7月17日   タイムカプセル(14)昭和43年 (1968年)     いしだあゆみ     タイム・カプセル
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この年、東芝府中工場の従業員4600人分のボーナス2億9430万7500円が、現金輸送車で運ばれる途中の東京府中刑務所横で、白バイ警官に変装した男に強奪された。

「負傷者ゼロ、犯行時間3分。犯人の数は不明」という謎めいた犯罪は、人々の話題を独占した。


1975年には刑事事件として時効が、1988年には民法上の時効が成立し、未解決に終わった。

この事件以降、多くの会社が給料の支給を手渡しから口座振込に切替えるようになった。


(映画)第41回アカデミー賞「オリバー!」
猿の惑星」「2001年宇宙の旅」「ロミオとジュリエット」「卒業

松竹「白昼堂々」(渥美清倍賞千恵子、藤岡琢也、フランキー堺)1968年(昭和43年)日活「黒部の太陽」(三船敏郎石原裕次郎)ATG「肉弾」(寺田農、大谷直子)日活「神々の深き欲望」(河原崎長一郎、沖山秀子)大映「ガメラ対宇宙怪獣バイラス」

大映「妖怪百物語」(藤巻潤、高田美和、坪内ミキ子、ルーキー新一) 東宝「社長繁盛記」(森繁久彌加東大介小林桂樹浜木綿子司葉子酒井和歌子)東宝「めぐりあい」(酒井和歌子、黒沢年男)



(音楽)第10回レコード大賞「天使の誘惑」黛ジュン

 「
恋の季節」ピンキーとキラーズ「ブルーライト・ヨコハマ」いしだあゆみ「花の首飾り」「君だけに愛を」ザ・タイガース 「ケメ子の唄」ザ・ダーツ「エメラルドの伝説」ザ・テンプターズ「グッド・ナイト・ベイビー」ザ・キングトーンズ「伊勢崎町ブルース」青江三奈「盛り場ブルース」森進一「愛の奇跡」ヒデとロザンナ「三百六十五歩のマーチ」水前寺清子「好きになった人」都はるみ


(テレビ)NHK大河ドラマ「竜馬がゆく」(北大路欣也浅丘ルリ子、森光子、高橋英樹)フジ「ゲゲゲの鬼太郎」(野沢雅子、田の中勇、大塚周夫)フジ「妖怪人間ベム」(小林清志、森ひろ子、清水マリ)フジ「お昼のゴールデンショー」(前田武彦、コント55号、ケーシー高峰、てんぷくトリオ)フジ「3時のあなた」(高峰三枝子)フジ「夜のヒットスタジオ」(前田武彦

フジ「男はつらいよ」(渥美清、長山藍子)フジ「マイティジャック」(二谷英明、久保菜穂子、南広)TBS「怪奇大作戦」(岸田森、勝呂誉、原保美、松山省二、小林昭二)TBS「キイハンター」(千葉真一、野際陽子)TBS「肝っ玉かあさん」(京塚昌子)

TBS「おやじ太鼓」(進藤英太郎、風見章子) TBS「3人家族」(竹脇無我栗原小巻) TBS「あなたお話しましょう」(京マチ子、船越英二)NET「サイボーグ009」(田中雪弥、白石冬美、鈴木弘子)NTV「お庭番」(石坂浩二緒形拳岡田英次、辰巳柳太郎、島田正吾)YTV「巨人の星



                                                





(スポーツ)10/12メキシコオリンピック開幕。日本は金メダル11、銀メダル7、銅メダル7。

(流行語)「昭和元禄」「ハレンチ」「サイケデリック」「とめてくれるなおっかさん」「ノンポリ」「五月病」「ゲバ棒」

(社会)1/9アラブ石油輸出国機構(OAPEC)結成。1/19米原子力空母エンタープライズ佐世保入港。3/9イタイイタイ病で初の訴訟。3/28東大安田講堂占拠される。4/4米黒人運動指導者キング牧師暗殺。

6/5ロバート・ケネディ暗殺。6/26小笠原諸島日本に復帰。7/1郵便番号制度実施。7/8参議院選で石原慎太郎、青島幸男、横山ノックなどタレント議員が大量当選。8/20チェコ動乱、ソ連東欧5ヵ国軍チェコに侵入。9/26厚生省、水俣病を公害病と認定。

