7月15日   タイムカプセル(12)昭和41年 (1966年)   タイム・カプセル
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この年、イギリスの人気ロック・グループザ・ビートルズが来日し、日本武道館で第1回日本公演が行われた。

司会はE.H.エリック。約1万人のファンの悲鳴や絶叫の中で11曲を歌い、35分だけの公演を終えた。

会場は警備車、救急車、パトカー、ジープで埋まり、講演中の警備人数は述べで 3万5000人の厳戒体制であった。


(映画)第39回アカデミー賞「わが命つきるとも」

「天地創造」「007/サンダーボール作戦」「ドクトル・ジバゴ」「野性のエルザ」

日活「二人の世界」(石原裕次郎浅丘ルリ子)日活「絶唱」(舟木一夫、和泉雅子志村喬)日活「人類学入門」(小沢昭一、坂本スミ子)東宝「他人の顔」(仲代達矢京マチ子)東宝「沈丁花」(京マチ子、司葉子星由里子杉村春子宝田明、仲代達矢)大映「赤い天使」(若尾文子芦田伸介)大映「氷点」(若尾文子安田道代津川雅彦

大映「大魔神」(高田美和、青山良彦、二宮秀樹、藤巻潤)「大魔神怒る」(本郷功次郎、藤村志保)「大魔神逆襲」(二宮秀樹、堀井晋次、飯塚真英、長友宗之)大映「白い巨塔」(田宮二郎東野英治郎田村高広)松竹「紀ノ川」(司葉子、岩下志麻田村高広丹波哲郎


(音楽)第8回レコード大賞「霧氷」橋 幸夫 

「星影のワルツ」千昌夫「バラが咲いた」マイク真木「こまっちゃうナ」山本リンダお嫁においで」加山雄三「悲しい酒」美空ひばり「恋人ジュリー」三田明「星のフラメンコ」西郷輝彦「柳ケ瀬ブルース」美川憲一「函館の女」北島三郎「ラブユー東京」黒沢明とロス・プリモス「恋のフーガ」ザ・ピーナッツ 「
Strangers in the Night」Frank Sinatra


(テレビ)NHK「おはなはん」(樫山文枝)NET「氷点」(新珠三千代芦田伸介、内藤洋子)フジ「銭形平次」(大川橋蔵)TBS「ウルトラQ」(佐原健二、桜井浩子、西條康彦、江川宇礼雄)

TBS「ウルトラマン」(黒部進、小林昭二、石井伊吉、二瓶正也、桜井浩子)TBS「誰にもわからない」(佐久間良子、大空真弓、高橋昌也、山岡久乃、山形勲) 1966年(昭和41年)TBS「牛乳とブランデー」(池内淳子芦田伸介)NET「魔法使いサリー」(平井道子、加藤みどり)NET「レインボー戦隊ロビン」(里見京子)NET「おそ松くん」(加藤みどり)

NTV「笑点」(立川談志、三遊亭円楽、林家こん平)NTV「快獣ブースカ」(高橋和枝、宮本智弘、江戸家猫八)フジ「マグマ大使」(金内吉男、應蘭芳、二宮秀樹、江木俊夫)フジ「わんぱくフリッパー」フジ「ハリスの旋風」(大山のぶ代)NHK「サンダーバード」TBS「奥さまは魔女」フジ「バットマン」NET「悪魔くん」(金子光伸、吉田義夫、潮健児)





                                                 









