6月28日 タイムカプセル(11)昭和40年 (1965年) タイム・カプセル |
卒業(The Graduate)1967年(米) 将来を嘱望されたベン(ホフマン)は、父親の仕事上のパートナー、ミセス・ロビンソンと不倫してしまう。 ところが彼は、彼女の娘エレンを好きになる。彼はエレンに、母親との情事を思い切って打ち明けたのだが、 エレンへの愛は、更につのるばかりだった。 本作が公開された1967年は、ベトナム戦争が泥沼化し、国内外で反戦運動が大きな高まりとなっていた時期である。 その中で本作は、式場から花嫁を奪う衝撃的なシーンが話題になった。主人公ベンは、結婚式に殴り込みをかけ、 花嫁の父親や列席者を殴り倒し、止めようと駆け寄った人たちに、教会の大きな木の十字架を振り回す。 そして彼は花嫁を奪い取り、家族と新郎を置き去りにして教会から逃げ出してしまうのである。だがこの主人公の 人物設定は、アメリカの国家そのものを暗示している。彼の行為は非道そのもので、全く正義というものがない。 正に戦争には正義がなかったように。無軌道な若者の姿を通じて、現体制を痛烈に風刺した反戦映画の傑作である。 (監督)マイク・ニコルズ(Mike Nichols)(出演)ダスティン・ホフマン(Dustin Hoffman) アン・バンクロフト(Anne Bancroft)キャサリン・ロス(Katharine Ross) |