赤い靴(The Red Shoes)1948年(英) ロンドンのバレエ団に、ビクトリアという少女が入団した。彼女は、団長にその才能を見いだされる。 世界一のプリマを目指すビクトリアと、彼女を育てようとする団長のレルモントフ。 二人の夢は順調に実現に向かうように見えた。しかし、彼女が青年作曲家に恋し、バレエを捨てようと した時、悲劇の幕が上がる…。 バレエと恋との狭間で悩み、悲劇的な死を遂げるバレリーナの物語。「その靴を履いたら、死ぬまで踊り続け なければならない」というアンデルセンの童話を題材として制作された作品。 1950年(昭和25年)日本公開。東京有楽座には、二か月間で33万人を動員、高額料金の全席指定がほぼ満席を 続ける大記録を収めた。また街にはバレエ教室が乱立し、空前のクラシックバレエ・ブームが巻き起こった。 (監督)マイケル・パウエル(Michael Powell)エメリック・プレスバーガー(Emeric Pressburger) (出演)モイラ・シアラー(Moira Shearer)アントン・ウォルブルック(Anton Walbrook) |
イヴの総て(ALL ABOUT EVE)1950年(米)アカデミー最優秀作品賞 田舎からニューヨークへ出てきたイヴ(バクスター)は、憧れの大女優マーゴの付き人になる。 劇作家を誘惑し、演出家に取り入り、マーゴの代役を手に入れ、遂に新人女優賞を手中にする。 無名時代のマリリン・モンローも、ちょっとオツムの足りない新進女優という役柄で出演したが、 金髪にグラマーであれば誰でもいいという端役であった。 出番は少なかったが、若さと美貌が際立っていた彼女には、以後映画出演が相次ぐ。 だが「オツムの弱いブロンド娘」という役柄だけは、その後も変わらなかった。 (監督)ジョゼフ・L・マンキーウィッツ(JOSEPH L. MANKIEWICZ) (出演)アン・バクスター(ANNE BAXTER)ベティ・デイヴィス(BETTE DAVIS) ジョージ・サンダース(GEORGE SANDERS)マリリン・モンロー(MARILYN MONROE) |
無防備都市(Roma citta aperta)1945年(伊) ナチス占領下のローマ。抵抗運動の闘士マンフレディは、ナチスの急襲を逃れ、 仲間のフランチェスコのもとに身を寄せる。 フランチェスコは、未亡人ピナ(マニャーニ)と結婚する予定だったが、 仲間と共にナチスに連行され、後を追ったピナは、虫けらの如く銃殺される。 捕らわれた男の後を追って死ぬヒロインは、その行為が抵抗運動と関わりなく、 きわめて本能的であるがゆえに、観る者の胸に迫る。 イングリッド・バーグマンがこの作品を見て感動の余り、何が何でもロッセリーニと 一緒に仕事がしたいと、彼の許に奔った世紀の恋の実話はあまりにも有名である。 (監督)ロベルト・ロッセリーニ(Roberto Rossellini) (出演)アンナ・マニャーニ(Anna Magnani) |
嵐が丘(Wuthering Heights)1939年(米) 英国ヨークシャーにある屋敷「嵐が丘」の当主が孤児を引き取り、ヒースクリフと名付ける。 彼と当主の娘キャシーは愛し合うようになるが、上流階級の男性エドガーが現れたことで、 ふたりの関係はヒースクリフの報復劇につながる悲恋へと転じてしまう。 身分の違う二人は、一度は激しく結ばれるのだが、キャシーは、計算づくで上流階級のエドガーと結婚。 裏切られたと思い込んだヒースクリフの憎悪たるや凄まじく、キャシーに復讐の矛先を向ける。 可愛さ余って憎さ百倍と言われるが、まさに憎しみは、愛の裏返しであるという事が伺える作品。 ローレンス・オリヴィエが執念深く陰湿な主人公ヒースクリフを熱演している。 また、キャシーの夫となるエドガーを若き日のデヴィッド・ニーヴンが演じている。 (監督)ウィリアム・ワイラー(William Wyler)(出演)マール・オベロン(Jean Simmons) ローレンス・オリヴィエ(Laurence Olivier)デヴィッド・ニーヴン(David Niven) |