10/17川端康成氏、ノーベル文学賞受賞。11/15米、大統領選挙、共和党のニクソンが当選。12/10 3億円強奪事件。12/24アポロ8号月面をテレビ中継。12/31日本のGNP、アメリカについで第2位に。

(物故)円谷幸吉、斎藤達雄、ヘレン・ケラー

(その他)和田アキ子、「星空の孤独」で歌手デビュー。いしだあゆみ、「ブルーライト・ヨコハマ」でデビュー。

文化放送「走れ!歌謡曲」(落合恵子)カラーひよこ。サンダーバード秘密基地(2200円 イマイ科学)パンタロン。シースルー(サンローラン)ミニスカート大流行。ボンカレー発売。サッポロ一番みそラーメン(サンヨー食品)週刊少年ジャンプ創刊。

「民法入門」佐賀潜(光文社)「竜馬がゆく」司馬遼太郎(文芸春秋)「どくとるマンボウ青春記」北杜夫(中央公論社)アフロヘア(ブラックミュージック)マジソンバック(エース)フエルアルバム(ナカバヤシ)あかつき戦闘隊(少年サンデー)21エモン(少年サンデー)タイガーマスク(ぼくら)アタックNo.1(週刊マーガレット)

ゴルゴ13(ビッグコミック)サインはV(少女フレンド)ハレンチ学園(少年ジャンプ)ウメ星デンカ(小学館)サッポロ一番みそラーメン(サンヨー食品)出前一丁(日清)




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                    恋の季節 (ピンキーとキラーズ)