  
(スポーツ)第70回ボストンマラソン、君原健二選手優勝

(流行語)びっくりしたなーもう(三波伸介)いいじゃなーい。ケロヨーン。こまっちゃうナ。シュワッチ。今週のハイライト!。

(ファッション)グループ・サウンズの人気とともにミリタリー・ルックが流行。


(社会)2/4 全日空ボーイング 727型機が東京湾に墜落し、133人全員死亡。 3C(カラーテレビ・カー・クーラー)新三種の神器に。

都立高校入試に学校群制度。3/4 カナダ航空 DC8が羽田空港濃霧のため着陸に失敗、64人が死亡した。

3/5 BOAC ボーイング707が富士山測候所付近に墜落、124人全員死亡。5/16 中国で文化大革命始まる。

6/29 ビートルズ来日。11/13 全日空 YS11が松山空港沖の海上に墜落し、50人全員が死亡。


(その他)山本リンダ(15)「こまっちゃうナ」で歌手デビュー。松坂慶子(14)「ウルトラマン」でデビュー。由美かおる(16)「11PM」でデビュー。

銀座5丁目に「ソニービル」が完成。ソニービル地下2階に「マキシム・ド・パリ」オープン。「氷点」(三浦綾子)「三国志」(吉川英治)巨人の星(少年マガジン)仮面の忍者 赤影(少年サンデー)バンパイヤ(少年サンデー)パーマン(小学館)へび少女(少女フレンド)魔法使いサリー(りぼん)

クレイジーフォーム(バンダイ)ツイスター(任天堂)トムボーイ(三光発条)スーパーボール(Wham-O社)ママレモン(ライオン)常磐ハワイアンセンターオープン。「週刊プレイボーイ」(集英社)サッポロ一番しょうゆ味(サンヨー食品)ボンカレー。コインランドリー。ジャルパック。グループ・サウンズ。意地悪ばあさん。



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            ウルトラマンの歌








ウルトラマン


大人気を誇った怪獣特撮シリーズ不朽の名作。


M78星雲を故郷とするウルトラマンは、指名手配の怪獣ベムラーを追って地球にやってくる。

だがその途中、科学特捜隊のハヤタ隊員の乗る小型ビートルに接触。


ビートル機は墜落し、ハヤタは絶命寸前の状態になってしまう。

ウルトラマンはハヤタを助けるため、彼と一心同体となって地球にとどまることを決意する。





ハヤタは、ふだんは科学特捜隊員だが、いざという時には、三分間だけウルトラマンに変身できる。

ウルトラマンは、身長40メートル、マッハ5で飛び、スペシウム光線などの必殺技をもつ。


また、科学特捜隊は、国際科学警察機構(ICPO)の日本支部であり、本部はパリにある。

一般の警察では手に負えない怪事件の捜査や、侵略者からの防衛が主要な任務だ。


天才科学者・井手光弘が隊員の一人であり、怪獣撃破率は他の追随を許さない。

実際、科学特捜隊の活躍がなければ、ウルトラマンが負けていたであろう怪獣
(ケムラー、ゼットンなど)が多く存在する。













     



奥様は魔女


広告代理店に勤めるダーリンは、サマンサと相思相愛になり、二人は結婚する。

だが新婚旅行中、ダーリンは、妻のサマンサが、実は魔女だと知り動揺する。


彼は、友達やセラピストに相談するが、やはりサマンサを愛していると気づき、

できるだけ魔法を使わないことを約束し、二人で幸せになろうと話し合うのだった。



美人の新妻は、実は魔女で、鼻をピクピク動かせば、何でも魔法で片付いてしまうという

愉快な家庭生活を描いたホームコメディ。


サマンサの母親も大魔女で、人間などは下等動物と思っているために、訪ねて来ては

傍若無人な発言を繰り返し、それをサマンサが夫との間で気をもむのがユーモラスだった。


とはいえ、どんなトラブルが起こっても、ラストは必ずハッピーエンド。

視聴者に夢と幸せを届けてくれる国民的な人気番組になった。


また本作は「魔法使いサリー」など「魔法少女」アニメの原点になった。











     


