思想をモチーフとした人類の魂救済を志向しているとされるが、
罪多き人間が産み出した人造人間の名が「エヴァ」というのは、原作者の大いなる「アンチテーゼ」であろうか。


物語の舞台は近未来、2015年の富士山麓、第3東京市。

その第3東京市に対し、正体不明の「使徒エンジェル」と呼ばれる存在が、断続的に攻撃を仕掛けてくる。

その攻撃に対抗できるのは、巨人型人造人間エヴァンゲリオン(通称エヴァ)のみが知られているが、
これもまた人類のテクノロジーを超えた存在であり、しばしば暴走する。




エヴァは3体あり、それぞれに14歳の子供(シンジ、アスカ、レイ)が専属操縦者として選ばれている。

ストーリーは、この3人に、29歳の女性ミサトを加えた4人の人物を中心に進む。


シリーズ前半、作品は、ほぼよくできたSFアニメとして進行する。

だが、シリーズ後半、その作品世界は、急速に凄惨さを増し、登場人物たちはコミュニケーションを失い、死に近づいていく。

作品世界上の謎も加速度的に増殖し、視聴者も登場人物たちも、物語の迷宮に突き落とされる。


最終2話は抽象的映像による主人公の内面描写に終始する。

ストーリーはここで中断、第24話まで構築された作品世界上の謎と物語的結末の突然の放棄は、
アニメファンのあいだに極めて大きな動揺を引き起こした。












      リービング・ラスベガス(LEAVING LAS VEGAS)1995年(米)

ハリウッドの脚本家ベン(ケイジ)は、酒が原因で会社をクビになり、妻子も逃げていった。
人生に絶望した彼は、死ぬまで酒を飲み続けようと決意し、たどり着いたラスベガスの街中で娼婦の
サラ(シュー)と運命的な出会いを果たす。二人は愛し合うようになるが、ベンは酒をやめる気は無い。

アルコール中毒の男とコールガールの束の間の恋を描いた異色ラブストーリー。人生につまずき酒に
依存した彼は、結局、悲劇的な結末を迎えてしまう。そしてそれが、ギャンブルの街ラスベガスの
享楽的な雰囲気の中、何とも言えない退廃的な切ない物語として描かれる。

「失われた週末 1945」や「酒とバラの日々 1962」など、アルコール依存症を扱った映画には名作が
多いと言われるが、確かにその通りだと納得してしまった。

(監督)マイク・フィッギス(MIKE FIGGIS)(出演)ニコラス・ケイジ(NICOLAS CAGE)
エリザベス・シュー(ELISABETH SHUE)ジュリアン・サンズ(JULIAN SANDS)