カラーひよこ


カラーのひよこは、子供のころ縁日でよく見かけた。

人工的に着色されたひよこで、愛玩用として売られているのだ。


オスのひよこは卵を産まないため、生まれてすぐ処分されるのが常だった。

しかし、少しでも採算を生み出そうと、縁日などで売り出されていた。




とはいえ、ただのひよこを売るだけでは子供の心を掴めない。

ということで、編み出された手法がカラーひよこである。


ひよこの着色は、染料のスプレーをかけて色を変えていた。

乾かす際には主にドライヤーが用いられたという。


しかし、こうなるとひよこは大体の場合体調を崩してしまう。

数日後には衰弱して死んでしまうということもしばしばだった。


最近では動物愛護の観点から、縁日で販売されることはなくなった。

ただし東南アジアなどでは、未だに売られているところもあるらしい。













キイハンター


エレナと名乗るスイス人女性が、国際警察の黒木(丹波哲郎)を訪ねて来る。

彼女は、スイスで結婚を誓った婚約者を訪ねて来日したという。


婚約者の写真を見せられ、黒木は驚く。彼の元同僚・藤崎(南原宏治)だった。

だが黒木は「この男のことは忘れるんだ」と冷たくエレナを突き放す。

そして帰国するよう促した矢先、彼女は何者かに車で轢き殺されてしまう。

黒木は、エレナが出していた新聞広告を手がかりに調査を開始する。




警察の手に負えない事件を国際警察「キイハンター」が解決するアクションドラマ。


ハードボイルドが身上のボスの黒木(丹波哲郎)外国語が堪能な津川(野際陽子)
ずば抜けた身体能力をもつ元新聞記者・風間(千葉真一)らが大活躍する。


セクシーな津川が敵を投げ飛ばし、風間は列車の上で格闘するなどアクションが炸裂。

荒唐無稽ながら無類の面白さで、当初1年の放送予定が5年に延び、全262話が
放送された大ヒット作である。


このドラマの共演がきっかけでゴールインした千葉・野際カップルだったが、破局。













男はつらいよ


車寅次郎(渥美清)は、家出して以来、約18年ぶりに故郷柴又に帰ってくる。


そこで、おいちゃん(森川信)、おばちゃん(杉山とく子)、そしてたった一人
血の繋がった妹さくら(長山藍子)と感動の再会を果たす。


しかし、久々の再会を喜ぶ寅次郎とは裏腹に、お調子者の兄に戸惑うさくら。


酒の入った非常識な振る舞いに、さくらの怒りを買った寅次郎は、翌日反省し
再び旅に出て二度と帰らない事を決める。





東京の下町を舞台に、無学だが義理人情に厚い兄・車寅次郎(渥美清)と、
しっかりものの妹・さくら(長山藍子)を軸に展開する人情コメディ。


テキ屋が主人公というのは、脚本家・山田洋次の斬新なアイデアだった。

寅さんがしゃべるセリフには渥美清のアドリブがかなり入っていたという。


ラストは奄美大島でハブに噛まれてあっさり死んでしまうものだったが、
放送後フジテレビに抗議の電話が殺到したため、映画化されることに。

以降、映画(松竹)のドル箱としてシリーズ化された。









   



肝っ玉かあさん


原宿でソバ屋をきりもりしている「肝っ玉かあさん」こと大正五三子(京塚昌子)

女手ひとつで子供二人を育て、従業員たちから「女将さん」と呼ばれ慕われている。


だが、昔気質で頑固な古いタイプの母親に対して、子どもたちは現代っ子ばかり。

きょうもきょうとて、長男の一(山口崇)が突然、結婚したいと言いだした。

その相手は、女性雑誌の記者だという。





未亡人ながらソバ屋を切り回す面倒見の良いおかみさんを主人公にしたホームドラマ。


長男に山口崇、嫁に長山藍子、看護婦志望の娘は沢田雅美という配役だが、なんといっても
京塚昌子のおかみさんのパワフルで温かいパーソナリティがよかった。


当時の京塚は、体重70キロという貫禄十分の体格。このたっぷりした存在感に
石井ふく子プロデューサーが惚れこみ、主役に抜擢したという。

肝っ玉かあさんは、51歳の設定だが、演じる京塚は当時38歳。大変な老け役だった。


舞台はソバ屋だったが商売ドラマではなく、日常茶飯事の出来事、登場人物たちの
心のひだを細かく取り上げる正真正銘のホームドラマ。


京塚昌子という打ってつけの役者を得て、初回から30%に迫る視聴率をマーク。
1972年(昭和47年)まで全117回という人気シリーズとなった。

なおこの番組の大ヒットで全国のソバ屋さんが喜んだというおまけもあった。










     



おやじ太鼓


鶴亀次郎(進藤英太郎)は、裸一貫から叩き上げ、一代で財をなした建設会社の社長である。

ワンマンで頑固一徹で、ガミガミで八方破れの、とにかくやかましいおやじなのだ。


そんなカミナリおやじが会社から帰ってきた。
おやじは家に上がると、歩きながら上着、ネクタイ、ワイシャツ、ズボンと脱いでいく。


妻の愛子(風見章子)がこの服を拾い集めながら、おやじの後をついていく。
子供たちは首をすくめて、逃げるように自室へと引きさがる。




家政婦のお敏(菅井きん)の入れたお茶がぬるかろうものなら、いきなり「コラ! おトシ~! 
何ですかこのお茶は! 冗談じゃありませんよ!」と怒鳴る。

「冗談じゃありませんよ」は、亀次郎の口癖である。

叱られたお敏は、台所に戻ると、小声で「冗談じゃありませんよ」と呟く。



強烈な個性を持つ明治生まれのおやじと、昭和生まれの子どもたちという世代のズレが
醸し出す笑いと哀愁の日常騒動記を描いたホームコメディ。


昭和40年代のテレビ界はホームドラマが全盛だった。

映画時代の二枚目スターに代わり、茶の間の真ん中に座る頑固おやじや肝っ玉かあさんのような
視聴者と等身大の親しみやすい人たちが主役をつとめるようになってくる。



主役の進藤英太郎は、かつて東映時代劇を中心に悪役スターとして活躍した人物。
すごめばすごむほど愛嬌のある彼独特の持ち味は、チャンバラ・ファンに幅広い人気を得ていた。


進藤演じる鶴亀次郎は、空威張りはするものの、実は気が優しい愛妻家でもある。
結婚以来、一度も浮気をしたことがないことが自慢だ。


そんな愛すべき頑固おやじ役が受けて、かつての悪役進藤は一気に茶の間の人気者となった。

間もなく70歳を迎えようとする頃だから、当時としては最高齢の主演スターだったと言える。










         