サンダーバード


2065年の近未来。原子力の開発によって大きく発展した科学技術は、生活を便利にする一方、

ひとたび事故が発生すると、大きな被害が及ぶという危険も隣り合わせになっていた。


そこで元宇宙飛行士のジェフ・トレイシーは、南の孤島に基地をもつ国際救助隊を立ち上げ、

地球上の各地で発生する災害や事故から人命を救おうと決意するのだった。




「サンダーバード」とは、1号、2号とナンバリングされた主要な救助用メカニックの事である。


サンダーバード1号は、様々な救助活動に対応した装備をもつ機体であり、地球上のどこからの

救助要請でも、発進から60分以内に到着できるように設計されている。


またサンダーバード2号は、救助活動に必要な装備の輸送を主とする大型輸送機である。



本作は、イギリスで放映されたSF特撮人形劇。

人形劇といっても、人形にリップ・シンクロ・システム(声優の声に合わせて唇が動く)

などを内蔵するなど精密なものだった。


かなり高額の製作費を投入しただけあって、そのミニチュア・ワークはまさしく絶品だった。

国際救助隊のメンバーが乗り込むメカは、プラモデル化され、爆発的ヒット。


黒柳徹子が吹き替えを担当した美女エージェントのペネロープや、執事のパーカー、

天才科学者ブレインズなどの脇キャラも、かなりユニークだった。













昭和40年代は、新三種の神器、カー・クーラー・カラーテレビ(3C)の需要がぐっと伸びた。


都心には高速道路が整備され、カローラに代表される大衆車が売れ、大型景気を反映して消費ブームとなり、
クーラーやカラーテレビが各家庭に普及した。

大阪万国博覧会(昭和45年)や札幌冬季オリンピック(昭和47年)の開催は、
そういった高度経済成長の象徴となった。


一方、経済成長に伴う社会構造の変化が深刻な社会問題を引き起こした。

イタイイタイ病などの原因が工業排水と判明し、公害病がクローズアップされた。

山を堀り、丘を削り、海を埋めて邁進した高度成長の痛ましい副産物である。














     



おはなはん


おはなはんのもとへ、親が勝手に決めた花婿が突然訪ねてくる。

花婿の速水中尉は、婚約破棄を告げにやって来たのだった。


おはなの父平造は「何をバカな!」と怒る。

だが、おはなはケロッとして問い詰める。


「せっかく交わした約束を破るのに、わけも言えんとは、卑怯じゃと思います」

「何、卑怯!」

「はい、軍人さんらしゅうありません。お髭が泣きます」




良家の子女に生まれた浅尾はな(樫山文枝)は明治36年、松山の女学校を卒業する。

家に帰ると突然、父親から、速水中尉(高橋幸治)との縁談が決まっていると知らされる。


当時は、親同士が決めた相手と結婚するのが普通だった。

女性は家を出て、婚家において良妻賢母となるのが、あるべき姿とされていたのである。


縁談に気の乗らないおはなだったが、一方の速水中尉も日露戦争のため、縁談を断りに来たのだった。

だが二人は、話を交わすうちに、妙に親近感を覚えて、けっきょく結婚することになった。



当初、はな役に内定していた森光子が病気で降板。急遽、俳優座の新人だった樫山文枝が抜擢された。

樫山は一躍人気をえて、平均視聴率45.8%を記録する大ヒットドラマとなった。

本作のヒットにより以降、「連続テレビ小説」は、新人女優の登龍門といわれるようになった。


またドラマの第一回は、夫となる速水謙太郎中尉が人力車に乗ってやって来る。

このシーンから、速水役の高橋幸治の人気が沸騰。

速水は演習中に病死するが、視聴者から多数の助命嘆願の手紙が寄せられた。











     


