12月4日   邦画の歴史
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【邦画の黄金時代の到来】

黒澤明溝口健二衣笠貞之助らが次々と海外の賞をとった1950年(昭和25年)代、
日本の映画入場者数は11億2700万人(昭和33年)に達し、そのピークを迎えた。

さらに1960年(昭和35年)には、映画の製作本数、映画館の数もピークに達する。
当時娯楽の王様だった日本の映画は、質、量ともに絶頂期を迎えていた。

その興行的な余裕を背景に、巨匠たちは芸術的な作品をつくり続けることが可能になり、
黒澤明や溝口健二のつくる超大作が、豪華なスターの顔ぶれで十分商売になったのである。

一方、スターたちも巨匠の作品に出演して鍛えられ、磨きがかかり、単なるスターから大スター、大女優の
風格を身につけることになった。映画も充実し、スターもいっそう輝きを増す、そうした良き時代であった。

【各映画会社の状況】

【松竹】恋愛映画やホームドラマの分野で定評があった松竹は、「君の名は」「挽歌」「彼岸花」「秋日和」などの作品が
次々と公開された。男優では、松竹新三羽烏と呼ばれた佐田啓二鶴田浩二、高橋貞二、女優では、高峰三枝子淡島千景
津島恵子
桂木洋子岸恵子有馬稲子岡田茉莉子らが人気を博した。

【東宝】戦後の東宝は、黒澤明を看板監督として迎え、三船敏郎志村喬主演の「七人の侍」「酔いどれ天使」などの黒澤作品、
原節子高峰秀子主演の成瀬巳喜男作品、また森繁久彌小林桂樹の喜劇シリーズなど諸作品によって隆盛を極めた。

【大映】大映は、戦前からの大スター長谷川一夫の「銭形平次」シリーズなどの時代物、「雨月物語」「祇園囃子」「夜の河」など
京マチ子若尾文子山本富士子主演の女性映画が輝きを放っていた。

【東映】東映は戦後、1951年(昭和26年)に発足した映画会社で、片岡千恵蔵市川右太衛門月形龍之介中村錦之助東千代之介
大川橋蔵らの時代劇名優を擁し「時代劇は東映」を看板に時代劇全盛時代が続いた。

【日活】日活は戦後、1954年(昭和29年)に映画制作を再開し、石原裕次郎小林旭浅丘ルリ子芦川いづみなど、若い俳優を主役に
据えたアクション映画、青春映画で、時代劇は東映、現代劇は日活で人気を二分していた。


映画産業の斜陽化と正統派俳優時代の終焉

監督別主要作品

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