お庭番


元禄十四年、勅使餐応の大役を申し渡された赤穂藩の浅野内匠頭(守田勘弥)は、

指南役・吉良上野介(坂東三津五郎)からの度重なる侮辱にたえかね、刃傷に及ぶ。


殿中で刃傷の報に、将軍・綱吉は激怒、老中の柳沢吉保(岡田英次)に緊急の処置を命じた。

その結果、内匠頭は切腹、お家は断絶、一方、吉良はお咎めなしという処分となった。



柳沢吉保は、赤穂藩士たちが城を枕に籠城して、幕府と一戦交えることを恐れた。

彼は、幕府を背負っている関係上、極力、赤穂藩士の暴走を防ぐ立場にあった。


柳沢吉保の意をくんだ大目付・荒木十左衛門(辰巳柳太郎)は、配下のお庭番である

貝塚慎吾(石坂浩二)に、赤穂の様子を探るよう指示する。



一方、上杉家の家老・色部又四郎(北村和夫)は、赤穂藩士が籠城して、幕府によって

討伐されれば、吉良家が狙われることがないと考えた。

そこで、配下の伊谷源八(緒形拳)に赤穂藩士をたきつけて籠城にもっていくように指示する。


だが、赤穂の城代家老・大石内蔵助(島田正吾)は、すんなり城を明け渡してしまった。




江戸時代、お庭番(公儀隠密)たちの命がけの暗躍を描いた物語。全20話。


第1話から第4話までが「忠臣蔵」を扱った前・後編「元禄十四年」、

主演は石坂浩二で、幕府の大目付が放ったお庭番・貝塚慎吾を演じている。


だが大石内蔵助を探るうちに、慎吾は内蔵助の人間性に惚れてしまい、

赤穂浪士に肩入れするようになる。

お庭番としての使命との狭間で、彼の人間的葛藤が浮き彫りにされている。












     



あなたお話しましょう


三回目の結婚記念日を迎えた大仁知成(船越英二)と妻の由木子(京マチ子)