氷点


ある夏、北海道旭川市郊外の林で、3歳の娘が殺される。


父親、辻口病院長の啓造(芦田伸介)が出張中の出来事だった。

母親の夏枝(新珠三千代)は、そのとき眼科医の村井と密会中だった。


夏枝と村井の仲に疑いを抱いた啓造は、妻への復讐のために、
自殺した犯人の娘を養女として迎え入れる。


事実を知らない夏枝はその娘に陽子と名付け、失った娘の代わりに愛情をもって育てる。


だが七年後、偶然に啓造の日記を見た夏枝は、陽子が殺人犯の娘であることを知る。

夫の残酷な行いに気づいた夏枝は、激しい憎悪に駆られ、思わず陽子の喉に手をかけるのだった。




朝日新聞の一千万円懸賞小説に入選した三浦綾子の同名小説をドラマ化したもの。


ある病院長の妻が、病院の医師と密会している間に、幼い娘が誘拐され殺害される
という事件が起きる。

これが発端で愛と憎しみの葛藤が生まれ、ついには妻が養女を自殺にまで
追い込んでしまうという物語。


人間の原罪をテーマに、愛することの哀しさと恐ろしさを描いたドラマで
最終回の視聴率は42.7%を記録した。


母親役の新珠三千代は、東宝の看板女優だったが、完璧な「憎まれ役」を演じたために
東宝側は「イメージを落としては」と心配したが、当の新珠は大いに乗っていたという。


薄幸の養女役を演じた内藤洋子は、当時高校二年生、テレビ初出演だったが、
茶の間の視聴者の涙を大いに誘い、これ一作で大スターになった。










   
   