だが、夫の知成は営業部長として第一線で働いていたため、家庭では対話のない夫婦生活。

さらに夫の帰宅は、ほとんど毎日飲んだくれての朝帰り。


由木子は、いったい夫婦をどう考えているのか、仕事ばかりで落ち着いて話もしたことはない、

妻を背広をハンガーにかける道具だと思っているのか、など日ごろの不満を爆発させてしまう。


だがそんなある日、突然、夫の帰宅が早くなり、家事を手伝い、二人で外出すると言いだす。

妻の願いがすべてかなう生活が訪れ、最初は喜んだ由木子だったが…。



実は、夫の知成の会社に合併問題が持ち上がり、知成は営業部長のポストを降ろされるハメに。

ここへきてようやく家庭の大切さに気付いた知成だったが…。


一方、夫の朝帰りに腹を立てたものの、早く帰れば帰ったで、かえって気づまりが増すだけの

妻の由木子であった。



脚本を担当した橋田寿賀子は、1966年、当時TBSの企画課長だった岩橋嘉一氏と結婚。

夫の岩橋氏は亭主関白で、結婚当初からあれやこれやと指示の多い人だったらしい。


だが橋田氏は、脚本を書くのに結婚が大いにプラスになったと自身の著書で語っている。

本作で船越英二が演じる何かと口うるさい亭主は、まさに自身の夫がモデルだという。


「日常にはドラマがいっぱい転がっている」と語る橋田氏だが、主婦業を兼ねながら執筆した作品は、

自身の体験を反映したものが多く、同じ経験を持つ広範な女性視聴者の共感を大いに呼び起こした。














サイボーグ009


世界的なトップレーサー・島村ジョーはレース中の事故で重傷を負ってしまう。

だが、悪の組織・ブラック・ゴーストに連れ去られ、サイボーグ戦士009として蘇った。


幽霊島を本拠にする組織 ブラック・ゴーストは、世界中に戦争を巻き起こし、強力な兵器を

売りさばき、大儲けしようと企む死の商人である。


その最新兵器が、改造手術によって特殊能力を与えられた、島村ジョーら9体の強化人間

サイボーグたちだった。




しかし、サイボーグの生みの親であるギルモア博士は、良心の呵責に耐えきれなくなり、

9人のサイボーグを引き連れ、激闘の末に幽霊島からの脱出に成功する。


やがて、9人のサイボーグたちは、ギルモア博士のもと、それぞれの特殊能力を駆使して

ブラック・ゴーストと戦うことを決意するのだった。



1964年(昭和39年)「週刊少年キング」に連載された石森章太郎のSF漫画のアニメ化。


作者が本作を構想するに当たって、アメリカのグラフ雑誌「LIFE」に大きな影響を受けたという。


1961年、まだ海外旅行が自由化されていなかった時期に、世界一周旅行に出かけた石森章太郎は、

帰りの飛行機の中で雑誌「LIFE」を手に取り、「サイボーグ(cyborg)」の文字を見つけた。


その記事は、未来の宇宙開発を題材にしたもので、人体の一部を改造したサイボーグなら、

真空中でも宇宙服なしで活動できる、といった内容が書かれていた。


はじめての海外旅行で見た雑誌が構想のきっかけとなり、世界中から集められた肌の色も来歴も

様々なサイボーグ戦士たちが悪の組織と戦う、というストーリーが採用されたという。








   
   



妖怪人間ベム


それは、いつ生まれたのか誰も知らない。

暗い音のない世界で、一つの細胞が分かれて増えていき、三体の生き物が生まれた。

彼らはもちろん人間ではない。また、動物でもない。

人でも動物でもない異形の怪物、それが「ベム」「ベラ」「ベロ」と名乗る三体の「妖怪人間」である。


だが、その醜い身体の中には正義の血が隠されているのだ。

時には人々に迫害され、また時には友情を育みながら、いつか人間になれる日を夢見て

彼らは世に仇なす悪と戦い続けるのである…。





本作は、三体の妖怪人間が、人間の姿に化け、人間になる手段を探して旅をする物語。

普段は人間の姿で暮らしているが、感情が高ぶると元の醜い姿に戻ってしまう。


そのため正義感に駆られて人を助けては、忌み嫌われる暮らしを何百年も続けてきた。

人間世界から排除された彼らの切なさや哀しみの描写が強く印象に残る作品である。


物語の舞台はこれといった説明はない無国籍風で描かれ、概ねヨーロッパを思わせる建物が散見される。


海外に輸出する事を視野に入れていたのも無国籍風である理由の一つであるが、実は「黄金バット」と

同じく、本作は韓国との共同制作による作品であった。


1965年に日韓基本条約が締結された際に、両国で文化交流をという機運が高まり、日本の第一動画と

韓国の民間放送会社である東洋放送の動画製作部が共同でアニメ制作に取り組み「妖怪人間ベム」という

作品が生み出されたのである。












巨人の星


星飛雄馬は、元巨人の選手である一徹を父に持ち、姉・明子との三人家族。

母は、彼がまだ幼い時分に他界している。

厳格な父の下で野球一筋で育ち、甲子園出場、入団テストを経て巨人に入団。

多くのライバルとしのぎを削りながら、一流の野球選手として成長していく。



原作者の梶原一騎は、巨人の星は「宮本武蔵の野球版だ」と語っている。

少年マガジンから、原作執筆の依頼があったとき、吉川英治の「宮本武蔵」

のようなひとりの男の人生を描いた重厚な物語を作りたいと考えたという。





主人公は、剣豪ではなく野球少年だが、白球をめぐる決闘のドラマと考えれば、

テーマとしては共通するものがある。


ストイックで求道的な主人公、劇的なストーリー展開、宮本武蔵や坂本龍馬の

人生訓などなど、当時の子供たちは、すっかり魅了されてしまったのだ。



巨人の星は、1968年3月から1971年9月のロングランとなり、いわゆる「スポ根」

ものの代表作として一世を風靡した。

また本作によって、未来のスター候補を「〇〇の星」と呼ぶことが流行した。



              ゆけゆけ飛雄馬














ゲゲゲの鬼太郎    


強い妖力を持つ幽霊族の最後の生き残り少年・ゲゲゲの鬼太郎。

お化けにゃ学校も試験も無く、いつも気楽にのんびり暮らしている。


しかし、ひとたび妖怪ポストに救いを求める手紙を投げ込めば、

カランコロンという下駄の音と共に彼はやってくる。


協力してくれる正しい心を持った妖怪も少なくない。

鬼太郎の頼りになる知恵袋である父親「目玉おやじ」







砂を武器に戦う「砂かけばばあ」 石になって攻撃する「子泣きじじい」

怒ると怖い「ネコ娘」 鬼太郎を乗せて空を飛ぶ「一反もめん」


そして、巨大な壁となる「ぬりかべ」

損得勘定で敵にも味方にもなる「ねずみ男」の存在も忘れてはいけない。

彼らの戦いは、人間と妖怪が仲良くなるその日まで決して終わることはない。



1960年(昭和35年)水木しげるの「鬼太郎夜話」という妖怪漫画(三洋社刊)が

貸本屋向けに出版された。しかし、当時は全く人気がなかった。


その後「墓場の鬼太郎」とタイトルが変わり、1965年(昭和40年)「少年マガジン」

に連載されるに当たって「ゲゲゲの鬼太郎」と改題された。


これまでの怪奇譚の流れではなく、主人公の鬼太郎が超能力を使って悪い妖怪を

やっつけるというストーリーに変えたところ、子供たちの人気を集めた。


本作はシリーズ化され、1968年から2020年まで52年間、全536話が放映されるという

長寿番組となり、「悪魔くん」(1966年)と並ぶ、水木しげるの代表作となった。











     


夜のヒットスタジオ


1968年11月から1990年10月まで、22年に渡り放映されたフジテレビの音楽番組。

大仕掛けのセット、大人数のダンサー、クレーンを活用したスピード感溢れる
カメラワークなど、従来の歌番組にはない斬新な手法で話題を集めた。


司会の前田武彦と芳村真理コンビによるゲストの本音を引き出すトーク力も
好評を得て、翌年1969年には、42.2%という高視聴率を記録した。


ザ・ピーナッツ(1975年)や山口百恵(1980年)など、引退や解散を間近に控えた
大物歌手を送り出す「サヨナラ企画」なども、本番組がハシリとなっている。

司会の前田武彦は、1973年に降板、その後、三波伸介、井上順、古舘伊知郎と続いた。















3時のあなた


大女優を司会に据えた主婦向け情報番組。(1988年4月まで20年間に渡り生放送された)


視聴率の谷間だった午後三時台を開拓しようという狙いから、生活にゆとりができた主婦層に

注目して、お茶でもゆっくり飲みながら見てもらおうということでスタートした。


初代の司会者となった高峰三枝子は、当初半年間の約束だったが、結局五年以上続いた。

ついで山口淑子や久我美子といったベテラン女優たちが司会を務めたことから、大物スターも

ゲスト出演するようになり、まさに芸能人のトークショーとなってしまった。

















      ロミオとジュリエット(Romeo and Juliet)1968年(英/伊)

十五世紀のイタリア。モンタギュー家の一人息子ロミオは、キャピュレット家の一人娘ジュリエットに一目惚れ。
二人は恋に落ちるが、両家は長年に渡って対立を続けてきた犬猿の仲であった。

何度も映画化された古典的な悲恋物語であり、それなりに経験を積んだ大人の役者が主演を演じることが多かった。
本作は、シェイクスピアが書いた実年齢に近い、若く溌溂とした二人が、主演に起用されたことで話題を呼んだ。

何と言ってもヒロインのオリビアの長い黒髪、つぶらな瞳、その可憐な美少女ぶりには息を呑むものがあった。
とりわけ日本で、彼女は絶大な人気を誇り、女子中高生が長い髪を真ん中分けにするのが大流行した。

(監督)フランコ・ゼッフィレッリ(Franco Zeffirelli)
(出演)レナード・ホワイティング(Leonard Whiting)オリビア・ハッセー(Olivia Hussey)