誰にもわからない


劇団「自由座」の研究生・鳴海夏生(佐久間良子)は、幼馴染の

劇作家・中平(高橋昌也)を敬愛していた。


彼は劇団の演出をしている青年だが、夏生はどうやらこの中平に

思いを寄せているようだ。


しかし中平は、夏生に対しては兄妹愛しか持っていそうもない。

あまり親しすぎて、好きだの惚れたのという感情はもてないのだった。






ある日、信州の実家からの仕送りが途絶えてしまった夏生は、生活費を

稼ぐために、同期生の瓜生とも子(大空真弓)と赤坂でバー勤めを始めた。


赤坂といっても場末の三流バーだったが、やがて彼女たちの素人っぽさが

客に受け、店の雰囲気も高級なものに変わっていった。




この当時、佐久間良子は東映のトップスターだったが、映画界斜陽とともに、

全面的に任侠路線を敷いた東映では、彼女の出番は少なくなってしまった。

そこで、仕事の多いテレビドラマのほうに活躍の場を求めるようになった。


以降は、TBS「東芝日曜劇場」を中心に、多数のテレビ出演を果たしている。

本作は、その出演第一作目であり、佐久間は女優を志すひたむきな劇団員の役柄で、

演劇と愛のはざまで揺れる女心を細やかに演じている。


鼻っ柱の強い同期生役を演じた大空真弓は、テレビドラマでは佐久間の大先輩。

1964年、東芝日曜劇場「愛と死をみつめて」では、難病で早逝したヒロインを演じ、

社会現象となる大反響を巻き起こした。


このあと前後して、佐久間は平幹二朗と、大空は勝呂誉と電撃結婚。

ファンから祝福されたものの、やがて二人ともそれぞれ離婚してしまった。

スター同士の愛の結末は「誰にもわからない」ということか。















牛乳とブランデー


商事会社の課長・中丸祐之(芦田伸介)は、妻・千波と5歳の娘・ヒナ子と3人暮らし。

会社ではウルサイ存在の祐之だが、家では完全に千波(池内淳子)の尻に敷かれている。


健康のためにと、朝から千波に飲まされる牛乳も、どうも好きになれない。

さらに近頃、娘も母親に似てきて、母子で祐之の行動にあれこれ口を出してくるありさま。


独身の同僚たちをひそかにうらやみ、時にはひとりで旅にでも出てみたいと思う祐之だった。





旦那は酒好きなのだが、家では尻に敷かれて、好きでもない牛乳を飲まされている。

結婚生活における夫と妻の「思いの違い」を描いたホームドラマ。


男にとって妻は、日頃から自分を束縛する、とてもうっとうしい存在。

だが、いざいなくなると、これはこれで不自由で寂しく思うもの。


かねて気ままな独身生活に憧れていた主人公は、夫婦ゲンカのあげく妻に出て行かれ、
図らずも念願がかなったものの、すぐにもとの不自由さが恋しくなる…。

怒りにまかせて出て行った妻もまたしかり…。


牛乳とブランデーのカクテルのように「果たしてこの二人は合うのだろうか?」という
組み合わせが、人によってはベストマッチだったりするのだ。


これまでは悪役や刑事役など、シリアスな役どころが多かった芦田伸介だが、
本作では、コメディ俳優としての新境地を披露している。










     


笑点


若手落語家たちが出演して機知に富んだ言葉遊びをする大喜利コーナーが人気。

司会が出題して、いい回答には座布団を出し、それを積み上げて座る。

司会は立川談志、前田武彦、三波伸介、三遊亭円楽、桂歌丸と交替してきた。

ほかに座布団配りがいて、これが一種のボケ役をつとめる。

大喜利が有名になったため、落語家の仕事とはそういうものだと思い込んで

入門志願する若者が増加したという。
















魔法使いサリー


お転婆でいたずら好きな魔法使いの女の子サリーが、ある日人間の世界にやって来る。

同じ年頃の女の子、すみれとよし子と友だちになったサリーは、すっかり人間の世界を気に入って
弟分のカブと二人で、この町で暮らしていくことにした。


「魔法使いサリー」は、アメリカのテレビドラマ「奥様は魔女」のヒットが
きっかけとなって企画された日本初の少女向けアニメ番組。

ファンタジーとバラエティに富んだ内容で、東映魔女っ子シリーズの先駆けとなった。


主題歌は、小林亜星の作曲で、ノリのいいデキシーランドジャズのリズムが採用されている。

「マハリク・マハリタ」の呪文が印象的な歌詞は、山本清の作品で、後年のリメイク版でも
同じ主題歌が使用されたほど作品にマッチしていた。



エンディング曲は、名曲「魔法のマンボ」など3曲が使用されている。

「いたずらのうた」では、よし子ちゃんの決めゼリフ「おやつあげないわよー」は流行語にもなった。










   



ウルトラQ


ドライブにでかけた淳と由利子の二人は、道路上に倒れ込んでいる男性を発見する。

その男は意識をとりもどすと、いきなり「あけてくれ!降してくれ!」と暴れだした。


男の狂人めいた様子に不審をもった淳は、一の谷博士に彼をみてもらうことにした。

博士の研究所では、この男に催眠術を掛けて、倒れる前の記憶を引き出そうと試みる。 


するとこの男は、見知らぬ電車に乗ったところ、突然上空へ向けて走りだしたという。

あわてて降りようとしたが、ドアが開かなかったというのだ。




星川航空のパイロット・万城目淳(佐原健二)と助手の江戸川由利子(桜井浩子)が、
奇怪な出来事に科学の力で立ち向かっていく30分のSFドラマ。


円谷プロの空想特撮シリーズ第一作で、このあと「ウルトラマン」「ウルトラセブン」
に続いていくことになる。


内容は、怪獣や巨大生物が暴れ回る特撮モノと、人間の心理的不安や、不思議な体験を
描いたストーリーに二分されていた。


後者には「あけてくれ!」(第28話)という作品が、マニアの間で最高傑作との呼び声
が高い野心作とされている。


夜空を飛ぶ謎の電車が人生に絶望した人々を別世界の理想郷へと連れて行くという内容で
子供には難解すぎるという理由から、一度はお蔵入りしたいわくつきの作品である。














マグマ大使


1965年「少年画報」に連載された手塚治虫の同名漫画の特撮ドラマ化。

地球征服を狙う宇宙の帝王ゴアと金色のロケット人間マグマ一家の活劇を描く。


マグマ大使は、地球の創造主アースが作り出したロケット型知的生命体である。

体は金色で、身長7m、体重5t。ロケットに変身した時には、マッハ11で空を飛ぶ。


腕を振り回すことでジェット気流を巻き起こし、腹からはミサイルを発射する。




マグマ大使の宿敵・宇宙の帝王ゴアは、数多くの星々を征服、滅亡させてきた宇宙人。

チリチリパーマにダブルのコートを着用した外見で、少なくとも10億年以上生きている。


時空間を操る能力を持ち、その所業から宇宙の悪魔と恐れられている。

本作と「ウルトラマン」によって第一次怪獣ブームが巻き起こり、日本特撮にとって一つの岐路となった。













     



快獣ブースカ


発明少年の屯田大作が、ペットのイグアナに自作の栄養剤・クロパラを与える。

するとイグアナは、30倍の大きさになり、快獣ブースカが誕生した。


ブースカは争いを好まず、心優しくのんびり屋で、ナイーブな感性の持ち主。

小学生くらいの知能を持ち、自分の感情を「ブースカ語」で表現する。


たとえば「シオシオのパー」は、ブースカが落胆したときに発する言葉だ。




だが、あまりにも素直すぎる性格なので、泥棒やあくどい人間に利用されてしまい、
しばしば大騒動を巻き起こしてしまうのであった。


特殊な成長薬によってイグアナから生まれた快獣・ブースカと、子供たちとの温かい交流を描く。


円谷プロの作品「ウルトラQ」に登場する「怪獣カネゴン」がベースになっている。

「もしも家庭に怪獣が住んでいたら?」というテーマで、子供たちの視点に立って作られた作品。

これまでの恐ろしい怪獣を子供たちの友達として位置づけ、肩書も「怪獣」ではなく親しみやすさを
込めて「快獣」としている。










     



バットマン


かつてゴッサム・シティを恐怖に陥れた悪の天才たち、ペンギン、ジョーカー、ナゾラー、

そして、キャットウーマンの四人が連合軍を組み、バットマンを陥れようと計画する。


その後、海上を航行中の貨物船が、悪の連合軍にシージャックされるという事件が発生。

船からSOSを受けたゴッサム市長は、バットマンの出動を要請する。

バットマンとロビンは、早速バットコプターで出動し、救助活動を開始したのだが。




バットマンは、アメコミに登場する、スーパーマンと並ぶ超有名ヒーローである。


ドラマは、ABCネットワークで1966年から1968年まで放映された、各話30分の実写シリーズ。

日本では邦題「怪鳥人間バットマン」として、ほぼ同じ時期にフジテレビ系列で放映された。


アメリカにあるとされるゴッサム・シティを舞台に、ブルース・ウェイン青年がコウモリを模した

マスクとコスチュームをまとい、バットマンに変身して悪と戦うというのが基本的なストーリー。


またペンギン、ジョーカー、ナゾラーといったコミック原作の悪役は全て登場している。


主人公のバットマンは、助手のロビン少年を連れ立って、颯爽とバットカーに乗り、これらの悪党を

迎え撃つ正義の味方として描かれている。


近年のダークヒーローキャラとは180度異なる勧善懲悪の作風に、バットマンの歴史が感じられる。












わんぱくフリッパー


イルカたちの住む、フロリダの青い海。

12歳の少年サンディは、銛に撃たれて、海岸に流れついたイルカを見つける。


彼はイルカを自宅に運んで手当てをし、すっかり回復したイルカをフリッパーと名付けた。

サンディはイルカを可愛がり、やがて父親の反対を押し切って一緒に暮らすことになる。



フロリダの海洋公園を舞台に、イルカと父子三人の一家が繰り広げる動物愛と冒険の物語。





中学生のサンディは、小学生の弟バドと、海洋公園管理人の父親リックスと三人暮らし。

そして家族になった利口なイルカのフリッパーは、人命救助や悪人追跡などに大活躍する。


この時期、動物を主人公にしたドラマは多いが、イルカを主人公にしたのは珍しい。

人なつっこく、愛らしいフリッパーは、たちまち子供たちの人気者になった。


また、この番組がきっかけで、イルカに対する親近感が一気に高まり、世界中の水族館で

イルカショーが催されることになったという。













悪魔くん


街はずれの森に、人間の目を奪う妖怪が現れるという噂が立つ。


その森に偶然足を踏み入れた真吾少年は、目の無い死体と怪しい老人を発見。

その老人は自らをファウスト博士と名乗り、妖怪の正体を真吾に明かす。


「ガンマは人間の目を奪い、それを己の体内に植え付けて生きている妖怪じゃ。
ガンマをこのまま放っておけば、人間は次々に餌食になるだろう」

そして真吾こそ、人間に災いをもたらす妖怪と戦う存在だと告げる。




博士は真吾に、悪魔メフィストを魔法陣から呼び出し、妖怪を倒すための
契約をするよう依頼する。そして博士は力尽きて倒れてしまう。


真吾は博士に教えられた通り、悪魔メフィストを召喚することに成功する。

だが、呼び出されたメフィストは、金を持ってくれば契約してやるとうそぶく。

「地獄の沙汰も金次第。近頃地獄も物価高なんだぜ」



水木しげるの名作漫画を実写版として映像化した怪奇冒険活劇。

「悪魔くん」こと山田真吾(金子光伸)は、この世の不幸と戦う使命を負う者として
ファウスト博士に認められ、悪魔メフィスト(吉田義夫)と契約し妖怪退治を始める。

怪奇と恐怖にユーモアを織り交ぜた演出で大人気を獲得、怪獣ブームの一翼を担った作品。


メフィストを演じた吉田義夫は、東映時代劇を中心に悪役スターとして活躍した人物。
一度見たら忘れないその愛嬌のある風貌は、チャンバラ・ファンに幅広い人気を得ていた。

「悪魔くん」のメフィストは、ちょっとヘソ曲がりながらも、愛すべき悪魔であり、
吉田義夫の魅力とも見事に合致していた。


たが、番組の途中で体調を崩してしまい、第10話で降板となったのは残念だったが、
メフィストの弟ということで、同じく東映の潮健児が代役となった。


潮健児は、ちょっとキナ臭い感じで、鬼太郎でいう「ねずみ男」のような印象だった。
そこがまた味があった。










     



銭形平次


上野・寛永寺の御用金五千両が奪われる事件が起こる。


大金を手に入れたのはいいが、その分け前をめぐって争いが生じる。

仲間割れのあげく、盗賊団の頭領・弥平(熊谷武)は殺されてしまう。


弥平には、本所で茶屋を開いている一人娘・お珊(北林早苗)がいた。

お珊は、本所の岡っ引き・お品(宮園純子)の取り調べを受けることに。


だが、父を殺されたお珊は、ひたすら口を閉ざすばかり。

お品が若い女ということで、三の輪の万七親分がやたらと口を出してくる。


平次は、本来口出しをする立場ではないのだが、お品の捜査に協力する。



東映の時代劇スター・大川橋蔵が、十手捌きが冴える江戸庶民の味方、平次親分に扮し、
1966年から18年間、888回という不倒の記録を打ち立てた捕物帳シリーズ。


主人公の銭形平次は、神田明神下の長屋に住む岡っ引きで江戸一番の捕物名人。

犯罪者の捕縛に際して、投げ銭の特技を見せるところから、銭形の異名がついた。


主演の大川橋蔵は、健康管理のため、酒もタバコも控え、愛妻家・平次のイメージを
守るため夜遊びもしなかったという。


婦人の弁当持参で撮影所に通って平次役にすべてを賭け、ドラマが終わった年、
1984年の暮れに逝去した。

映画の遺作も「銭形平次」まさに一代の平次役者であった。